「厚い胸板が欲しくて筋トレを頑張っているけど全然変化が出ない・・・」
こんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。確かに、一生懸命頑張っているのに結果がでないのは辛いですし、モチベーションが持続しませんよね。
そこで今回は、効率よく大胸筋を鍛えていくための具合的な方法とオススメなトレーニング種目を徹底的に解説していきます。この記事を読んで実践し、男らしい胸板を手に入れましょう!
1.厚い胸板を手にいれるためには大胸筋の構造を理解しよう
厚い胸板を手に入れるために、まずは胸の筋肉の構造を理解しましょう。
なぜなら、何もわからずがむしゃらにプッシュアップをするよりも大胸筋の付着部位や特徴を理解した上でトレーニングを行ったほうが確実に効率がいいからです。
そこで、まずは胸の筋肉の付着部位や役割を解説していきます。
1-1.大胸筋の起始と停止
大胸筋は人体の中でも大きな筋肉のため、上部・中部・下部の3つに分類されます。
それぞれ停止部(どこまで付着しているか)は同じ上腕骨なのですが、起始部(どこから付着しているか)が異なります。それぞれの起始部を見ていきましょう。
大胸筋上部の起始は鎖骨の内側1/2、中部は胸骨(胸骨全面、第2~6面肋軟骨)、下部は腹直筋(腹直筋鞘の前葉)から付着しています。つまり、この両端を近づけると大胸筋が収縮され、遠ざけるとストレッチの刺激を与えることができます。
1-2.大胸筋の役割
続いて、大胸筋の役割を紹介していきます。大胸筋の役割としては肩関節の水平内転、屈曲(初期動作)、内転、内旋動作が挙げられますが、この中でも特に使われているのが、肩関節の水平内転です。
肩関節の水平内転とは、上腕を水平に挙げた状態で内側に絞るような動作です。イメージとしてはケーブルクロスオーバーと同じ動きで、手に何も持っていない状態でこの動作を行ってみると大胸筋に力が入っている感覚をつかめるはずです。
ちなみに大胸筋を鍛える際の人気種目であるベンチプレスも、この肩関節の水平内転が行われています。そのため動作中に肩関節の動きを意識することで、より大胸筋へと効かせやすくなります。
2.効率よく胸筋を鍛えるためにはジムに通おう!
大胸筋はプッシュアップなど自宅でもできるトレーニング種目が多いため、自宅で筋トレを頑張っている方も多いのではないでしょうか。しかし、効率よく大胸筋を発達させるためにはジムへ通いましょう。
なぜジムに通うべきなのか、以下の2点の理由が挙げられます。
1.自宅トレーニングに比べてレパートリーが多い
2.かけられる負荷が大きい
確かに自宅でも胸筋を鍛えることはできますが、ジムに比べたらレパートリーは少なくなってしまいます。ジムにはダンベルやバーベルはもちろんのこと、大胸筋を鍛えるのに特化したマシンも多く設置されています。
また、自宅ではなかなか適切な負荷をかけることもできません。筋肥大をするには、漸進性過負荷の法則が重要です。
漸進性過負荷とは、簡単に説明すると「筋肥大を狙うのであれば筋力が向上するにつれて負荷もあげていくことが不可欠」という考え方です。筋力が上がっているにもかかわらず負荷を変えていないと、筋肉は大きくなりません。そして自宅でのトレーニングでは、強い負荷を与えることができないのです。
その点ジムでは十分適切な負荷を与える器具類が揃っています。
以上の2点から、効率よく筋肥大をさせるにはジムへ通ってトレーニングを行いましょう。
3.効率よく大胸筋を鍛えるために、POF法を取り入れよう
大胸筋を鍛えるメニューを組む際には、POF法を意識しましょう。POF法とは、Position Of Flexionの略で、筋肉に対して最大負荷がかかる場所を変えたトレーニング方法です。
具体的には、動作の中間でもっとも負荷がかかるミッドレンジ種目、大胸筋がストレッチされた時にもっとも負荷がかかるストレッチ種目、大胸筋が収縮した際にもっとも負荷がかかるコントラクト種目に分類してメニューを組んでいきます。
