最低限知ってておきたいPOF法の基本情報と各部位ごとのPOF法の具体例

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トレーニングの種目を増やしてトレーニングに厚みをつけたいけど何から手をつけていいかがわからない人や新しい刺激を筋肉に与えたいと思ったことはありませんか?

そんな人にはPOF法がおすすめです。

この記事では、POF法の基本情報から部位ごとの具体的なPOF法のやり方を紹介しています。

ぜひ、参考にしてみてください。

1. POF法の基本情報

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最初にPOF法の基本情報を解説します。

1-1. 1つの部位につき3種類の種目で刺激を与える筋肥大向けの方法である

POF法は1つの部位につき3種類の種目で刺激を与える筋肥大を目的としている人向けのトレーニング方法です。1種目めは高重量を扱うことで筋肥大に必要なテストステロンのような物質の分泌を促し、2種目めで筋肉を負荷を与えながらストレッチさせることで筋繊維の損傷を促し、3種目めで筋肉をパンプさせて化学的なストレスを筋肉に与えるという形で3種類のアプローチで筋肥大を促すトレーニング方法です。

POF法はここ最近のもっとも人気のあるトレーニング方法としてトレーニング系の雑誌で紹介されています。

1-2. ミッドレンジ種目、ストレッチ種目、コントラクト種目の3つで構成されている

POF法はミッドレンジ種目、ストレッチ種目、コントラクト種目の3つで構成されています。全てのトレーニング種目はこの3種目に分類することができ、各種目を1種目ずつ当てはめるだけでトレーニングメニューが完成します。

補助種目をどう増やしていいかがわからない人はPOF法を参考にするとトレーニングメニューが組みやすくなるのでおすすめです。

1-3. トレーニング時間の短縮効果がある

POF法を行うことでトレーニング時間の短縮が期待できます。POF法の提唱者であるSteve Holmanは各種目を2セットずつ行うことで効率的に筋肥大を促すことができると主張しています。一つの部位に対して合計6セットで筋肥大を促すことができるのであればトレーニング時間を大幅に短縮することができます。

個人的な意見としてはストレッチ種目やコントラクト種目は2セットでもいいと思いますが、ミッドレンジ種目に関しては正直なところ2セットでは足りないと思います。ミッドレンジ種目に関しては部位によりますが3〜5セットにしたほうがいいと私は思います。

1-4. 設備がある程度充実していないとできない

POF法の唯一のデメリットとして、設備がある程度充実していないとできない点が挙げられます。バーベルやダンベルはもちろんのこと、ケーブルマシンやアジャスタブルベンチが必要な種目も存在し、ホームジムや市営の体育館では実現できないことがあります。

そのような限られた環境でPOF法を行うときは工夫して行う必要があります。インクラインダンベルカールのインクラインベンチの代わりに壁に背をつけてダンベルカールを行うといったようにできる限りの工夫をしてみましょう。

2. POF法を構成する3種目

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POF法は上でも述べたとおり、ミッドレンジ種目とストレッチ種目、コントラクト種目の3種目からなるトレーニング方法です。各種目の特徴を解説します。

2-1. 可動域の真中のところでもっとも強い刺激が入るミッドレンジ種目

POF法で最初に行うミッドレンジ種目は可動域の真中のところでもっとも強い刺激が入る種目で主に高重量を扱う種目です。ミッドレンジ種目で高重量を扱うことで一度に多くの筋繊維に刺激を与えることができます。より多くの筋繊維に刺激を与えたほうが筋肥大には有効です。(1)

また、ミッドレンジ種目を行うことで筋肥大に必要なテストステロンのような物質の分泌が活性化されます。ミッドレンジ種目では2つのアプローチで筋肥大を促すことができます。

ミッドレンジ種目では高重量を扱いたいので疲労がない状態で始めることができる一番最初のタイミングで行うようにしましょう。

2-2. 筋肉が伸びているときに強い刺激が入るストレッチ種目

ストレッチ種目は筋肉が伸びているときに強い刺激が入る種目です。ストレッチ種目を行うことで筋肉の繊維の損傷が促されます。筋肉の繊維が損傷することで筋肥大が促されます。ストレッチ種目での筋繊維の損傷はすぐに起こるので(2)、ストレッチ種目はミッドレンジ種目の次に行うようにしましょう。

ストレッチ種目を行うときのポイントはあまり重くない重量で丁寧に下ろすことを心がけることです。無理な重量でコントロールせずに下ろすなんてことはしないようにしましょう。

