『逆三角形のような広い背中が欲しいけど、どうやって鍛えればいいかわからない…』
こうした悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
実際広背筋は身体の中でも大きな筋肉のため、がむしゃらに鍛えてもなかなか変化が得られません。
そこで今回は、効率よく背中を鍛えていくための方法を紹介していきます。
具体的には
・広背筋の基礎情報
・広背筋を効率よく発達させるためのコツとおすすめな種目
・広背筋を発達させるためにオススメなトレーニングメニューの一例
の順に、重要な内容に絞って解説していきます。
より具体的な内容を盛り込んでおりすぐに実践で落とし込めるため、本稿を読んで理想の背中を手に入れましょう!
1.広背筋の基礎情報
広背筋を効率よく鍛えるためには、そもそも広背筋がどこからどこに付着しており、どのような役割を果たすかを理解しておく必要があります
なぜなら広背筋はただでさえ自分で見ることができず使用している感覚が掴みにくいからです。どこに付着してどんな作用があるかをを理解するだけでフォームや意識が変わってトレーニング効率がアップするため、まずは広背筋の基本的な情報を把握しておきましょう。
1-1.広背筋の起始・停止
まずは広背筋がどこからどこまで付着しているか(起始・停止)を解説していきます。
広背筋は身体の中でも大きな筋肉のため、起始部が
②正中仙骨稜(せいちゅうせんこつりょう)→骨盤付近
③腸骨稜(ちょうこつりょう)の後方→骨盤付近
④肩甲骨の下角、第9(または10)~12肋骨→肋骨付近
停止部が上腕骨の小結節稜(二の腕らへん)と付着部位が多くなっています。
ただ、ここまで正確に把握しておく必要はないため、上の画像でなんとなくの位置を把握しておきましょう。
そしてラットプルダウンや懸垂などでは、動作時に肘を骨盤付近に近づけるようにすると広背筋を収縮、遠ざけるようにするとストレッチの刺激を与えることができるので覚えておきましょう。
この意識を持つだけで広背筋のマッスルコントロールがうまくなるため、広背筋に効いている感じがしない方は試してみましょう。
1-2.広背筋の役割
続いて、広背筋の役割を説明していきます。
広背筋の主な役割としては
②肩関節の内転(体側にセットした上腕を内側に閉じる動作)
③肩関節の内旋(小さく前習えをした状態で肘から先を内側に閉じる動作)
④肩関節の水平外転(水平に挙げた上腕を外側に開く動作)
がありますが、このうち広背筋を鍛えるのにもっとも使用されるのが肩関節の伸展です。
これはチンニングやラットプルダウンなど広背筋の人気種目で使用されている動作のため、背中を鍛える際は肩関節の伸展動作を意識しながら行いましょう。
実際に片手を前方にまっすぐ挙げた状態で下ろしていくと、広背筋が収縮する感覚をつかめるはずです。この時脇を閉めるとより効果的に収縮させることができるのですが、広背筋のマッスルコントロールが苦手な方はまずこの動作から練習するのもおすすめです。
2.男らしい背中を手に入れるには、広がりと厚みを意識して広背筋を鍛えよう
広背筋をかっこよく発達させたいならば、ただがむしゃらに鍛えるのではなく広がりと厚みを意識してトレーニングを行うことが大切です。なぜなら、広がりと厚みのどちらかが足りていないと
・広いけれど薄い背中
・厚いけれど逆三角形ではない背中
と中途半端になってしまうからです。
広背筋の広がりとは脇の下から発達した広背筋であり、物理的に背中の面積を増やすことができます。逆三角形と呼ばれる体型を作るためには欠かせないのが広背筋の広がりであり、正面から見た際に脇の下がボコッとなるのも、広背筋の広がりを意識したトレーニングで作ることができます。
ただしいくら広背筋が広くても、薄い背中であればなんだかかっこよくありません。そこで重要なのが、厚い背中を作ることです。広がりが広背筋の面積を増やすのであれば、厚みは広背筋の体積を増やすイメージです。デコボコした厚い広背筋を作ることで、男らしく迫力のある背中を手に入れることができるのです。
それぞれをどのようにして鍛えるかは後ほど詳しく説明しますが、簡単に説明すると
・広がり=チンニングやラットプルダウンなどの上から引く種目
