筋トレと有酸素はどっちが先?有酸素を取り入れるメリットを2つ紹介

全身

「筋トレと有酸素運動はどっちを先に行うべき?」「筋トレと有酸素運動の両方を行う場合はいつプロテインを飲めばいいの?」こうした疑問を感じている方は多いのではないでしょうか。

より効率よくボディメイクを進めるために筋トレと有酸素運動の両方を頑張る方は多いですが、細かい点が気になりますよね。

そこで今回は、ボディメイクを成功させるために筋トレと有酸素運動に関する疑問を解決していきます。

本稿を読んで効率よく理想のカラダを手に入れましょう!

1. 筋トレと有酸素運動の順番は目的によって異なる

筋トレと有酸素運動はどっちを先に行えばいいの?という疑問に対する答えは「目的による」です。
そもそも一回のトレーニングで筋トレと有酸素運動の両方を取り入れている方というのは「筋肉をつけながら脂肪を燃焼したい」という目的の方がほとんどだとは思います。

しかし、実は筋肥大と脂肪燃焼は両立しません。なぜなら筋肉を増やすためには適切な負荷をかけた筋トレとオーバーカロリーになるための食事管理が不可欠なため、脂肪も一緒に増える傾向にあるからです。

逆に脂肪を燃やす=減量の場合はアンダーカロリーにする必要があるため、どうしても筋肉量は減少する傾向にあります。

つまり「脂肪燃焼」と「筋肥大」のどちらを最優先にするかによって、運動の順序も変わってくるのです。

1-1. 脂肪燃焼優先の場合は筋トレ→有酸素運動

とにかく脂肪燃焼がしたかったり、とりあえず痩せたかったりする場合は筋トレ→有酸素運動の順番がおすすめです。

これは今までの研究1によって明らかにされています。

後藤ら1)によると実際に筋トレを先に行なってから有酸素運動を取り入れた場合、有酸素運動中の脂質代謝が促進されました。これは筋トレを行うことでアドレナリン、ノルアドレナリン、成長ホルモンといった脂肪分解作用のあるホルモン分泌が増大したからとされています。

つまり、筋トレ→有酸素運動の順で運動を行うとより効果的に体脂肪を燃焼することができるのです。

1-2. 筋肥大目的の場合は有酸素運動をする必要がない

脂肪燃焼をしたい場合は筋トレ→有酸素運動の順で行うべきだと説明しましたが、では筋肥大の場合は有酸素運動→筋トレの順にすればいいかというとそういうわけではありません。

なぜなら先に有酸素運動を行うことで多少なりとも筋疲労をしてしまい後半に行う筋トレ時のトータルボリュームを下げる可能性があるからです。

トータルボリュームとは筋肉に対してどれだけ刺激を与えることができたかを示す指標であり、下記の公式で表すことができます。

【トータルボリューム=挙上重量×レップ数×セット数】

そして最近の研究によると筋肥大にもっとも大切なファクターはトータルボリュームの大きさだとされています。

先に有酸素運動を行なって筋疲労が起こってしまうと、肝心の筋トレで力を発揮できなくなってしまうため先に有酸素運動を行うのはやめましょう。

では筋肥大をしたい場合にはどのような順番で行えばいいかというと、そもそも有酸素運動は必要ありません。

なぜなら有酸素運動自体で筋肉が増えることはないからです。
増えないどころか、むしろ長時間の有酸素運動は筋肉を分解するとも言われています。

筋タンパク質というのは常に合成(同化)と分解(異化)を繰り返しているのですが、合成〉分解になっている状態がいわゆる筋肥大です。

しかし、有酸素運動には異化作用を高める働きがあるため筋肉が減ってしまうのです。
つまり、筋肉を増やしたい場合は有酸素運動を行なってもあまり意味がないといえます。

1-3. 通常のボディメイクであればそもそも有酸素運動は必要ない

本稿の冒頭で筋トレを行なった後に有酸素運動を行うと体脂肪が燃焼されやすいと説明しましたが、そもそも有酸素運動で脂肪を燃焼することはかなり効率が悪いと言わざるをえません。