これを大胸筋のトレーニングに当てはめると、ミッドレンジ種目はベンチプレスやダンベルプレスなどのプレス系種目、ストレッチ種目はダンベルフライ、コントラクト種目はケーブルクロスオーバーに該当します。
大胸筋を鍛える際はPOF法を意識して種目を取り入れることで、全可動域で大胸筋へとしっかり負荷をかけることができるのです。
4.大胸筋上部を鍛える際にオススメなトレーニング種目
大胸筋の起始・停止でも説明したように、大胸筋は上部・中部・下部の3つに分類されます。そしてバランスよく大胸筋を発達させるためには、それぞれの部位を狙ったアプローチが必要になります。まずは大胸筋上部を鍛える際にオススメのトレーニング種目を見ていきましょう。
4-1.インクラインベンチプレス
インクラインベンチプレスとは、インクラインベンチで角度をつけて行うベンチプレスです。大胸筋上部に高重量で負荷をかけることができるため、大胸筋上部の厚みが欲しいのであれば欠かせないトレーニング種目です。
インクラインベンチプレスのやり方
- インクラインベンチを30~40度にセットします。あまり角度が急すぎると三角筋へと刺激が入りやすくなってしまうため気をつけましょう。
- ベンチに仰向けになり、肩幅より拳一個分狭い位置でバーベルを握ります。
- しっかりと胸を張って腰にアーチを作ります。腹圧をかけてしっかりと体幹部を安定させましょう。
- バーベルをラックアップし鎖骨の上で固定します。
- 肘を外側に開くようにしてバーベルをゆっくりと鎖骨めがけて下ろしていきます。
- バーベルが鎖骨に着く手前で切り返し、同じ軌道で再度持ち上げていきます。
この動きを繰り返していきましょう。
インクラインベンチプレスのポイントとしては、鎖骨のラインでバーベルを上下させることです。軌道を常に一定にし、大胸筋上部に負荷をかけ続けることを意識しましょう。詳しくはインクラインベンチプレスの記事を参考にしてください。
インクラインベンチプレスの重量設定と回数の目安
インクラインベンチプレスは大胸筋上部の中でも高重量を扱いやすい種目のため、なるべく重い重量で組むことを意識しましょう。ただし通常のベンチプレスよりはどうしても扱える重量が下がってしまいます。目安としてはベンチプレスの80%でセットするようにしましょう。例えば普段ベンチプレスを80kgで10回×3セットで行っているのであれば、インクラインベンチプレスでは60kg で10回× 3セット行います。
また、個人的にはスミスマシンを利用したインクラインベンチプレスをやり込んだおかげで大胸筋上部が明らかに変化しました。スミスマシンでは軌道が決まっているため大胸筋上部へと常に負荷を乗せることができます。フリーウェイトのインクラインベンチプレスではあまり大胸筋上部の変化が感じられないという方は、スミスマシンを利用して見ることをオススメします。
4-2.インクラインダンベルプレス
インクラインダンベルプレスとは、インクラインベンチで角度をつけて行うダンベルプレスです。バーベルよりも可動域が広くなる分、より大胸筋上部へストレッチをかけることができます。
インクラインダンベルプレスのやり方
- インクラインベンチを30~40度にセットします。
- ダンベルを膝の上に置き、ベンチに仰向けになると同時に蹴り上げます。
- ダンベルが鎖骨の上に来るようにして固定します。
- しっかりと胸を張って腰にアーチを作ります。腹圧をかけてしっかりと体幹部を安定させましょう。
- ダンベルをゆっくりと鎖骨めがけて下ろしていきます。
- 大胸筋上部がしっかりとストレッチされたら一度止め、同じ軌道でスタートポジションまで戻していきます。
この動作を繰り返していきましょう。