・厚み=シーテッドロウやベントオーバーロウなど前から引く種目
です。
背中のトレーニングメニューを組む際は、どちらのアプローチになるかを意識しながら組みましょう。
また、背中は広い筋肉でたくさんの筋肉によって構成されているため、広くて厚い背中を作るには広背筋以外の発達も大切です。ただし、基本的にそこまで意識せずとも他の部位も自然と発達するため、今回は広背筋に絞って解説していきます。
3.効率よく広背筋を鍛えるには自宅トレーニングではなくジムに通うべき2つの理由
今まで広背筋の基本的な情報やかっこいい背中を手に入れるために大切なアプローチに関して説明してきました。しかしここで気になるのが「自宅とジム、どちらでトレーニングをすればいいのか」ということですよね。
結論からいってしまうと、効率よく広背筋を発達させたいならば絶対にジムに通うべきです。
その理由を2つ説明していきます。
3-1.背中は大きな筋肉のため自宅では種目が足りない
まず1つ目の理由が、背中は大きな筋肉のため自宅トレーニングでは絶対的に種目数が足りないということです。
大胸筋や腕周りの筋肉を鍛えるのであれば自重トレーニングでもある程度の種目数を確保できますが(それでもジムに通ったほうが効率的に鍛えられます)、そもそも背中の場合は自重トレーニングの種目自体が多くありません。
加えて広背筋は面積も広くさまざまな方向から刺激を与える必要があるため、自宅トレーニングでは向いていません。
3-2.自宅トレーニングでは十分な負荷を与えることができない
続いて2つ目の理由が、自宅トレーニングでは広背筋に十分な負荷を与えることができないという点です。背中は面積が大きい分、発揮できるパワーも大きい筋肉です。
通常、筋肥大をさせるにはギリギリ8~12回できる回数×3セット以上でメニューを組むことがセオリーとされています。しかし、自宅トレーニングで背中を鍛えるとするとどうしても十分な負荷をかけることができません。
広背筋を効率よく鍛える自重トレーニングにはチンニングもありますが、チンニングだけではやはり種目数が足りませんし、先ほど紹介した厚みはつくることができません。
しかし、ジムであれば豊富な機材や十分な負荷が用意されているため、さまざまな角度から広背筋に刺激を与えて効率よく発達させることができるのです。
そのため、効率よく広背筋を発達させたいのであれば迷わずジムに通いましょう。
4.広背筋に効かせやすくするための2つのポイント
広背筋のトレーニングでは、慣れるまで背中を使っているのかどうかがわかりにくいという課題があります。そこで広背筋に効かせやすくするためのポイントを2つ紹介して行きます。
4-1.小指側に力を入れる
まず1つ目のポイントが、小指側に力を入れるということです。
ラットプルダウンやチンニングを行う際は、小指側に力を入れましょう。なぜなら小指側の神経が広背筋に繋がっているため、効いている感覚を掴みやすくなるからです。
また、小指側に力を入れるためにも親指を外して握るサムレスグリップにすることをおすすめします。
4-2.肘を腰に近づける意識で行う
続いて2つ目のポイントが、肘を腰に近づける意識で行うことです。
なぜなら、広背筋は上腕骨から骨盤付近まで付着しているため、この両端を近づけると自然と収縮しやすくなるからです。
ラットプルダウンやチンニングを行う際は、この2つのポイントを意識するだけで広背筋の使用感を掴めやすくなるため試してみましょう。
5.広背筋の広がりを作るのにおすすめな筋トレ種目
続いて、実際に効率よく広背筋を鍛えるのにおすすめな種目を先ほど説明した「広さ」と「厚み」に分けてそれぞれ紹介していきます。
まずは広背筋の広がり作るのにおすすめな種目から見ていきましょう。
5-1.チンニング
チンニングとは、いわゆる懸垂のことです。懸垂は一般的に上腕二頭筋を鍛える種目だと思われていますが、正しくは広背筋を鍛える種目です。正しいフォームで行うと難易度は高いですが、広背筋の広がりを作るにはかなり効果的な種目です。
チンニングの正しいやり方
まずはチンニングの正しいやり方から見ていきましょう。
②地面から両足を浮かし、反動を利用しないようにお尻の下で足を組む
③しっかりと胸を張って肩甲骨を下制(下に下ろす)する
