ダンベルプレスの基本情報と効果的なトレーニングのための4つのポイント

ダンベルフライの基本情報

「ダンベルプレスとベンチプレスの違いは?」「ダンベルをどこまで下ろせばいいの?」「ダンベルプレスを効果的に行うためのポイントはあるの?」

ダンベルプレスに関する疑問はさまざまです。

この記事では、ダンベルプレスの基本情報、理想的な動作、鍛えることができる部位、効果、さらに効果的に行うためにポイントを紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。

1.ダンベルプレスとは

ダンベルプレスは、ベンチで寝た状態でダンベルを押し挙げることで胸や肩、腕の筋肉を鍛える種目です。

ダンベルプレスは上半身のシルエットを逞しくすることができるので、男性に人気の種目のうちのひとつです。

ダンベルプレスは胸のトレーニング種目の代表格の種目なので、胸を鍛えることを中心に考えて行うようにしましょう。

1ー1.ダンベルプレスでは胸の筋肉を重点的に鍛えることができる

ダンベルプレスでは胸の筋肉を重点的に鍛えることができます。なぜなら、ダンベルプレスでは胸の筋肉の可動域を大きく使うことができるからです。

バーベルやスミスマシンでのベンチプレスでは胸の筋肉が伸び切る前にバーが胸についてしまうことがあります。それだと胸の筋肉を可動域を大きく使うことができません。ダンベルプレスだとバーが胸につかないので、胸の筋肉の可動域より大きく使うことができます。その分だけ胸の筋肉に強い刺激を入れることができます。

また、ダンベルプレスは、バーベルでのベンチプレスやスミスマシンのベンチプレスよりも、重りを下ろすときに胸の筋肉に刺激が入りやすいという性質を持っています。
http://www.trilliumfitness.co.uk/wp-content/uploads/2016/06/SAETERBAKKEN-et-al.-2011-Bench-Press.pdf

なので、ダンベルプレスを行うときは下ろす動作もていねいに行うようにしましょう。

ダンベルプレスでは胸の筋肉を重点的に鍛えることができるので、とにかく胸の筋肉を大きくしたい人はダンベルプレスを行いましょう

1ー2.ダンベルプレスでは左右の胸の筋肉のバランスを整えることができる

ダンベルプレスは、バーベルやスミスマシンでのベンチプレスと違い、左右の胸の筋肉のバランスを整えることができるという特徴を持っています。

バーベルやスミスマシンでのベンチプレスは両手でひとつのものを押す形なので、左右のバランスを少々崩しても問題なく行うことができます。そのことが原因で左右の胸の筋肉の大きさが違ってくるというケースが起こりやすくなります。

それに対して、ダンベルプレスは胸の筋肉の大きさに左右差が出ることはありません。なぜなら、ダンベルプレスでは片手にひとつずつダンベルを持っているので、左右のバランスが崩れていては動作を続けることができないからです。

ダンベルプレスは胸の筋肉を左右均等に鍛えたい人におすすめの種目です。

1ー3.ダンベルプレスでは自分に合った手首の向きで行うことができる

ダンベルプレスでは自分に合った手首の角度で行いやすいという特徴があります。

バーベルやスミスマシンでのベンチプレスではグリップを握って持ち上げてからは手首の向きを変えることができませんが、ダンベルプレスではグリップを握ってから持ち上げてからも手首の向きを自由に変えることができます。

バーベルやスミスマシンでのベンチプレスでは手首が痛む人もダンベルプレスでは大丈夫なことがあるので、手首に不安がある人はダンベルプレスを試してみましょう。

2.ダンベルプレスのバリエーション

ダンベルプレスのバリエーションはさまざまです。バリエーションごとの特徴について解説します。

2ー1.胸の筋肉全体を鍛えるのに向いているフラットベンチを使ったダンベルプレス

フラット(平ら)なベンチで行うダンベルプレスでは、高重量を扱うことができます。フラットベンチでのダンベルプレスは可動域を大きくとれて重量も扱えるので、胸の筋肉全体を鍛えるのに向いています。

