大胸筋上部を効率よく鍛えたい!しかし、どうやって鍛えたらよいかお悩みの方は多いのではないでしょうか?実は、ダンベルを使ったインクラインベンチプレスが非常に効果的なのです。
この”インクラインダンベルベンチプレス”を行うことで胸の上部に厚みが出て、シルエットの美しい大胸筋が育っていきます。
そこで、今回はインクラインダンベルベンチプレスのトレーニングの仕方を詳しく取り上げました。ぜひ正しいやり方を知って、日々のトレーニングに取り入れてみてくださいね。
1 大胸筋上部にはインクラインダンベルベンチプレスが効果的!
インクラインダンベルベンチプレスは通常のダンベルベンチプレスを角度をつけた斜めのベンチで行う種目です。正しいフォームで行えば通常のフラットベンチプレスと比べて大胸筋上部を効率的に刺激できます。
皆さんは大胸筋の『上部』意識的に鍛えていますか?トレーニングを初めてベンチプレスの重量は伸びてきたけど、胸の上部がなんだか寂しい。大胸筋は発達してきたけど、胸が垂れ下がった様にみえる。
多くの場合は大胸筋上部と中部・下部の発達がアンバランスであることが原因です。ベンチプレスの重量だけを追求するなら、直接的な関係は少ないですが、見た目にこだわるならば大胸筋上部の発達を無視してはいけません。
今回の記事では大胸筋上部に対する『インクライン ダンベル ベンチプレス』の効果とその効果的な方法についてお伝えしていきます。
1-1 インクラインダンベルベンチプレスは大胸筋上部にピンポイントで効かせられる
インクラインダンベルベンチプレスは大胸筋上部をピンポイントで刺激するのに最適な種目です。
バーベルでのインクラインベンチプレスに比べて軌道の自由度が大きい(手幅や手の向きが変えられる)為、自由度が高く、マスターすれば最適な軌道と力のかけかたによって、大胸筋上部を効率的に発達させることができます。
また自由度・また難易度が高く、テクニックによる効果の差が出やすい種目といえます。
バーベル種目をある程度マスターしたら、ダンベル種目を試して効果的なフォームを探すことをおすすめします。
1-2 バーベルよりも効果が高い
インクラインダンベルプレスは、効かせ方をマスターしてしまえば、バーベルで行うインクラインプレスに比べてより高い効果を出すことができます。
手首・ダンベルの軌道など自由度が高いぶん、常に最大の負荷を大胸筋に与えることができ、パワー系のバーベルプレスに比べて『上手に効かせる』ことで高い効果を出すことができます。
かっこいい身体を作りたいのであれば、インクラインダンベルベンチプレス にトライしてみましょう!
1-3 大胸筋上部が見た目には大切
記事の冒頭でもお話ししましたが、大胸筋のボリュームを見せるのは上部の筋量が欠かせない為、中部・下部が発達しただけでは大胸筋を大きくかっこよく見せるには不十分です。
フラットベンチプレスでブリッジを効かせて動作を行なったり、上腕三頭筋の為に行うディップスで大胸筋下部や中部が十分発達していても、大胸筋上部が置き去りになってしまって入る方は案外多いもの。
刺激が入る機会が少ない部位だからこそ、意識的に大胸筋上部の種目を胸のルーティン(種目の組み合わせ)に組み込むことが重要なのです!
2 大胸筋上部に効かせる為の正しいフォーム
この章では効率的に大胸筋上部を刺激する為のフォームをお伝えしていきます。
ダンベル種目を行う際のの共通のポイントから、インクラインダンベルベンチプレス為のワンポイントアドバイスまで、お伝えする内容をまずは実践してみてください。
大きな気づきと効果が実感できるはずです。
2-1 ベンチの角度は30°以上!
インクラインダンベルベンチプレスを30°以下の勾配で行うと、ブリッジの関係でフラットベンチで行う通常のダンベルベンチプレスに近い角度になってしまうため、うまく大胸筋上部に聞かせることができません。
ジムでインクラインダンベルベンチプレスを行なっている方の中には、極端に急勾配のベンチで行なっている方、逆にほとんどフラットベンチに近いような角度で種目をおこなっている方、様々な方がいますが、
30°『以上』に設定しブリッジの強さによってベンチの角度をリセットした方が良いです。
足を踏ん張りブリッジを効かせると胸部の角度が変わる為、ブリッジを強く効かせるフォームの方ほどベンチの角度を急勾配にするべきあり、ベンチプレスの基本と同じく、適度にブリッジを効かせた方が大胸筋を効率的に刺激することができるのです。
2-2 脇は身体をかすめるくらい閉める!