※ここがスタートポジション
④胸をバーに近づけるようにして上体を持ち上げていき、広背筋が収縮したら一度止める。この時、肘を腰に近づけることを意識すると広背筋が収縮しやすくなる。
※ここがフィニッシュポジション
⑤広背筋から負荷が抜けないようにしながら、ゆっくりと上体を下ろしていく
⑥肘が伸びきる直前で切り返し、再度上体を持ち上げていく。この時、反動を利用しないように注意する
この動作を繰り返していきます。
チンニングのポイントとしては、腕の力ではなく背中の力で上体を持ち上げることです。小指側に力を入れると広背筋に負荷が乗せやすくなる(小指側の神経が広背筋に続いている)ため、意識してみましょう。
広背筋を鍛えたいのであれば、肩甲骨を寄せないことも大切です。なぜなら肩甲骨を寄せる(内転)させると広背筋よりも僧帽筋に負荷が入ってしまうからです。もちろん僧帽筋を狙うのであれば肩甲骨を寄せても構いませんが、広い背中を作るには肩甲骨を寄せず(外転)に動作を行うことを心がけましょう。
また、スタートポジションで足をお尻の下で組んで反動を利用しないようにしてください。一回一回の動作を丁寧に行いましょう。
チンニングに関してより詳しい内容を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
チンニングの負荷設定と回数の目安
チンニングは大胸筋との拮抗筋のため、正しい重量設定としてはベンチプレスの挙上重量が目安とされています。
例えば体重60kgで80kg×10回ベンチプレスができるのであれば、20kgプレートを加重して10回チンニングを行います。セット数は3セットを目安に行いましょう。
ただし、慣れていないとチンニングは自重で10回×3セットすら難しいはずです。そのため、いきなり加重するのではなくまずは自重でできるように練習しましょう。
5-2.ラットプルダウン
ラットプルダウンとは、上から重りを引いて広背筋を鍛える種目です。専用のマシンを使用するため重量設定を細かく行え、チンニングが苦手な方でも広背筋に効かせやすい種目です。
ラットプルダウンの正しいやり方
まずはラットプルダウンの正しいやり方から見ていきましょう。
②肩幅より少し広めにオーバーハンドグリップ(順手)で握る。この時、親指は巻かないサムレスグリップにすると小指側に力が入り広背筋に負荷を乗せやすくなる
③しっかりと胸を張って肩甲骨を下制させる。上体を少しだけ後ろに倒す(15~20度前後 )
※ここがスタートポジション
④バーを胸に近づけるようにして下ろしていく。この時、肘を腰に付けるようにすると広背筋の収縮をしやすくなる
⑤広背筋が収縮したら一度止める
※ここがフィニッシュポジション
⑥ゆっくりとバーを戻していき、肘が伸びきる直前で切り返していく
この動作を繰り返していきます。
ラットプルダウンを行う際は、背中が丸まってしまうと広背筋から負荷が抜けてしまうため常に胸を張った状態をキープしましょう。また、ネガティブ動作でも負荷を乗せ続けることを意識すると、より効果的です。
そしてチンニング同様、広背筋を狙いたいのであれば肩甲骨をあえて寄せないことを意識してみてください。
ラットプルダウンに関してより詳しい内容を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください
ラットプルダウンの負荷設定と回数の目安
ラットプルダウンは、チンニングよりも高重量を扱いやすい種目です。なぜならチンニングではカラダ全体を持ち上げていく必要があるのに対し、ラットプルダウンでは下半身が固定されているため無駄な力を使う必要がないからで。
そのため、まずは自分の体重と同等の重量を目安にセットを組み、慣れてきたら徐々にあげていきましょう。
回数に関しては8~12回できる重量で3セットを行います。
ただし、私がラットプルダウンを行う場合はアタッチメントを変えて広背筋だけではなく僧帽筋や大円筋も狙って行うことが多いです。
広背筋を狙ったラットプルダウンを3セット、その他を狙ったラットプルダウンを+2~3セット行うイメージです。
5-3.スタンディングケーブルプルダウン