一般的にダンベルプレスといえばフラットベンチでのダンベルプレスのことを言います。ダンベルプレスを始めるときはフラットベンチのものから始めましょう。

2ー2.大胸筋上部に刺激が入りやすいインクラインダンベルプレス


傾斜がついたベンチで座ると頭が股関節よりも上に来るようなベンチのことをインクラインベンチと言い、そのベンチで行うダンベルプレスのことをインクラインダンベルプレスと言います。

インクラインダンベルプレスは股関節よりも頭の位置が上に来ることでダンベルの軌道が変わり、胸の筋肉である大胸筋の上部に刺激が入ることが特徴です。鎖骨の下を筋肉で盛り上げたいときはインクラインダンベルプレスを行いましょう

3.ダンベルプレスの理想的な動作

フラットベンチでのダンベルプレスの理想的な動作について解説していきます。

3ー1.ダンベルプレスのセッティングでの4つのポイント

ダンベルプレスは最初のセッティングを怠ると上手く行うことができない種目です。セッティングについて解説します。

できる限りベンチの端に座る

ダンベルプレスを行うとき、できる限りベンチの端に座るようにしましょう。なぜなら、ベンチの真ん中に座ってダンベルプレスを行おうとすると、スタートポジションのときにベンチの長さが足りずに頭が浮いてしまう可能性があるからです。ダンベルプレスを行うときに頭が浮いていると力が入らなくなってしまいます。

そうならないために、できる限りベンチの端を座るようにしましょう。

ダンベルのグリップの真ん中を持つ

ダンベルプレスを行うときは、ダンベルのグリップの真ん中を持つようにしましょう。そうすることでダンベルプレスで起こりやすい手首の疲労からくる痛みを予防することができます。何も気にせずにダンベルを持って怪我をするケースは意外に多いので気をつけるようにしましょう。

ダンベルを太ももの上に乗せる

ダンベルプレスの体勢に入る前に、ダンベルを太ももの上に乗せておきましょう。太ももの上に乗せて蹴り上げるようにしてダンベルプレスの体勢に入ることをオン・ザ・ニーといいます。
オン・ザ・ニーをしやすくするためにダンベルを太ももの上に乗せておきましょう。

ダンベルを蹴り上げてベンチに寝る

スタートポジションをとるときは、ダンベルを太ももで蹴り上げながらベンチに寝ころびましょう。脚の力を使うことでダンベルプレスを行う前に無駄に体力を使うことを防ぎます。安全で効果的なダンベルプレスを行うためには必須のテクニックです。かならずマスターしましょう。

3ー2.ダンベルプレスのスタートポジションでの4つのポイント

ダンベルプレスのスタートポジションとは、ベンチに背中をつけてダンベルを腕を伸ばして持っている状態のことを言います。スタートポジションでのポイントを解説します。

グリップと肘と肩が一直線になるようにする

スタートポジションではグリップと肘と肩が一直線になるようにしましょう。そうすることで、ダンベルの重さを身体全体で受け止めることができ、腕や肩を披露させずに体勢を整えることができるようになります。
体勢を整えて理想的なフォームで行うためにもスタートポジションではグリップと肘と肩が一直線になりようにしましょう。

しっかり踏ん張れるところに足を置く

ダンベルプレスを行うときは、しっかりと踏ん張れるところに足を置くようにしましょう。ダンベルプレスはダンベルの種目の中でも高重量を扱う種目です。しっかりと踏ん張れるところに足を置いていないとバランスを崩す可能性が出てきます。安定したフォームで行うためにしっかり踏ん張れるところに足を置くようにしましょう。

ダンベルのグリップでハの字をつくる

スタートポジションの段階でグリップの向きを決めておきましょう。グリップの向きは、ダンベルのグリップでカタカナのハの字をつくるようにするのがベストです。身体とグリップがなす角度が45度あたりがもっとも動作がスムーズになる角度なので、45度になるようにスタートポジションの段階でグリップの向きを決めましょう。