なぜなら、有酸素運動で消費されるエネルギーはたかがしれているからです。体脂肪を1kg燃焼させるためには7,200kcalが必要といわれていますが、30分走ったところで消費されるのはせいぜい200~30kcalです。

1kgの体脂肪を減らすためにどれだけの時間を有酸素運動に費やさなければならないかを考えたら、やる気も失せてしまいますよね。

効率よく脂肪を燃焼したいという方がすべきことは筋トレと有酸素運動ではなく「適切な負荷をかけた筋トレとマクロ栄養素を意識したアンダーカロリー」ですので、そこを間違えないようにしましょう。

減量に関してより詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。(筋トレ 減量の記事)

実際にボディビルダーやフィジーカーなど本気でボディメイクをしている人たちもほとんど有酸素運動は行なっていません。取り入れるとしても大会直前の最後の一絞りを目的とした場合です。

そして私自身も普段はまったくといっていいほど有酸素運動は行いません。

確かに心肺機能の強化や体脂肪の燃焼といった効果はありますが、筋トレ30分有酸素運動30分の計60分運動を行うくらいなら筋トレを全力で45分行なった方がボディメイク成功へ近づくということを覚えておきましょう。

2. ボディメイクで有酸素を取り入れるメリット

有酸素運動はボディメイクをする上で基本的には意味がないと説明してきましたが、強いていうのであれば2つメリットがあるため一応紹介をしておきます。
ます。

2-1. 交感神経と副交感神経の切り替え

まず1つ目のメリットは、交感神経と副交感神経の切り替えです。交感神経と副交感神経とは自律神経の一種なのですが、筋トレ中は交感神経が優位になります。

交感神経が優位になると精神的に疲労がしやすく、寝つきも悪くなります。そこで副交感神経に切り替えるために、有酸素運動がお勧めです。

副交感神経が優位になるとカラダはリラックスモードになるため、いつも夜遅くに筋トレをして寝つきが悪い場合は有酸素運動を取り入れてみてもいいかもしれません。

ウォーミングアップやクールダウン、動的ストレッチの役割と同じ位置付けで自律神経を整える効果もあることを覚えておきましょう。

2-2. コンテスト前に絞り切る

続いて2つ目のメリットは、コンテスト前に絞り切ることができる点です。先ほどボディビルダーやフィジーカーも基本的に有酸素運動は行わないと紹介しましたが、中にはコンテスト直前にだけ取り入れている方もいます。

これは最後の最後まで絞り切ることを目的としています。

そのため通常のダイエットやボディメイクの方であればあまり参考にはなりませんが、コンテストに出る予定がある方は選択肢の1つとしては知っておくべきです。

3. 筋トレ頻度と目的によって有酸素運動の有無を考える

文中で何度も説明しているように、私個人としてはボディメイク・ダイエットであろうと有酸素運動を取り入れる優先度は低いと考えています。

しかし、筋トレの頻度や目的によっては有酸素運動を取り入れてもいいかも、という方もいます。(推奨している訳ではなく、あくまで取り入れた方が多少は効果がある、というスタンス)

3-1. 週5~6ジムに通える場合はやはり有酸素運動は必要ない

高頻度でジムに通える場合は、やはり有酸素運動は必要ありません。これは増量であろうが減量であろうが目的に関係なくです。

なぜなら、そもそもボディメイクの場合は
①適切な負荷をかけた筋トレ
②栄養バランスの取れた食事

といった2つの要素が最重要事項だからです。

そして増量であれば食事量を増やし、減量であれば食事量を減らすだけで対応できてしまいます。つまり、有酸素運動を取り入れる隙がないのです。

「有酸素運動を取り入れたほうが消費エネルギーが増えてより痩せやすくなるのでは?」といった期待から有酸素運動を取り入れようと考える方もいるかもしれません。

しかし、これはあまりお勧めしません。

確かに短期間で見たらその都度消費カロリーは増えますが、その分疲労が蓄積します。疲労が蓄積すると普段のトレーニングに支障が出て、結果としてボディメイクの効率が落ちてしまうのです。