スタインディングケーブルプルダウンとは、ケーブルマシンを利用して広背筋にストレッチや収縮を与える種目です。チンニングやラットプルダウンに比べるとあまりメジャーな種目ではありませんが、広背筋トレーニングで最後の追い込みとしてかなり有効な種目です。
スタンディングケーブルプルダウンの正しいやり方
まずはスタンディングケーブルプルダウンの正しいやり方からみていきましょう。
②肩幅より少し広いスタンスで握り(オーバーハンドのサムレスグリップ)、後ろに下がる。
③お尻を後ろに突き出すようにして上体を前傾させる。この時、骨盤を前傾(反り腰)させることを意識する
④両手を伸ばした状態でストレートバーを体に引き寄せていく。イメージとしては肩関節の伸展動作そのままである
⑤ストレートバーを体に近づけるに合わせて上体を軽く立て、広背筋を収縮させる。収縮時に一度停止する。
⑥ゆっくりとストレートバーを戻していき、腕を伸ばしきって広背筋をしっかりとストレッチさせる。ストレッチ時に一度停止する
⑦反動を使わないようにし、再度切り返していく。
この動作を繰り返していきます。
スタンディングケーブルプルダウンのポイントとしては、収縮時とストレッチ時に一度停止することです。広背筋を強く収縮・ストレッチさせられる種目は少ないため、スタンディングケーブルプルダウンではこの2つを意識しましょう。
また、収縮時に骨盤を立てるようにすると、自然と広背筋の起始と停止が近づき収縮しやすくなります。
スタンディングケーブルプルダウンは文字だけで見ても動作をイメージしにくいと思いますので、こちらの動画を参考にしましょう。
スタンディングケーブルプルダウンの負荷設定と回数の目安
スタンディングケーブルプルダウンは、重量ではなくフォームを意識して行います。また、肩関節のみを使用するアイソレーション(単関節)種目のため、そもそも高重量は扱えません。
先述した収縮とストレッチを意識するためにも、15~20回できる重さで3セット行いましょう。背中の種目の最後に取り入れることで、しっかりと追い込むことができます。
6.デコボコした厚く男らしい広背筋を作るのにおすすめな筋トレ種目
続いて、厚みのある広背筋を作るのにおすすめな種目を紹介していきます。なお、厚みのある背中を作るには広背筋だけではなく大円筋や僧帽筋の発達も欠かせません。
大円筋に関しては広背筋と同じ作用のため自然に鍛えられまうが、僧帽筋はまた若干異なります。そこで、僧帽筋も効率よく発達させたい方はこちらの記事を参考にしてください。(僧帽筋、鍛え方の記事リンク挿入)
ただし、最初のうちはそこまで意識せずともこれから紹介した種目を行なっていると自然と僧帽筋も発達してきます。ある程度発達してきたら僧帽筋を狙ったトレーニングも必要ですが、まずはあまり気にせず、とにかくやり込みましょう。
6-1.トップサイドデッドリフト
トップサイドデッドリフトとは、膝から上のみで行うデッドリフトです。ハーフデッドリフトとも呼ばれて通常のデッドリフトよりも可動域が狭いため、広背筋にピンポイントで刺激を与えることができます。
また、背中の種目の中ではもっとも高重量をトレーニングでもあるため、厚い広背筋を作るにはオススメです。
トップサイドデッドリフトの正しいやり方
まずはトップサイドデッドリフトの正しいやり方から見ていきましょう。
②あるべくバーに近づき、肩幅もしくは肩幅よりも少し広めでバーベルを握る。手幅が狭いと僧帽筋、広いと広背筋の関与が大きくなるため目的に合わせて手幅を変える。
③膝を軽く曲げ、腹圧をかけてしっかりと胸を張る。膝を伸ばすのに合わせてバーベルをラックアップさせる。
④数歩後ろへ下がり、再度胸を張って体幹部を固める。両足は肩幅を目安に開いておく。この時脇を閉めるようにして、広背筋に力を入れておく。
※ここがスタートポジション
⑤お尻を後ろに引くようにして、上体を前傾させていく
⑥バーベルがセーフティバーに付いた瞬間に切り返し、元の状態に戻していく
⑦スタートポジションと同じ位置まできたら少しだけ上体を反らし、広背筋を最大収縮させる。
⑧収縮させたら一度停止し、再度ゆっくりとバーベルを下ろしていく
この動作を繰り返していきます。
トップサイドデッドリフトのコツは最大収縮させることと、ネガティブ時でも負荷を抜かないことです。バーベルを持ち上げた際に広背筋を収縮させ、下ろすときにも常に広背筋に負荷を乗せ続けることで強烈な刺激を与えることができます。
