筋トレ効果を最大化する時間と時間帯を徹底解説

筋トレ 時間 全身

『1回の筋トレってどれくらいの時間行うべき?』『筋トレは朝より夕方にしたほうが効果的って聞いたけど本当?』など、筋トレの〝時間〟に関する疑問は様々。

そこで今回は、

  • 1回あたりの最適な筋トレ時間
  • 筋トレを行うべき時間帯

の2つに絞って徹底的に解説していきます。

科学的な観点と私自身の経験則からお伝えするので、今まで感じていた疑問を解消できるはずです。

本稿を読んでより効率よくボディメイクを成功させましょう!

1. 効果を最大化するために必要な筋トレ時間は60~90分

筋トレ 効果

まずは『1回の筋トレでどれくらいの時間かけるべき?』といった疑問からお答えしていきます。結論からいってしまうと、筋トレ効果を高めるために最適な時間は60~90分の間です。

なぜ60~90分が最適なのか、

  • 極端に長い場合(120分)
  • 極端に短い場合(~30分)

の2パターンと比べながら見ていきましょう。

2. 長時間の筋トレが効果を下げる3つの理由

筋トレ 効果 下がる

まずは筋トレ時間が2時間など極端に長い例から見ていきます。たまにジムで2時間以上の長時間トレーニングをしている方を見かけますが、基本的にはおすすめしません。

長時間の筋トレが効果を下げる理由を3つ紹介していきます。

2-1. 人間の集中力が持続する限界は90分

まず1つ目の理由としては、長時間の筋トレは集中力が持続しないからです。人間の集中力は最大で90分までしか続かないと言われています。

つまり90分以上の筋トレは集中力が散漫になり、効果も下がってしまうわけです。

長時間ダラダラと筋トレをするよりも短時間で集中してパッとトレーニングに取り組んだほうが結果として質の高いトレーニングをこなすことができます。

2-2. コルチゾール分泌量が高まりカタボリック傾向になる

続いて2つ目の理由として長時間の筋トレがコルチゾールの分泌を高めることが挙げられます。コルチゾールとはストレスホルモンの一種であり、分泌量が高まることで筋肉の分解が促進されると言われています。

つまり筋肉をつけるために長時間筋トレを頑張っているにも関わらず、結果として筋肉が減っていくという本末転倒な事が起こってしまう可能性があるのです。

トレーニング中に糖質を補給するとコルチゾールレベルを下げることもできますが、週に1日しかジムに通えないなどよっぽどのことがない限りは長すぎる筋トレにメリットはありません。

2-3. オーバーワークの可能性も

最後3つ目の理由は長時間の筋トレはオーバーワークを起こす可能性がある点です。筋肥大は筋肉にストレスを与えることで体が対応していくストレス応対によって起こります。

しかし筋肉に与えるストレスが大きすぎると、却って逆効果 になる可能性も。

ボディビルダーの山本義徳氏は著書『山本義徳 業績集8 筋肥大・筋力向上のプログラミング』の中で筋発達に必要な刺激として“現在の筋肉の能力が100だとしたら、101の刺激だけを与える。それで十分なのです。むしろ、余計な刺激を与えることは回復を遅らせ、オーバーワークに繋がりません”と述べています。

つまり長時間の筋トレは必要以上に筋肉へ刺激を与えてしまって筋肥大の効率が悪くなる可能性があるというわけです。

以上のような理由から、長時間の筋トレは却ってトレーニングの質を低下させると考えているためおすすめしていません。

3. 短すぎる筋トレでは単純に追い込みきれない

筋トレ 時間

続いて、逆に短すぎる筋トレ時間(30分以下)がおすすめできない理由を解説していきます。短時間の筋トレをすべきでない理由は、単純に 対象の筋肉を追い込みきれないからです。

基本的に筋肥大を効率化させるための筋トレ方法としてPOF法が採用されています。

POF法とはPosition Of Flexion の略で、

  • 動作の途中でもっとも負荷がかかるミッドレンジ種目
  • 対象筋肉が収縮した状態でもっとも負荷がかかる収縮種目
  • 対象筋肉がストレッチされた状態でもっとも負荷がかかるストレッチ種目