インクラインダンベルプレスは可動域が広くなる分、バランスが取りづらくなります。常に軌道が一定になることを意識して動作を行いましょう。また、ボトムポジションからの切り返し時に反動を利用しないように注意してください。詳しくはダンベルプレス内のインクラインダンベルプレスの章を参考にしましょう。
インクラインダンベルプレスの重量設定と回数の目安
インクラインダンベルプレスも、8~12RMで3セットを目安に行います。片手ずつ独立しているためバランスが取りづらいためどうしても扱える重量は下がってしまいますが、その分可動域を重視して動作を行いましょう。
4-3.インクラインダンベルフライ
インクラインダンベルフライとは、インクラインベンチで角度をつけて行うダンベルフライです。大胸筋上部ピンポイントでストレッチさせられる唯一の種目です。
インクラインダンベルフライのやり方
- インクラインベンチを30~40度にセットします。
- ダンベルを膝の上に置き、ベンチに仰向けになると同時に蹴り上げます。
- ダンベルが鎖骨の上に来るようにして固定します。この時、両手が向かい合わせになるようにしましょう。
- しっかりと胸を張って腰にアーチを作ります。腹圧をかけてしっかりと体幹部を安定させましょう。
- 両手に持ったダンベルを左右に開いていき、大胸筋をストレッチさせます。
- 大胸筋がストレッチしたら一度止め、ゆっくりと切り返してスタートポジションまで戻していきます。
この動作を繰り返していきましょう。インクラインダンベルフライのポイントとしては、ダンベルを下ろしていく位置を意識することです。大胸筋上部の走行繊維に対して平行に下ろしていくようにすると、ピンポイントで大胸筋上部のみにストレッチをかけることができます。そのためにも大胸筋上部がどこからどこまで付着しているかを把握しておきましょう。
インクラダンベルフライの重量設定と回数の目安
インクラインダンベルフライも8~12回×3セットがセオリーとされています。
しかし、個人的にはダンベルフライは肩関節のアイソレーション種目(単関節種目 )のため重量は下げてレップ数とTUT(筋肉に負荷が乗っている時間)を意識することをオススメします。
具体的には15回で、最大ストレッチ時(ボトムポジション)で1~2秒停止してから切り返していきます。
無理に重量を扱ってしまうと大胸筋上部から負荷が抜けるだけでなく、肩関節が怪我するリスクもあるため注意しましょう。
5.大胸筋中部
続いて、大胸筋中部を鍛える際にオススメなトレーニング種目を紹介していきます。大胸筋中部は胸の中でも真ん中のため、発達すると厚い胸板を作ることに直接関係しています。
5-1ベンチプレス
ベンチプレスは大胸筋を鍛える際の人気種目ですが、大胸筋中部の中でもっとも高重量を扱えるというメリットがあります。
ベンチプレスのやり方
- ベンチの仰向けになり、バーベルの真下に自分の目が来るようにします。
- 81cmラインに薬指〜中指をかけ、サムアラウンドグリップで握りしめます。
- しっかりと胸を張って腰にアーチを作り、腹圧をかけて体幹部を固定します。
- バーベルをラックアップし、バストトップの真上で止めます。
- バーベルをバストトップめがけてゆっくりと下ろしていきます。
- バストトップに着く手前で切り返し、同じ軌道でスタートポジションまで戻していきます。
この動作を繰り返していきましょう。ベンチプレスではスタートポジションでしっかりと胸を張り、肩甲骨を寄せることを徹底してください。フォームが固まっていないと三角筋に負荷が逃げ、肩を怪我する恐れがあります。
グリップは親指を外したサムレスグリップではなく、巻きつけるサムアラウンドグリップをオススメします。なぜなら、サムレスグリップではサムアラウンドグリップに比べて筋出力が落ちてしまい、バーベルが落下する危険性もあるためサムアラウンドグリップで行いましょう。
ベンチプレスのより詳しい内容はこちらの記事を参考にしてください(ベンチプレスのリンク)
ベンチプレスの重量設定と回数の目安
