『バルクアップしたいけどどんなトレーニングをするべき?』『どのくらいのカロリーを摂取すればいいの?』など、バルクアップに関して悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、そもそもバルクアップとは?といった基礎的なことから正しいバルクアップの方法までを詳しく解説していきます。
本稿を読み、効率よく理想のカラダを手に入れましょう!
1. そもそもバルクアップとは?
バルクアップ=とにかくカラダを大きくすると認識している方もいますが、実はこれは間違いです。正しいバルクアップの意味は「筋肉量を増やしながら」カラダを大きくしていくことです。
たとえ体重が増えていても筋肉量が増えていなければそれはバルクアップではなく「ただ太っているだけ」ですので注意しましょう。
2. バルクアップは3種類に分類される
一口にバルクアップといってもやり方が3つあるため、それぞれを紹介していきます。
2-1. とにかく摂取カロリーを増やすダーティバルク
まず1つ目が、ダーティバルクです。ダーティバルクとは、その名の通りダーティ=カラダに悪いものを摂取しなながらバルクアップを試みる方法です。
タンパク質の摂取量だけを守り、あとはラーメンやピザなどジャンクフードも気にせず食べていいとされています。確かにカロリーは比較的摂取しやすいですが、筋肉量だけではなく脂肪も蓄えやすくなってしまいます。
体脂肪量が増えすぎてしまうと筋肥大に欠かせない男性ホルモン・テストステロン値が下がり、結果として効率が下がってしまうので、ダーティバルクはあまりおすすめしません。
2-2. なるべく体に良いものを摂取するクリーンバルク
続いて2つ目が、クリーンバルクです。クリーンバルクとは、ダーティバルクとは逆にクリーン=カラダに良いものを摂取しながらバルクアップを行なっていきます。
必要なタンパク質量を決め、あとは摂取カロリー〉消費カロリーになるよう「カラダに良いものを」たくさん食べていきます。
ジャンクフードは食べず、脂質もサバやナッツ類、アボカドなどの良質なものから摂取していきます。
ダーティバルクよりはもちろん良いですが、クリーンバルクでも摂取カロリーを多く摂りすぎてしまうと体脂肪が増えてしまうため要注意です。
2-3. 体脂肪をつけすぎずに筋量を増やしていくリーンバルク
最後3つ目が、リーンバルクです。リーンバルクとは、なるべく体脂肪をつけずに筋肉量を増やしていくバルクアップ方法です。
リーンバルクとクリーンバルクを同じ意味だと捉えている方がいますが、厳密には違います。リーンバルクは摂取カロリーまで細かく設定しているため、なるべく体脂肪の増量を抑えながら筋肉量を増やすことができます。
3つのバルクアップ方法の中では一番リーンバルクが理想的なのですが、その理由としてはテストステロン値を高く保つことができ、なおかつ減量へもスムーズに移行できるからです。
ただ、リーンバルクはPFCバランスの計算や食べたいものを我慢したりとなかなか根気がいるので難易度が高いのも事実です。個人的にはクリーンバルクでもある程度筋肉量を増やすことができると思っているので、目的やライフスタイルに合わせて選択することをおすすめします。
より詳しくリーンバルクに関して知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてください。

3. バルクアップに必要な3つの要素
バルクアップを効率よく行うためには、
②適切な負荷をかけたトレーニング
③筋肉を成長させるための回復
の3つの要素が必要です。
このうちどれか1つでも欠けてしまっては、筋肉を増やしていくことはできません。
どんなにトレーニングを頑張っても栄養が足りていなければからだは大きくならないため、3つすべてに気を配るようにしましょう。
それぞれの具体的な内容に関しては、これから詳しく解説していきます。
4. バルクアップを効率的に行うための食事方法
まずは気になっている方が多いバルクアップを行うための食事方法を説明していきます。バルクアップ期には確かにトレーニングの質が大切ですが、それは食事の土台がしっかりしていることが前提にあります。
いくらトレーニングをハードに頑張っていても、栄養が足りなければ筋肉は回復しませんし肥大することもありません。
そこでバルクアップをする上で大切な食事のポイントを紹介していきます。
4-1. 摂取カロリー〉消費カロリーを維持
バルクアップをする上で一番大切なことが、1日に消費するカロリーよりも摂取するカロリーを増やすことです。消費カロリーが摂取カロリーを上回ってしまえば、体重は減っていってしまうので、バルクアップはうまくいきません。
ではどのくらいカロリーを摂取すればいいかというと、メンテナンスカロリー=1日に消費するカロリー(基礎代謝+活動量)×1.2倍がリーンバルクには最適とされています。