のように筋肉に対して様々な角度で刺激を与えていくことを目的としたトレーニング方法です。

POFに関してより詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください(POF法のリンク)

POF法に則ってメニューを組む場合は最低でも3種目は行う必要がありますが、30分では確実に時間が足りません。収縮種目やストレッチ種目はインターバルを短くすることで時間短縮できますが、スクワットやベンチプレスなどのミッドレンジ種目は最低でも3分ほどのインターバルを取る必要があるため30分ではトレーニングメニューを満足にこなすことができないでしょう。

筋トレの効果を最大化させるためのインターバル時間を教えます。
筋トレの効果を高めるためにはセット間のインターバルも大事です。ただ、インターバルに関してはどの程度の時間を取れば良いのかは意見が別れます。この記事では、効率よくボディメイクを成功させるためのもっとも最適なインターバルなどを紹介しています。

しっかりと筋肉を成長させるためにも、60分以上などまとまった時間を取るべきです。

4. 45分あればある程度は追い込める

筋トレ 時間

筋トレの最適な時間として60~90分と挙げましたが、中には仕事が終わるのが遅かったりで60分も時間を取れないという方もいるかと思います。

そういった方に対して私が許容できる最短のトレーニング時間としては45分です。

ただし闇雲に45分間トレーニングするだけではやはり効果が低くなってしまいます。45分といった短時間でも対象部位をしっかりと追い込むためには3つの条件があるため紹介しておきます。

4-1. 鍛える部位を細かく分割する

まず1つ目の条件は、鍛える部位を細かく分割することです。45分という限られた時間の中でたくさんの部位を鍛えようとしても無理があります。

そこで、鍛える部位は必ず1つに絞ってください。
1つの部位であれば45分という短時間でも追い込むことが可能だからです。

また、1つの部位しか鍛えられないということは必然的にトレーニング頻度は多くなるので最低でも週3は通うようにしましょう。

月 胸の日(45分)
水 脚の日(45分)
金 背中の日(45分)

4-2. POF法でメニューを組む

続いて2つ目の条件がPOF法を利用してトレーニングメニューを組むということです。POF法とは先ほど説明したように、同一部位に対して様々な角度から刺激を与えるトレーニング方法です。

基本的にPOF法はミッドレンジ・収縮・ストレッチの3種目を行えば完結するため、45分という短時間の中でもしっかりと対象部位に対して負荷をかけることが可能です。

時間配分としては、もっとも扱う重量が重く強度も高いコントラクト種目に50~60%の時間(20分)を使い、残りの時間でストレッチ・収縮種目をこなしましょう。

4-3. ドロップセット法やコンパウンドセット法を利用する

最後3つ目の条件はドロップセット法やコンパウンドセット法を利用するということです。

ドロップセット法とは限界までレップを重ねた後に重量を下げて継続するトレーニング方法(ディセンディング法)で、コンパウンドセット法とは同一部位を違う種目にて連続して鍛える方法です。

それぞれインターバルの時間が短くなるため、短時間でも追い込み切ることができるというメリットがあります。

以上3つの条件を考慮して脚のトレーニングを行うと仮定します。

①スクワット10回×3セット インターバル3分(所用時間15分)
②レッグエクステンションドロップセット法( 限界レップ)×3セットインターバル1分 (所用時間15分)
③シシースクワット 15回×3セット インターバル1分 (所用時間15分)