ベンチプレスでは10回×3セットを目安にセットを組みましょう。また、最大筋力を上げるためにも定期的(2週間~1ヶ月に1回目安)に1RMマックスは計測をすることをオススメします。仮に80回×3セットできるのであれば、1セット目は100kgでセットを組み、その次のセットから80kgに落として3セットを行いましょう。
※これはメインセットの1発目という意味であるため、事前にウォーミングアップはしっかりと行いましょう。ウォーミングアップも、20kb→60kg→80kgと徐々にあげていくようにしてください。
筋力が上がると扱える重量が増え、結果的に筋肥大にもつながるため有効な手段です。ただし、1RMに挑戦する場合は補助をつけるか、セーフティバーをセットしてから行うようにしてください。
5-2.ダンベルプレス
ダンベルプレスとは、ベンチプレスのダンベルバージョンです。ダンベルを利用することでバーベルよりも広く可動域を取ることができ、大胸筋へストレッチもかけることができます。
ダンベルプレスのやり方
- ダンベルを膝の上に置き、ベンチに仰向けになると同時に蹴り上げます。
- ダンベルがバストトップの上に来るようにして固定します。
- しっかりと胸を張って腰にアーチを作ります。腹圧をかけてしっかりと体幹部を安定させましょう。
- ダンベルをゆっくりとバストトップめがけて下ろしていきます。
- 大胸筋上部がしっかりとストレッチされたら一度止め、同じ軌道でスタートポジションまで戻していきます。
この動作を繰り返していきましょう。ダンベルプレスのメリットは可動域を広く取れる点ですので、大胸筋がしっかりとストレットされるまでダンベルを下ろしていくことを意識してください。
ダンベルプレスのより詳しい内容はこちらの記事を参考にしてください
ダンベルプレスの重量設定と回数の目安
ダンベルプレスも、基本的には8~12回×3セットを目安に行いましょう。重量設定の目安としては、ベンチプレスの80%ほどです。例えばベンチプレスで100kgを10回×3セットで組んでいるのであれば、ダンベルプレスでは左右40kgずつでセットを組みましょう。
また、ベンチプレスとダンベルプレスをボディメイクの観点から見た場合、可動域の関係でベンチプレスでは大胸筋に厚みを持たせ、ダンベルプレスでは全体的に刺激を与えることができます。そのため目的に応じて行う種目も変えていきましょう。
5-4.ダンベルフライ
ダンベルフライは、大胸筋中部へとピンポイントでストレッチをかけることができます。アイソレーション種目のため、比較的大胸筋へと効かせやすい種目でもあります。
ダンベルフライのやり方
- ダンベルを膝の上に置き、ベンチに仰向けになると同時に蹴り上げます。
- ダンベルがバストトップの上に来るようにして固定します。この時、両手が向かい合わせになるようにしましょう。
- しっかりと胸を張って腰にアーチを作ります。腹圧をかけてしっかりと体幹部を安定させましょう。
- 両手に持ったダンベルを左右に開いていき、大胸筋をストレッチさせます。
- 大胸筋がストレッチしたら一度止め、ゆっくりと切り返してスタートポジションまで戻していきます。
この動作を繰り返していきましょう。ダンベルフライでは、いかに大胸筋へとストレッチをかけることができるか、が大切です。そのため動作を丁寧に行うことを心がけましょう。
ダンベルフライのより詳しい内容はこちらの記事を参考にしてください。
ダンベルフライの重量設定と回数の目安
インクラインダンベルフライの時にも触れましたが、ダンベルフライでは重量よりも丁寧に動作を行うことを心がけましょう。そのため15回で、最大ストレッチ時(ボトムポジション)で1~2秒停止してから切り返していきます。
もしダンベルフライで高重量を扱いたいのであれば、肘関節も利用してワイドプレスのようにすれば肩関節の負荷を分散させて大胸筋へと強いストレッチを与えることができますのでぜひ試してみてくだい。