具体的な計算方法や食事例などはこちらの記事に詳しく書いてあるので、参考にしてみてください。

4-2. タンパク質は体重×2倍を死守
バルクアップをするには、タンパク質の摂取が欠かせません。タンパク質は筋肉を作る材料となるため、増量期には意識して摂取するようにしましょう。
体内では筋肉の合成(アナボリック)と分解(カタボリック)が絶えず行われているのですが、合成が分解を上回った状態を筋肥大と呼びます。タンパク質量が足りていないとカタボリックに偏ってしまってバルクアップが非効率的になってしまうので気をつけましょう。
ちなみに筋肉の合成におけるタンパク質必要量は体重×1.8gと言われていますが、摂取したタンパク質のすべてが吸収されるわけではないため体重×2倍g以上を摂取することをおすすめします。
また、タンパク質の過剰摂取は腎臓に悪影響を与えると言われていましたが、最新の研究では相関関係がないことが明らかになっています。もちろん摂取のしすぎは腸内環境の悪化などを招いて体によくありませんが、体重×2倍程度であれば気にしすぎる必要はありません。
4-3. ビタミン・ミネラルも忘れずに
筋トレの食事では3大栄養素(タンパク質・脂質・糖質)を意識できている方は多いですが、より効率的にバルクアップをしたいのであればビタミンやミネラルといった5大栄養素までしっかりと摂取をするべきです。
なぜなら、あらゆる栄養素はそれぞれ補完しあいながら体内で働くからです。ビタミンやミネラルはタンパク質合成やホルモンバランスの調整などの効果もあるため、筋肥大とは関わりが大きな栄養素なのです。
4-4. サプリを活用しよう
バルクアップにはサプリの活用も効果的です。特に先ほど挙げたビタミン・ミネラルなんかは食事を意識していても完璧に摂取することは難しいため、マルチビタミンを利用して足りない分を補いましょう。
他にも効率よくタンパク質を補給できるプロテインや糖質を補給できるマルトデキストリン、筋分解を防いでタンパク質合成を高めてくれるBCAAなどはおすすめです。
ちなみに最近広告でもよく見かけて「バルクアップを謳っている」HMBというサプリですが、上記のサプリに比べると優先順位は低くなります。
効果がないというわけではありませんが、広告に記載されているような飲んだだけで筋肉量が増えることはないので注意しましょう。
バルクアップ期にマストで摂取したいサプリは
・BCAA(筋分解抑制、集中力アップ)
・マルトデキストリン(トレーニング時のエネルギー源)
・クレアチン(挙上重量アップ)
この4つですので、もし飲んでいないのであれば摂取することをお勧めします。
4-5. 水は最低でも2リットル以上飲む
筋肉と水分の関係も見逃せません。あまり重要視をされていませんが、水はカラダにとってもっとも大切な栄養素といっても過言ではありません。
なぜなら体内で行われる化学反応にはすべて水が関係しているからです。これには筋合成や脂肪分解などボディメイクに欠かせないものも含まれているため、水が不足しているということはバルクアップの効率を下げることを意味しています。
汗や尿などを含めると1日に2リットル近くの水分が体内から排出されているため、最低でも同量は摂取するようにしてください。
日頃からトレーニングをしている方の場合は、さらに水分が必要なため理想は3リットル以上摂取できるのが好ましいです。
私自身は最低でも毎日4リットル以上の水分を補給しているため、意識して水を飲む習慣を身につけましょう。
5. バルクアップの進捗はデータで確認しよう
バルクアップを行うときは体重を測定しながらその都度食事を調整してください。
例えば計算した一日の消費カロリーよりも明らかに多く食べているのに体重が増えない場合は、実際の消費カロリーと誤差が生じている可能性があります。
食べる量を増やして対応しましょう。具体的な目安としては、1ヶ月で体重の5%を目安に増えていればバルクアップが順調だと認識して構いません。
例えば体重が60kgの場合、
1月に増える目安は3kg
1週間に増える目安は750gとなります。
1週間単位で上記の数値をクリアしていない場合は、PFCバランスを意識しながら摂取カロリーを増やすようにしましょう。
6. バルクアップを効率的に行うためにはトレーニングを最重要視しよう
先ほどバルクアップをする際には3つの要素が欠かせないと説明しましたが、個人的にその中でも一番大切な要素がトレーニングだと考えています。
ボディメイクは筋トレよりも食事が大切だという意見も聞きますし確かに食事も重要なのですが、増量期に関していえばトレーニングの質が結果を大きく左右します。
食事と筋トレどちらを重視することでボディメイクの結果が出やすくなるか、私の経験則では
・減量期→8:2
・増量期→6:4
の割合で比率が変わります。
もちろん大前提として必要量のカロリーや栄養素を意識する必要はありますが、トレーニングの質が低い、もしくは正しい負荷をかけられていない場合は食事を頑張っていてもなかなか筋肉が発達していきませんので覚えておきましょう。