イメージがしにくい場合はこちらの動画を参考にしてください。バーベル挙上時に広背筋の収縮と、ネガティブ動作でも負荷が乗っていることがわかると思います。
ただし、トップサイドデッドリフトは初心者の方でも高重量が扱えてしまう種目のため、怪我には十分注意してください。まずは軽い重量から始め、フォームが固まってきたら高重量に挑戦しましょう。
トップサイドデッドリフトの負荷設定と回数の目安
トップサイドデッドリフトを取り入れる理由としては、あくまでも高重量を扱えるという点が大きいため、なるべく重く設定しましょう。個人的には5回~8回前後をギリギリ扱える重量設定で、3セットを目安に行うのがオススメです。
高重量で取り入れるのあれば、一番最初がオススメです。なぜならトレーニングの序盤であればパワーが有り余っているからです。ただし、もし高重量を扱うのが怖いという場合はトレーニングの終盤で、重量を落として回数を多めで追い込むのでも効果的です。
この場合は15~20回×3セットを目安に行い、オールアウトさせましょう。
また、トップサイドデッドリフトを行う際は握力疲労の防止のためにパワーグリップorストラップの使用、そして腹圧を高めるためにトレーニングベルトの使用をおススメします。
ちなみに高重量を扱うのであれば、パワーグリップよりもストラップのほうがオススメです。なぜならストラップのほうがグリップ保持力が強いため、ほとんど握力を使用しないからです。gold gymのストラップでも2,000円前後で売っているため、試してみることをおすすめします。
6-2.シーテッドロウ
シーテッドロウとは、マシンを利用して前から重りを引っ張る種目です。専用のマシンを利用したものとケーブルマシンを利用したものがありますが、ここではケーブルマシンを利用したシーテッドロウを紹介していきます。
シーテッドロウの正しいやり方
まずはシーテッドロウの正しいやり方から見ていきましょう。
②なるべくお尻を後ろにし、骨盤が前傾した状態を維持する
③両足で踏ん張りながらグリップを体に引き寄せていく。
④上体を地面に対して垂直よりも少し後ろに倒し、しっかりと胸を張る。
⑤肘をなるべく後ろに下げるようにしてグリップをおへそめがけて引き寄せ、広背筋を収縮させる。
⑥ゆっくりと戻していき、肘が伸びきる直前で再度切り返す
この動きを繰り返していきます。
シーテッドロウで広背筋に効かせるためには脇を閉じて広背筋にテンションをかけること、ネガティブ動作でも
負荷をかけ続けることを意識しましょう。シーテッドロウでは収縮時に肩甲骨を寄せることが大切だと言われますが、これは僧帽筋にメインに入ります。
もちろん僧帽筋を鍛えてもいいのですが、広背筋を狙いたいのであれば肘をなるべく体の後ろに引いて肩関節の伸展動作を意識しましょう。
シーテッドロウに関してより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
シーテッドロウの負荷設定と回数の目安
シーテッドロウは8~12回できる重量で3セット行います。また、シーテッドロウは上体の角度で扱える重量も異なります。上体が垂直になると扱える重量が下がり、後ろに倒れれば倒れるほど自分の体重を利用して高重量を扱うことができます。
トレーナーの中には垂直にするよう指導する方もいますが、個人的には垂直にすると動作がしづらいため15~20度ほど後ろに倒れることをおススメします。しかし、動作中に上体の位置が前後に動かないように注意してください。
6-3.ベントオーバーロウ
ベントオーバーロウとは、上体を前傾姿勢させた状態でバーベルを前から引く種目です。比較的高重量を扱いやすい種目のため、広背筋を厚くするためには欠かせません。
ベントオーバーロウの正しいやり方
まずはベントオーバーロウの正しいやり方から見ていきましょう。
②バーベルをラックアップして数歩後ろへ下がり、足を肩幅で開く
③上体を45度程度倒し、骨盤を前傾させる。この時かかと側に重心をかけ、ハムストリングにテンションをかけることで上体を支えやすくなる
④上体をキープしたまま、バーベルを股関節めがけて引いていく