2-3. 筋肉が収縮するときに強い刺激が入るコントラクト種目

POF法の最後に行うコントラクト種目は筋肉が収縮するときに強い刺激が入る種目です。コントラクト種目で筋肉を収縮させることで筋肉内の圧力が高まり血流が制限されます。血流が制限されると筋肉内に乳酸のような代謝物が蓄積して、筋肉内が酸性に傾いて筋肉内の環境が悪くなります。筋肉内の環境が悪くなることで筋肥大を促すことができます。

競輪選手の脚が太いのはペダルを持続的に漕ぐことで筋肉内に代謝物が蓄積して筋肉内の環境が悪くなったことによるものです。コントラクト種目は筋肉内の環境が悪くなるまで行うのでトレーニングの最後に行うようにしましょう。

3. 各部位ごとのPOF法の具体例

ここでは、各部位ごとのPOF法の具体例を紹介します。

3-1. 胸

胸

胸狙いのPOF法を構成する主な種目はベンチプレスとダンベルフライ、ケーブルクロスオーバーです。ミッドレンジ種目であるベンチプレスで高重量を扱い、ダンベルフライで胸の筋肉をストレッチさせてからケーブルクロスオーバーで収縮させるという流れで行うと効果的に筋肥大を促すことができます。

ミッドレンジ種目:(ダンベル)ベンチプレス 10回5セット
ストレッチ種目:ダンベルフライ       10回2セット
コントラクト種目:ケーブルクロスオーバー  10回2セット

上記のような組み合わせで行うのが胸でのPOF法の定番ですが、私の場合ストレッチ種目のダンベルフライの代わりにインクラインベンチプレスを行うことがあります。インクラインベンチプレスを下ろす動作を重視して行うことでダンベルフライよりもベンチの傾斜がついているぶん、胸の筋肉をストレッチさせることができると私は思うからです。

ダンベルフライかインクラインダンベルプレスの両方を試してみて、自分に合った方法を見つけてみましょう。

3-2. 背中

背中

背中のPOF法は広背筋狙いか僧帽筋狙いかで分けることができます。

広背筋のPOF法

広背筋狙いだとミッドレンジ種目はラットプルダウンか懸垂で、ストレッチ種目はダンベルプルオーバーです。POF法の提唱者であるSteve Holman氏が提唱しているのはここまでですが、私の場合コントラクト種目にアンダーハンドグリップのラットプルダウンを入れます。よって広背筋のPOF法は以下のようになります。

ミッドレンジ種目:懸垂(順手)、ラットプルダウン(順手、フロント) 10回3セット
ストレッチ種目:ダンベルプルオーバー                10回2セット
コントラクト種目:ラットプルダウン(逆手)、ワンハンドローイング  10回2セット

僧帽筋(中部・下部)のPOF法

僧帽筋の中部・下部の場合はビハインドのラットプルダウンとシーテッドロウ、Tバーロウの組み合わせがおすすめです。私が僧帽筋の中部・下部をもっともストレッチさせることができる種目がシーテッドロウで、僧帽筋の中部・下部をもっとも収縮させることができる種目がTバーロウだからです。よって僧帽筋中部・下部のPOF法は以下のようになります。

ミッドレンジ種目:ラットプルダウン(ビハインド) 10回3セット
ストレッチ種目:シーテッドロウ          10回2セット
コントラクト種目:Tバーロウ、DYロウ       10回2セット

3-3. 脚

脚

脚のPOF法は大腿四頭筋とハムストリングスに分けることができます。

大腿四頭筋のPOF法

大腿四頭筋のPOF法はスクワットとシシースクワット、レッグエクステンションの3つで構成するのが一般的です。

ただ、私はシシースクワットの代わりにハックスクワットを入れています。ハックスクワットでしゃがむときに大腿四頭筋にテンションをかけてしゃがむことでシシースクワットのような刺激が入るからです。この方法はあのTom Platz氏も行った方法なので私はこのやり方をするようにしています。

ミッドレンジ種目:スクワット、フロントスクワット  5回5セット
ストレッチ種目:シシースクワット、ハックスクワット 10回2セット
コントラクト種目:レッグエクステンション      10回2セット

ハムストリングスのPOF法

ハムストリングスのPOF法はデッドリフトとスティッフレッグドデッドリフト、シーテッドレッグカールで構成するのが一般的です。腰に疲労が溜まっているときはスティッフレッグとデッドリフトの代わりにライイングレッグカールをストレッチ種目として行うときもあります。POF法は以下のようになります。

ミッドレンジ種目:デッドリフト                     5回5セット
ストレッチ種目:スティッフレッグドデッドリフト、ライイングレッグカール 10回2セット
コントラクト種目:シーテッドレッグカール                10回2セット