これからバルクアップ期のトレーニングで大切なポイントを紹介していきます。
6-1. 漸進性過負荷原則を意識
一番重要だといっても過言ではないのが、筋肥大の大原則である漸進性過負荷(ぜんしんせいかふか)です。あまり聞き慣れない単語ですが、それぞれの意味は以下の通りです。
漸進性=「順を追って進んでいくこと」
過負荷=「身体が日常的に受けている刺激を超える負荷を与えること」
つまり漸進性過負荷の原則とは適切な負荷を筋肉に与えつつ、筋肉が成長するに従って与える負荷も上げていくことです。
徐々に負荷を上げていくことで、筋肉が刺激に適応することなく効率よくバルクアップをしていくことができます。
ちなみに過負荷を与える方法としては
・1セットあたりのレップ数を増やす
・インターバルを短く設定する
・トレーニング頻度を増やす
6-2. 重量にフォーカスすることで必要な負荷をかけることができる
筋肥大のメカニズムは、一般的にストレス学説として知られています。身体にストレス(負荷)をかけることで生命の危機を感じ、生体反応として筋肉が大きくなっていくというものです。
そのためトレーニング時に「必要以上に負荷をかける必要もない」との声もあります。
筋肉を成長させるために100の刺激が必要なのであれば、101も150も効果は変わらないということです。
つまり必要以上にハードなトレーニングは意味がなく、重量にこだわる必要もないというわけです。
ではなぜ私が重量にフォーカスすべきかと説明しているかというと、その100(カラダに適切な負荷)をピンポイントで見分けることはかなり難易度が高いからです。
トレーニング初心者や中級者が「どのくらいの刺激を与えたら筋肉が成長するか」を適切に把握するのは難しく、負荷が足りなくなってしまう可能性があります。
しかし、漸進性過負荷の原則に従い、重量にフォーカスをすることで「負荷が足りない」という現象は避けることができ、結果としてバルクアップに繋がっていきます。
6-3. 1セット8~12回×3セットを中心にトレーニングメニューを組む
重量にフォーカスしつつ負荷を徐々に上げていくことがバルクアップへの近道だと説明しましたが、重量を追いすぎてレップ数が低くなっても意味がありません。
高重量×低レップスでは筋力が向上するかもしれませんが、筋量増加に繋がるとは限らないからです。
ある程度の回数を反復することで神経系の発達に繋がるため、効率よくバルクアップを行うことができます。
具体的には、すべての種目を8~12回×3セット以上で行うようにしましょう。
2セット群と3セット群では筋肥大に優位な差が見られなかったこといった報告あるため2 セットでも十分と指導している方もいますが、2セットでは十分な追い込みが足りなくなる可能性があるため、できるだけ1種目につき3セット以上行うことを推奨します。
6-4. 鍛える部位を分割する
効率よくバルクアップをするには、鍛える部位も分割しましょう。
本気で変えたいのであれば週3回はジムに通い、1回のトレーニングで1つの部位(もしくは2つ)を鍛えるようにしてください。
一気に全身を鍛えようとすると長時間がかかり、集中力も切れてしまいます。さらには長すぎるトレーニングはストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されてむしろ逆効果となるリスクがあります。
1回のトレーニング時間は60~90分を目処にメニューを組み立てましょう。
週3回ジムに通った場合の分割例はは以下の通りです。
・月曜日 胸+肩
・水曜日 背中+腕
・金曜日 脚
7. プラトーに陥った場合は刺激を変えよう
今まで説明してきた方法でバルクアップを行うことができますが、慣れてくるとプラトー(停滞期)に陥ってしまう可能性があります。
基本的に漸進性過負荷の原則に則ってトレーニングを行なっていればプラトーになることはないのですが、挙上重量はある程度で伸びにくくなるので結果的に停滞してしまうのです。
プラトーに陥った場合は筋肉に対して与える刺激や負荷を変えてあげればいいのですが、実践するのであれば以下の2通りの方法がおすすめです。
7-1. ピリオダイゼーションでトレーニングルーティンを変える
まず1つ目が、ピリオダイゼーションを利用することです。ピリオダイゼーションとは、時期を区切ってトレーニングプログラムを変化させる考え方です。与えられる刺激が変わるので、プラトーを停滞することができます。
ウェイトトレーニングにおけるピリオダイゼーションのセオリーは
②筋力向上期(高重量×低回数)
③筋持久力向上期(低重量×高回数)
を4週間~8週間スパンで回していきます。
ただ、文中で何度か説明をしているように、まずは①筋肥大期のみでもある程度まではバルクアップを行うことは可能です。