そのため、高頻度でジムに通える場合は増量であろうが減量であろうが有酸素運動ではなくしっかりと筋トレ効果を最大化することを考えましょう。

3-2. 週2~3しか通えない減量目的の場合は取り入れても可

週2~3、もしくはそれよりもジムに通える頻度が低い・なおかつ減量目的の場合は有酸素運動を取り入れても構いません。
なぜなら、週2~3回程度の筋トレであれば有酸素運動を取り入れても疲労が筋トレに悪影響を及ぼす可能性は低いからです。

もちろん増量の場合は有酸素運動をする必要はありませんが、減量の場合は有酸素運動によってトータルの消費エネルギーが減ることはプラスに働きます。

もちろん有酸素運動を取り入れなくとも週2~3回しっかりした筋トレ+食事を気をつければ減量は成功しますが、+アルファで何か取り入れたいという方は参考にしてください。

4. 筋トレと有酸素運動を両方行う場合のプロテイン摂取タイミング

基本的に筋肥大には有酸素運動は必要ないと紹介してきましたが、中にはダイエット目的や走るのが好きなど有酸素運動も取り入れたい方もいると思います。

その際にプロテインはどのタイミングで飲めばいいの?といったことも気になりますよね。

プロテイン摂取のタイミングも目的によって変わりますので、優先事項に合わせて工夫しましょう。

4-1. 筋肉優先の場合は途中でプロテイン

増力中で筋肥大をしたい、もしくは減量中だけどなるべく筋分解を防ぎたいといったようにとにかく筋肉を優先の場合は筋トレと有酸素運動の途中でプロテインを飲みましょう。

なぜなら筋トレ後にプロテインを摂取することで傷ついた筋損傷をいち早く回復し、血中アミノ酸濃度も高く保つことができるからです。

実際に筋トレによって筋タンパク質合成を促すホルモン分泌が増えるため、筋トレ後すぐにプロテインを飲んだほうがより効率よく吸収されていきます。

もしくは筋トレ前にエネルギーを摂取できなかった場合も、途中でプロテインを飲むべきです。

4-2. 基本的には一番最後で大丈夫

筋分解が怖かったりエネルギー摂取が足りていなかったりする場合は途中でのプロテイン摂取をおすすめしましたが、基本的には筋トレと有酸素運動の両方が終わった一番最後のタイミングで問題ないと考えています。

確かに筋トレ直後は「ゴールデンタイム」とはいわれていますが、実際にプロテインを飲んだ後に有酸素運動は簡単ではありません。

固形物に比べて胃への負担は軽いといっても消化吸収する必要がありますので、その状態での運動はあまりおすすめできません。さらに大体のプロテインは甘いため、気分が悪くなる可能性が高いです。

有酸素運動を2~30分行なったからといって著しくプロテインの吸収率が低くなることはありません。

私自身は滅多に有酸素運動はしませんが、減量末期などで取り入れる場合は筋トレと有酸素運動のすべてが終わったタイミングでプロテインを摂取するようにしています。

プロテイン摂取のタイミングも確かに大事ですが、トータルのタンパク質量や筋トレ前後における固形物でのエネルギー補給のほうがよっぽど大事ですので、プロテイン摂取のタイミングであまり神経質になる必要はありません。
途中でプロテインを飲むくらいならBCAAを飲んだほうがよっぽど効果的ですので、そちらも参考にしてください。

まとめ

今回は筋トレと有酸素運動の順番やプロテインを飲むタイミングに関して解説してきました。
基本的にボディメイクを行う上で有酸素運動は必要ありませんが、有酸素運動を取り入れる場合は
筋トレ→有酸素運動の順番で行なってください。

また、プロテインの摂取タイミングに関してもすべてのトレーニングが終わったタイミングで大丈夫です。

途中で飲みたくなる気持ちもわかりますが、トレーニング前にしっかりとエネルギーを補給することのほうが大切ですので覚えておきましょう。
今回紹介した内容を参考に、効率よくボディメイクを成功させましょう!

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編集長プロフィール

Bulkup theory編集長

Bulkup theory編集長

私は現在、IT企業で働きながら競技者としても活動していますが、本業が忙しい中で競技者として活動するためには「効果的で効率的な筋トレ」が非常に重要になってきます。このメディアでは現役の選手やパーソナルトレーナーと共に「最小限の努力で最大の成果」をモットーに高い成果を実現するための筋トレ情報を可能な限り科学的根拠を持って発信していきます。