3-5.ケーブルクロスオーバー
ケーブルクロスオーバーとは、ケーブルマシンを利用して大胸筋を収縮させるトレーニングです。大胸筋を収縮させることができる数少ない種目のためオススメです。
ケーブルクロスオーバーのやり方
- ケーブルマシンを胸〜肩の位置でセットします。
- 両手でグリップを掴み、ケーブルマシンの中央に立ちます。
- そのまま前に出て、ウェイトスタック(重り)が浮いている状態を作ります。
- 軽く前傾姿勢になり、しっかりと胸を張ります。
- 両手に持ったグリップを胸の前まで寄せ、大胸筋を収縮させて一度停止します。
- ゆっくりとケーブルを戻していき、大胸筋をストレッチさせたら再度切り返していきます。
この動作を繰り返していきましょう。
ケーブルクロスオーバーのメリットは大胸筋へ強い収縮感を与えることですので、収縮時に1~2秒停止することを意識してください。また、胸を寄せるのに合わせて上体を軽く引くと、上腕骨と鎖骨部が自然に近づきより収縮しやすくなるので試してみてください。
ケーブルクロスオーバーの重量設定と回数の目安
ケーブルクロスオーバーも、基本的には8~12回×3セット行うのがいいとされています。もちろんこれだけでも効果的ですが、私の場合はよりパンプ感を重視しているためボリュームを増やして行っています。
具体的にはまず8~12回×3で大胸筋にしっかりと刺激を与えます。そしてそのあとに重量を下げ、15~20回でさらに2セットを行います。つまり、計5セットのケーブルクロスオーバーを行っていることになります。常に大胸筋が収縮していることを意識することで、大胸筋が熱くなるほどパンプアップさせることができます。
6.大胸筋下部
大胸筋下部は大胸筋の中でも下に位置しているため、発達することで迫力のある胸板を手に入れることができます。また、大胸筋下部が発達すると腹筋との境目がクッキリとするためメリハリのある体を作ることが可能です。
ただし大胸筋下部はベンチプレスやダンベルプレスなど大胸筋中部を狙った種目でも自然と鍛えられていきます。そのため、大胸筋中部の種目を一生懸命行っていればあえて狙わなくとも自然と発達している可能性が高いです。そのため大胸筋下部を狙った種目はあまり多くはありませんが、ピンポイントで鍛えたい場合は取り入れてみてください。
6-1.デクラインベンチプレス
デクラインベンチプレスとは、ベンチに角度をつけて(足よりも頭が下になる)行うベンチプレスです。大胸筋下部を慣れった種目の中でも高重量を扱いやすくなります。
通常のベンチプレスダンベルプレスでも大胸筋下部には刺激が入るため、私自身はあまり取り入れていません。その代わり大胸筋下部の収縮を重視しているため、のちほど紹介するケーブルクロスオーバーはマストで行っています。
しかし、大胸筋下部の発達をピンポイントで狙いたい場合は、デクラインベンチプレスを行うことをオススメします。
デクラインベンチプレスのやり方
- デクラインベンチに仰向けになります。角度は30度を目安にセットしましょう。
- 81cmラインに薬指〜中指をかけ、サムアラウンドグリップで握りしめます。
- しっかりと胸を張って腰にアーチを作り、腹圧をかけて体幹部を固定します。
- バーベルをラックアップし、みぞおちの真上で止めます。
- バーベルをみぞおちめがけてゆっくりと下ろしていきます。
- みぞおちに着く手前で切り返し、同じ軌道でスタートポジションまで戻していきます。
この動作を繰り返していきましょう。
デクラインベンチプレスでは大胸筋下部を狙っているため、バーベルを下ろす位置も気をつけましょう。基本的な動作は通常のベンチプレスと変わらないため、しっかりと胸を張って肩甲骨を寄せることを意識してください。
デクラインベンチプレスの重量設定と回数の目安