計45分

たった3種目しかしていませんが、階段を降りるのが辛くなるほど大腿四頭筋を追い込めるはずです。

ジムに通いたいが短い時間しか取れないという方は参考にしてください。

5. 個人的におすすめな筋トレ時間は90分

筋トレ 時間

今までおすすめな筋トレ時間として60~90分と説明してきましたが、私の現在の筋トレ時間は90分に設定しています。

なぜなら1回の筋トレで2部位を鍛えることを目標としているからです。

分割の方法としては

  • 大胸筋+上腕三頭筋
  • 広背筋+上腕二頭筋
  • 三角筋前中部+後部

など大きな筋肉+小さな筋肉(上腕三頭筋は例外)を1度に鍛えます。
そしてそのうち大筋群に60分、小筋群に30分の目安で時間を割いています。

例えば大胸筋+上腕三頭筋の日のトレーニングメニューとしては

☆大胸筋

  • ベンチプレス 10回×3セット インターバル2~3分(所要時間:15分)
  • インクラインダンベルプレス 10回×3セット インターバル2~3分(所要時間:15分)
  • ダンベルフライ 15回×3セットインターバル1分(所要時間:15分)
  • ケーブルクロスオーバー 15回×5セットインターバル1分(所要時間:15分)

計60分

☆上腕三頭筋

  • ディップス 5回×2セット+10回×3セット インターバル2~3分(所要時間:15分)
  • トライセプスエクステンション10回×3セット インターバル1分(所要時間8分)
  • プレスダウン 15回×3セット インターバル45秒 (所要時間7分)

計30分

といったイメージです。

カラダのパーツ1つ1つをしっかりと大きくするためには小筋群に対してもしっかり種目数・セット数を追う必要があるため、少し長いですが90分に設定することをおすすめします。

また、個人的な体感としては集中力がギリギリ持続するのも90分までです。ボディメイクを効率よく行うためにはいかに集中してトレーニングを行えるかも大事ですので、参考にしてください。

ただ、集中力に関しては人によって異なりますので、色々試して自分に最適な時間帯を探して見ましょう。60分しか集中力が続かないのであれば、その分週の頻度を高めれば大丈夫です。(筋肥大は週単位のトータルボリュームで決まる)

6. 筋トレ効果が最大化する時間帯は夕方

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1度のトレーニングでどれくらいの時間筋トレをすべきか理解できたところで、続いて筋トレにおすすめな時間帯を紹介して行きます。

結論からいってしまうと、筋トレをするのにもっとも適している時間帯は夕方です。
その理由を説明していきます。

6-1. 夕方は最も筋力が高い

夕方に筋トレをすべき最大の理由としては、人間がもっとも筋力を発揮できる時間帯だからです。普段生活をしている中で我々のカラダは交感神経と副交感神経が切り替わっています。

交感神経・副交感神経は自律神経であり、体内の環境を整える働きがあります。

そしてどちらが優位かでカラダの状態も下記のように変わってきます。

  • 交感神経優位→緊張状態(血圧・血糖上昇、カラダにストレスがかかっている)
  • 副交感神経→リラックス状態(血圧・血糖低下、カラダが穏やか)

筋トレなどの運動は、交感神経が優位な状態でパフォーマンスがアップします。

そしてその交感神経が優位な状態というのが、夕方というわけです。

6-2. 朝の筋トレは怪我のリスクが高まる

交感神経が優位な際に筋トレを行うべきということは、逆に副交感神経優位な際は避ければいいわけなのですが、朝は副交感神経優位なためおすすめできません。

朝一から運動を行うことで1日の代謝をアップさせることもできますが、最大筋力を発揮できずトータルボリュームが下がりますし、怪我のリスクも高まります。

実際に朝6~7時台の運動がもっとも怪我をしやすいといった報告もあります。

私自身も一時期仕事前の朝6時台にジムに通っていた時期がありましたが、やはり夕方に比べると挙上重量が下がり集中できなかったため結果としてパフォーマンスも下がりました。

ただ、仕事前しかジムに通えない方、もしくは朝の方がカラダの調子がいい方もいるかと思います。朝方か夜型かは遺伝子によっても異なるため、中には午前中のほうが筋トレのパフォーマンスがアップするといった場合もあります。