バルクアップの期間にもよりますが、3~4ヶ月を目処に考えているのであれば②筋力向上期と③筋持久力向上期(低重量×高回数)は取り入れる必要がない場合もあります。
あくまでも停滞期に陥った場合に取り入れるべきです。
7-2. トータルボリュームを意識する
続いて2つ目が、トータルボリュームを意識することです。トータルボリュームとは、レップ数×挙上重量×セット数で表される数値を指します。
今までは、レップ数を軸にトレーニングを行うことが筋肥大への近道という説が一般的でした。(本稿でもまずは8~12回×3セット以上を勧めています)
しかし、最近の研究によるとトータルボリュームが同じであれば、筋肥大への効果も同じだったと報告されています。
つまり、ベンチプレスを
②50kg×12回×4セット=2,400
の2種類行なった場合ではどちらも同じ効果があるというわけです。
とはいえ、個人的にはまずは①のようにある程度の重量を扱うことをおすすめします。重量が伸びると筋力や神経系も発達するため、結果的に効率よく筋肥大が行えるからです。
プラトーに陥った場合に、新しい刺激として重量やセット数を変えてみましょう。
8. バルクアップには休息も欠かせない
バルクアップには休息も欠かせません。なぜなら、ハードにトレーニングをしても休養期間がなければ筋肉が十分に回復・成長できないからです。
休息に関してはひとまず以下の2点だけを抑えておけば十分ですので、参考にしてみてください。
8-1. 毎日7~8時間の睡眠
毎日7~8時間を目安に睡眠をとることをおすすめします。睡眠不足がボディメイクにおいてさまざまな悪影響を与えるということは、すでに実験により立証されています。
例えば、睡眠不足の状態と睡眠をしっかりとった状態で同じトレーニングをした場合、明らかに睡眠不足の状態のほうが挙上重量が下がっていました。
また睡眠不足はホルモンの関係で食欲が増し、普段は食べないようなもの(ケーキやジャンクフードなど)を食べてしまう可能性も高まります。
以上のように、睡眠不足はトレーニング効率が下がるため結果としてバルクアップにも悪影響を与えてしまいます。
もちろん人によっては必要な睡眠時間は異なりますが、ハードなトレーニングをしていることを考えると最低でも7時間は眠るようにしておきたいところです。
8-2. 2~3日空けてしっかり回復させる
バルクアップをするためには、対象部位をしっかりと回復させてから次のトレーニングにうつる必要があります。疲労が残った状態でトレーニングを行ってもトレーニングの質が落ちてしまいますし、筋合成には悪影響を与えます。
筋肉が回復するには2~3日の期間がかかるとされているため、同じ部位を行う場合は最低でも中2日は空けるようにしましょう。
回復を意識した上で高頻度にトレーニングを行うためにも、部位毎に分割をしてトレーニングルーティンを組むようにしてください。
9. バルクアップに適切な期間
今までバルクアップに必要な要素を説明してきましたが、最後にバルクアップはどれくらいの期間で行えばいいかを紹介していきます。
ただかっこいいカラダが欲しいのか、コンテストに出るためのカラダ作りをしたいのか、そして筋肉がつきにくいなど体質によっても期間は変化していきます。
9-1. 3~4ヶ月バルクアップ→減量
一番オーソドックスなスタイルは3ヶ月ほどの期間で増量と減量を繰り返していくことです。
見た目の変化は約3ヶ月ほどで変わるため、最低でも3ヶ月の期間を準備しましょう。
ただ、もともと痩せ型で筋肉量が少ない場合は3ヶ月で大幅な変化を感じられないはずです。その場合は最低でも6ヶ月を目安に期間を設定するようにしましょう。
9-2. バルクアップを終える目安は、体脂肪率が16~18%になったら
また、中には特に減量をする予定がなく1年以上もの期間をバルクアップに費やす方もいます。
もちろんこれは間違いではないのですが、やはりプラトーのことを考えると増量→減量を繰り返すことが一番効率よくバルクアップをすることができます。
具体的に増量から減量へと切り替わるタイミングは、体脂肪率で管理するのがおすすめです。
体脂肪率が16~18%になってきたら、一つのタイミングと捉えましょう。
それ以上体脂肪が増えてしまうと、筋合成に欠かせない男性ホルモンであるテストステロン値が下がり筋肥大へも悪影響を与えます。
脂肪が乗っているとパンプアップもわかりにくく、視覚的な面でもモチベーションがさがってしまうので
18%以上になったら一度増量をやめ、減量にシフトすることをおすすめします。
まとめ
今回はバルクアップに関して解説してきました。
今までなんとなくてバルクアップをしていた方も多いと思いますが、本気で筋肉量を増やしたいのであればトレーニング・食事・休養すべてを意識するべきです。
今回紹介した内容を参考に、効率よくカラダを大きくしていきましょう!
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