デクラインベンチプレスは、8~12回×3セットを目安に行いましょう。頭が下にある上体で動作を行うため、あまりボリュームを多くしすぎてしまうと頭に血がのぼってしまいます。また、フリーウェイトではバランスが取りづらいため、まずはスミスマシンを利用して大胸筋下部に効いている感じをつかむことをオススメします。
6-2.ケーブルクロスオーバー(大胸筋下部狙い)
大胸筋中部を収縮させるのに紹介したケーブルクロスオーバーですが、姿勢を変えることによって大胸筋下部にへも収縮の刺激を与えることができます。大胸筋下部を収縮させることができるのは実質ケーブルクロスオーバーだけのため、ぜひとも取り入れたい種目です。
ケーブルクロスオーバー(大胸筋下部狙い)のやり方
- ケーブルを肩の位置を目安にセットします。
- 両手でグリップを握り、数歩前に出ます。この時、ウェイトスタック(重り)が浮いている状態を作りましょう。
- 骨盤を後傾させるようにしてお尻を突き上げ、上体を前傾させます。上体の角度が45度〜50度になるようにしましょう。
- しっかりと胸を張った上体で左右に持ったグリップを中央に寄せていき、大胸筋下部を収縮させます。
- ゆっくりとケーブルを戻していき、大胸筋下部がストレッチしたら再度切り返していきます。
この動き繰り返していきましょう。手を下ろした上体で内側に寄せると大胸筋下部にピンポイントで収縮を与えることができるため、この動きを意識しましょう。
ケーブルクロスオーバー(大胸筋下部狙い)の重量設定と回数の目安
大胸筋中部を狙った通常のケーブルクロスオーバーではよりパンプ感を重視しているためボリュームを増やして行っていると説明しました。もちろん大胸筋下部でもボリュームを狙って5セット行ってもいいのですが、個人的には大胸筋下部は中部のトレーニングでも使用されていること、そして中部に比べると面積が小さいことから、そこまで重視はしていません。
そのため収縮を狙ってパンプを意識するために、15~20回×3セットを目安に行っています。大胸筋中部を狙ったケーブルクロスオーバーの次に取り入れることで、効率よく大胸筋下部も鍛えることができます。
7.大胸筋のトレーニング一例
今まで大胸筋を鍛える際にオススメな種目をいくつか紹介してきましたが、参考として実際に私が行っている胸のトレーニングメニューの一例を紹介していきます。なお、頻度としてはなるべく週に2回、最低でも1回は「胸の日」として取り入れています。
- ベンチプレス 1RMマックス→10回×3セット(インターバル:60~90秒)※高重量を扱うことを意識する
- ダンベルプレス 10回×3セット(インターバル:60秒)※可動域を広く取り、軽くストレッチも意識
- インクラインベンチプレス(スミスマシン)1010RM×3セット(インターバル:60~90秒)※常に大胸筋上部へと負荷を乗せ続ける
- ダンベルフライ(インクラインダンベルフライ) 15回×3セット(インターバル:45秒)※ボトムポジションで停止、最大ストレッチを意識
- ケーブルクロスオーバー 8~12回×3セット→15~20回×2セット(インターバル30~45秒)※収縮、パンプ感意識
- ケーブルクロスオーバー(大胸筋下部狙い) 15~20回×3セット※大胸筋下部への収縮意識
所要時間:60~90分
以上のように、胸のトレーニングでは毎回5~6種類は取り入れています。基本的な考え方としては大胸筋を上部・中部・下部に分類し、それぞれに対してPOF法に当てはめてトレーニングメニューを作成しています。
まとめ
今回は胸筋を鍛えるためにオススメなトレーニング種目と、それぞれのポイントまでを徹底的に解説してきました。大胸筋は上部・中部・下部の3つに分類される大きな筋肉のため、それぞれに対してアプローチをかける必要があります。
効率よく鍛えるためにはPOF法が有効ですので、ぜひ試してみましょう。今回紹介した種目やポイントを参考にし、大きくて男らしい胸板を手に入れましょう!
コメント