⑤出来るだけ肘を後ろに引き広背筋が収縮したら一度止め、ゆっくりと戻していく
⑥肘が伸び切る直前で切り返して、再度引き寄せていく
この動作を繰り返していきます。
ベントオーバーロウで広背筋に効率よく効かせるポイントは、バーベルを股関節めがけて引いていくことです。これがおへそよりになると自然と肩甲骨が寄って僧帽筋に刺激が入るため、なるべく股関節めがけて肩関節の伸展動作をメインで行いまししょう。
ベントオーバーロウに関してより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
【ベントオーバーロウで腰が痛くなる場合の対処法】
ベントオーバーロウで広背筋ではなく腰に効いてしまう方がいますが、その場合はハムストリングスと大臀筋に力が入っていない可能性が高いです。
上体を前傾させた際にカカト側に力を入れてモモ裏とお尻に力を入れることで、腰に負担をかけずに動作を行うことができます。ただ、これはハムストリングスが固いとうまくできないため、日頃から柔軟性を高めておきましょう。
また、それでも腰に違和感や痛みを感じる場合は、ベンチを利用したシールロウをおすすめします。
シールロウとはベンチにうつ伏せになって行うトレーニング種目なのですが、腰への負担を最大限軽減でき、なおかつ背中にピンポイントで効かせることができます。
台などがないとどうしても可動域は狭くなってしまいますが、1つの選択肢として頭の片隅に入れておきましょう。
シールロウに関する正しいやり方やポイントに関して詳しく解説している動画を貼っておきますので、参考にしてみてください。
ベントオーバーロウの負荷設定と回数の目安
ベントオーバーロウは、8~10回扱える重量で3セット行いましょう。また、反動を利用することで扱える重量は上がりますが、まずは丁寧な動作を心がけてください。
ネガティブ動作でも常に負荷をかけ続けられる重量のため、体重にもよりますがトレーニング初心者の方であれば30~40kg前後、中上級者の方であれば60~80kgを目安に設定してみてください。
7.効率よく広背筋を発達させるためにオススメなトレーニングメニューの一例
今まで広背筋を鍛えるのにおすすめな種目を「広さ」と「厚み」の観点から解説してきましたが、最後に実際に私が広背筋を鍛える際に組んでいるメニューの一例を紹介していきます。
ただし文中で何度も触れているように、背中は広背筋以外にも
・僧帽筋
・大円筋
・脊柱起立筋
などたくさんの筋肉によって構成されています。そのため広背筋のみを鍛えるのは難しく、実際に私自身もそこまで細かく分けていません。今回紹介するメニューはもちろん広背筋を効率よく発達させることができますが、他の筋肉も鍛えられるということを把握しておいてください。
それでは見ていきましょう。
②チンニング 10回×3セット(インターバル:90秒)※可動域を最大限使い、広背筋を温めるイメージ
③ラットプルダウン 10回×3セット(インターバル:90秒)※広背筋の広がりをイメージ
④シーテッドロウ 10回×3セット(インターバル:90秒)※ネガティブ時も常に負荷を乗せ続ける
⑤ベントオーバーロウ10回×3セット(インターバル:90秒)※ネガティブ時も常に負荷を乗せ続ける
⑥スタンディングケーブルプルオーバー15~20回×3セット(インターバ60秒※低重量×高レップで広背筋を収縮、ストレッチで追い込む
所要時間:90分前
以上のように、広背筋を鍛える際は広がりと厚みをイメージしてメニューを組んでいます。基本的には今回紹介した感じですが、広がりが欲しい場合はラットプルダウンやチンニングのセット数を増やしたりと、目的に応じてカスタマイズを行なっています。
まとめ
今回は広背筋の基本的な情報から効率よく発達させるために必要な考え方や実際におすすめな種目までを細かく解説してきました。
かっこいい広背筋を手に入れるためには「広さ」と「厚み」が大切であり、自分がどちらを得たいかによってメニューの組み方も変わってきます。
ただし、背中はたくさんの筋肉で構成されているため広背筋だけではなく大円筋や僧帽筋などの発達も不可欠です。そのためさまざまな角度から刺激を与えて、かっこいい背中を手に入れましょう!
コメント