特に初心者の方は脇を締めてプレス動作を行う方が大胸筋上部に効く感覚を掴みやすいことが多いです。
脇の角度というのは、具体的にいうと、ベンチに横になって身体を上からみた時に、体幹と肩、肘の3点を結んだ時の角度です。
初心者の方は特にダンベルを下ろし切った局面でこの角度が必要以上に大きくなる傾向があり、脇が開きすぎるとインクラインダンベルプレスを行なった際に三角筋に負荷がかかりやすくなります。
ベンチの角度が適切なのにも関わらず、肩に刺激が入って大胸筋上部がうまく刺激できないという方は脇の角度が広すぎる可能性を疑ってみると良いでしょう。
ダンベルを下ろし切った(ボトム)局面では、思っている以上に脇は閉める方が大胸筋にうまく負荷をかけられます。
初めは感覚的には肘が体側を通る際に脇腹に触れる程度閉めると良いでしょう。
そこから骨格やフォームに合わせて脇の角度を調整していくようにしてみてください。
2-3 ダンベルは常に肘の真上に
前腕が重力の方向と常に一致していることがダンベル種目全般の基本です。
ショルダープレスを行うにしろ、インクラインダンベルプレスを行うにしても、フリーウエイトのダンベルプレス系種目を行う際は基本のテクニックです。
ジムでプレスの種目を行なっている方をみると、ダンベルを持つ手が傾いている方がかなり多いものです。
理想を言えばダンベルを握り込まなくとも手の平に乗っている状態にまずは構え、徐々に位置を調整していくべきです。
長年トレーニングをしていても、鏡で研究をしながら少し前腕の角度を変えると余計な力が必要なくなり、高重量が扱えるようになる方は多いです。是非今一度、トライしてみてください。
2-3-1 前腕が常に床と垂直になっていることを意識する
わかりやすい例をあげると、ダンベルフライを行うときにダンベルを持つ手の肘の角度が開きすぎると、上腕二頭筋へ負担がかかり、狭過ぎて体幹側へ倒れすぎると上腕三頭筋に余計な負荷がかかることになります。
ダンベルフライ等の、胸をストレッチする種目を行う際はこれでも良いのですが、ダンベルベンチプレス等のプレス系種目を行う際は、大きな負荷をかけつつ、胸を効率的に刺激することが重要なので前腕は常に真上を向いていることを意識して行いましょう。
刺激したいのは大胸筋であるにも関わらず関係のない部分に負荷が移行してしまうのは非常に勿体無いですよね。
個人的には大胸筋にしっかり効かせる(垂直方向の肘の角度)フォームで限界がきた後にあえてフォームを崩して上腕三頭筋を動員させるフォームで行うのは良い選択だとは思います。
ただし、まずは正しいフォームで大胸筋を追い込み切ることが大切。
基本のフォームをしっかりマスターしましょう!
2-4 インクラインもブリッジを効かせよう
ベンチプレスの基本がわかっている方は既にご存知かもしれませんが、効率的に安全にベンチプレスを行うには肩甲骨の位置が重要です。
背中を反り、ベンチとの設置面をアーチ状にすることをブリッジを組むと言います。
ブリッジを全く組まないままに高重量を扱うと、ダンベルをおろし切った局面(ボトムポジション)で三角筋周辺の筋肉が過剰にストレッチされ、
・怪我のリスクが高くなる
・大胸筋の動員率が下がり、重量や筋肉の成長が滞る
の原因となります。
・肩甲骨を寄せたまま動作を行うことがポイントの横のブリッジ
・肩がすくまないように肩甲骨の位置を下げ、背骨の上部を意識的に反る縦のブリッジ
の両方を意識することが大胸筋を稼働させ、効率的な筋発達と重量の更新にとっては重要です。
3. より効果的に効かせる為のポイント
ここまではインクラインダンベルプレスを行う為の基本的なフォームについてお話ししてきましたが、ここからはさらに効率的に結果を出したい方の為の引き出しをお伝えしていきます。
筋発達が停滞した際は試してみると良いですよ!
3-1 ダンベルを乗せる位置は前腕の延長線上に
手のひらにダンベルを乗せる際はなるべく手首に近い位置に乗せる方が手首への負担が少なく、力がダンベルに余分なく伝わる為、高重量を安全に扱えます。
これは前腕の角度と少し似た内容になりますが、手首にも余計な負担がかからないようにする方が大胸筋上部に、よりピンポイントで刺激を与えられるのです。
手首が反ってもダンベルが手首の付け根の真上に乗っていれば怪我のリスクにはなりにくいです。
むしろ、手首を全くそらずにダンベルを扱おうとすると、不自然な力が必要になり、高重量を扱うことが難しくなってしまいます。
手首を反りダンベルを手首側に乗せると、深く握り込めません。
親指以外の4本の指で『押さえ込む』グリップの意識が必要です。
3-2 ダンベル種目から先にやってみよう!
上でも触れたように、ダンベル種目は軌道が自由なぶん、うまく行えば上腕三頭筋や三角筋などの補助筋の関与を最小に抑えて、狙いの部位を刺激することが可能です。
多くの筋群を動員し、高重量を扱えることができるバーベルベンチプレスやインクラインバーベルベンチプレス(コンパウンド種目といいます)を1種目目に行うことが基本ですが、どうしても上腕三頭筋や三角筋などの補助筋が先に疲れてしまうという方は、
ダンベルなどで先に狙いの筋肉を刺激しておく『予備疲労法』を試してみても良いかもしれません。
先に補助筋が疲労して動作(レップ)が反復できないのでは補助筋の為の種目になりかねませんし、補助筋を鍛えることが目的ならより良い種目の選択ができるでしょう。
4.最後に
いかがでしたか?
胸の上部を鍛えることの意味、その中でもインクラインダンベルベンチプレスをチョイスすることのメリットがわかっていただけたかと思います。
ダンベルとバーベルで行うインクラインベンチプレス。こんなにも大きく効果が違うのです。
胸の上部はTシャツを着たときのボリューム感にもとても影響する部位。
気温も暖かくなってきて、半袖になる時期はもうすぐです。
かっこいい身体で夏を迎える為の筋肉進化のきっかけに、インクラインダンベルベンチプレスにトライしてみてはいかがでしょう。
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