3-4. 肩

肩

肩のPOF法はショルダープレスとインクラインラテラルレイズ、ケーブルラテラルレイズで構成されます。肩のPOF法は以下のようになります。

ミッドレンジ種目:ショルダープレス、バックプレス、ミリタリープレス 10回3セット
ストレッチ種目:インクラインラテラルレイズ            10回2セット
コントラクト種目:ケーブルラテラルレイズ             10回2セット

個人的には肩に関してはPOF法で行うよりもレイズ種目でトライセットで追い込むほうがいいと思います。

3-5. 腕

腕

腕のPOF法は上腕二頭筋と上腕三頭筋で分けることができます。

上腕二頭筋のPOF法

上腕二頭筋のPOF法はバーベルカール、インクラインダンベルカール、ケーブルアームカールの3種目で主に構成されています。ダンベルしかない環境であればバーベルカールの代わりにダンベルカール、ケーブルアームカールの代わりにコンセントレーションカールに変えることができます。

ミッドレンジ種目:バーベルカール、ダンベルカール 10回3セット
ストレッチ種目:インクラインダンベルカール    10回2セット
コントラクト種目:ケーブルアームカール、コンセントレーションカール 10回2セット

上腕三頭筋のPOF法

上腕三頭筋のPOF法はクロースドグリップのベンチプレスとトライセプスエクステンション、プレスダウンの3種目で主に構成されています。肩の柔軟性によってはミッドレンジ種目をディップスに、ストレッチ種目をフレンチプレスにすることができます。

ミッドレンジ種目:クロースドグリップベンチプレス、ディップス 5回5セット
ストレッチ種目:トライセプスエクステンション、フレンチプレス 10回2セット
コントラクト種目:プレスダウン、ダンベルキックバック     10回2セット

私の場合、上腕三頭筋のミッドレンジ種目は1セットの回数が少なくても刺激を与えることができるので5回に設定してそのぶん負荷を大きくしています。

4. POF法をより効果的に行うための2つのポイント

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最後にPOF法をより効果的に行うための2つのポイントを紹介します。

4-1. ミッドレンジ種目のセット間のインターバルは3〜5分取る

POF法のミッドレンジ種目に関してはセット間のインターバルは3〜5分取るようにしましょう。最近の研究ではスクワットやベンチプレスのような大筋群の種目はセット間のインターバルの時間を3〜5分取ったほうが筋肥大・筋力向上の両方の面で効果が高いことがわかっています。

ストレッチ種目やコントラクト種目に関してはセット間のインターバルを1分程度に抑えて短時間で鍛えるようにしましょう。

4-2. ストレッチ種目とコントラクト種目は動作をゆっくりにして行う

ストレッチ種目とコントラクト種目に関しては動作をゆっくりにして行うことで刺激を強くすることができます。ストレッチ種目のときは重りを下ろすときに3秒かけて下ろすようにして、コントラクト種目のときは重り持ち上げるときに3秒かけて行うようにすると筋肉への刺激が強くなるのでおすすめです。

まとめ

POF法はミッドレンジ種目、ストレッチ種目、コントラクト種目からなる筋肥大を目的としている人向けのトレーニング方法です。闇雲にトレーニングをしている人の多くがストレッチ種目を取り入れていないかうまく行えていないことによる停滞を起こしてしまっています。

ストレッチ種目でいかに筋肉に負荷を与えながら筋肉を伸ばすことができるかがPOF法が成功するかしないかの分かれ目だと私は思います。ストレッチ種目で重量の誘惑に負けないようにしていきましょう。

POF法を導入してさらに筋肉を大きくしてみてください。応援しています。

参考資料1)American College of Sports Medicine. American College of Sports Medicine position stand. Progression models in resistance training for healthy adults. Med Sci Sports Exerc. 2009 Mar;41(3):687-708.

2)Neme Ide B1, Alessandro Soares Nunes L, Brenzikofer R, Macedo DV.Time course of muscle damage and inflammatory responses to resistance training with eccentric overload in trained individuals.Mediators Inflamm. 2013;2013:204942. doi: 10.1155/2013/204942. Epub 2013 Jan 22.

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編集長プロフィール

Bulkup theory編集長

Bulkup theory編集長

私は現在、IT企業で働きながら競技者としても活動していますが、本業が忙しい中で競技者として活動するためには「効果的で効率的な筋トレ」が非常に重要になってきます。このメディアでは現役の選手やパーソナルトレーナーと共に「最小限の努力で最大の成果」をモットーに高い成果を実現するための筋トレ情報を可能な限り科学的根拠を持って発信していきます。