何れにせよ午前中はまだカラダが固いため、入念なウォーミングアップを心がけてください。

6-3. 夜遅い筋トレは睡眠の質を低下させる

仕事終わりにジムに通っている方は気をつけて頂きたいのですが、就寝直前の筋トレは睡眠の質を下げます。筋トレ中は交感神経優位になってカラダが覚醒しているので、寝つきが悪くなります。

睡眠とボディメイクは密接な関係にありますし、睡眠不足になると翌日の筋トレパフォーマンスの低下にも繋がります。

理想は最低でも就寝2時間前には筋トレを終えていることですが、どうしても夜遅くなってしまう場合はストレッチや軽い有酸素運動などでカラダをクールダウンさせることを心がけましょう。

6-4. 時間帯に関してはあまり神経質になる必要はない

筋トレ効果を最大化するためには夕方に筋トレをすべきだと説明してきましたが、会社員の方が平日の夕方にジムに行くのは難しいですよね。

その場合は、仕事終わり(20時頃)や仕事前(7時頃)でも構いません。

体内の細かい働きを考慮すると確かに夕方に筋トレできるのがベストですが、筋肥大において時間帯は神経質になるほど重要なファクターではないからです。

時間に神経質になって筋トレができないというのが一番NGですので、自分のライフスタイルに合った時間帯で筋トレを行いましょう。

個人的な見解としては

①起床すぐ
②空腹時
③食後すぐ
④就寝直前

この4つのタイミングを避けさえすれば基本的にはどの時間帯でもあまり関係ないと考えています。

午前中でもお昼でも夕方でも夜でも、食後2~3時間経過後で体内にエネルギーが満ちていればそこまで神経質になる必要はないので参考にしてください。

とはいえこの4つの時間帯しかできない、という方もいますよね。

その場合に優先順をつけるとしたら

起床すぐ〉食後すぐ〉就寝前〉空腹時

となります。

起床すぐは怪我に気をつけ、食後すぐは鍛える部位を胸や肩などにすれば十分トレーニングを行うことが可能です。

就寝前もできますが、交感神経が優位になり睡眠の質が下がることが懸念されます。最後にストレッチや軽い有酸素運動などを取り入れてクールダウンをしましょう。

空腹時に関しては、NGです。なぜなら体内にエネルギーがない状態で筋トレをすると筋肉を分解してエネルギーを作り出してしまうからです。筋肉を増やすためにトレーニングをしているのに筋肉がどんどん減っていくという本末転倒な状況になりかねませんので空腹時は必ず避けてください。

どうしても食事を摂る時間が取れない場合は、バナナやワークアウトドリンクでもいいので何かしらのエネルギー源を摂取してから筋トレをしましょう。

まとめ

今回は筋トレに最適な時間と時間帯に関して紹介してきました。

一回の筋トレは60~90分を目安に行いましょう。あまりに長い筋トレはトレーニングの質を低下させ、結果としてボディメイクにも悪影響を与える可能性があります。

逆に短すぎる筋トレ時間では充分に追い込むことができません。

そのため集中力も持続でき、なおかつカラダの各部位に対してしっかりと負荷を与えることができる60~90分を目処にメニューを組みましょう。

また、筋トレに最適な時間帯は夕方です。これは体内のエネルギーや自律神経との関係で、もっとも筋力を発揮しやすい時間帯だからです。とはいいつつも人それぞれライフスタイルが異なるため、一番ジムに通いやすい時間に筋トレをすれば問題ありません。

その際は交感神経が優位かつ体内にエネルギーが充足していることだけを意識してみてください。

今回紹介した筋トレの時間・時間帯を参考に、効率よくボディメイクを成功させましょう!

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編集長プロフィール

Bulkup theory編集長

Bulkup theory編集長

私は現在、IT企業で働きながら競技者としても活動していますが、本業が忙しい中で競技者として活動するためには「効果的で効率的な筋トレ」が非常に重要になってきます。このメディアでは現役の選手やパーソナルトレーナーと共に「最小限の努力で最大の成果」をモットーに高い成果を実現するための筋トレ情報を可能な限り科学的根拠を持って発信していきます。