息を大きく吸い込む

ダンベルプレスでダンベルを下ろす直前に、息を大きく吸い込むようにしましょう。息を大きく吸い込むことで肩甲骨や肩の位置が整い、胸を鍛える姿勢に近づきます。また、肩甲骨や肩の位置が整うことで怪我の予防にもつながります。
肩甲骨や肩の位置が整っていないと肩や腕に負荷が集中してしまいます。最悪怪我にもつながるのでダンベルを下ろす前には息を大きく吸っておきましょう。

3ー3.ダンベルプレスのボトムポジションでの2つのポイント

ダンベルプレスで一番ダンベルの位置が低いポジションのことを、ボトムポジションといいます。ボトムポジションでのポイントを解説します。

上腕が床と平行になるところで止める

ダンベルプレスのボトムポジションは実際に行う前に、上腕が床と平行になるところにすると決めておきましょう。ボトムポジションが明確になることでダンベルプレスの動作が安定します。動作が安定したほうが狙い通りのトレーニングに近づくことができるので、ボトムポジションを明確にしておきましょう。
また、ダンベルプレスはダンベルを下ろしすぎると肩を痛めてしまうので、最初のうちは上腕が床と平行になるところで止めておきましょう。それでも、胸の筋肉にはストレッチがかかっているので胸への負荷という点では問題はありません。

胸の筋肉のストレッチ感を感じる

ダンベルプレスの特徴は胸の筋肉をしっかり伸ばして使うことができることです。なので、ボトムポジションでは胸の筋肉のストレッチ感を感じるようにしましょう。胸のストレッチ感を感じていないということは、肩や肘といった他の関節が無理な動きをしていることになるので、怪我のリスクが出てきます。
胸の筋肉に効かせるためにも、肩や肘の関節を守るためにも胸のストレッチ感を感じながら行うようにしましょう。

3ー4.ダンベルプレスのフィニッシュポジションでの3つのポイント

ダンベルプレスでのフィニッシュポジションとは腕を伸ばし切ったポジションのことをいいます。ダンベルプレスのフィニッシュポジションでのポイントを解説します。

グリップと肘と肩が一直線になるようにする

ダンベルプレスのフィニッシュポジションでは、グリップと肘と肩が一直線になるようにしましょう。1回1回グリップと肘と肩とを一直線にすることでフォームが安定し、同じところに刺激を与え続けることができるようになるからです。フォームを安定させるためにグリップと肘と肩が一直線になるようにしましょう。

肩の後ろをベンチにつけたままにする

ダンベルプレスを行う際、フィニッシュポジションのときでも肩の後ろをベンチにつけたままにしましょう。肩の後ろをベンチにつけずに回数を重ねることで、肩でダンベルの重さを受け止めてしまう形になり、肩への負担が大きく怪我につながります。
肩の怪我を予防するために、肩の後ろを常にベンチに着けたままにしておきましょう。

胸の筋肉の収縮を感じる

ダンベルプレスのフィニッシュポジションでは、胸の筋肉を収縮を感じるようにしましょう。ダンベルプレスで胸を鍛えたいのであれば、胸の筋肉がどうなっているかを想像しながら行うと効果的なトレーニングができます。

3ー5.ダンベルプレスの安全な終わり方

ダンベルプレスは終わるときも気を配る必要があります。なぜなら、ダンベルプレスは終わるときの怪我が多い種目だからです。終わるときは以下の手順で終わるようにしましょう。

  1. 手のひらを向かい合わせてダンベルとダンベルをつけておく
  2. ダンベルの小指側の端と太ももをくっつける
  3. ダンベルの端で太ももを押し込む
  4. ダンベルが移動する勢いで身体を起こす
  5. しゃがんでダンベルを下ろす

このようにしてダンベルプレスを終わらせることで、体力がなくなっているときでも安全に終わらせることができます。特に5は腰を守るためにもかならず行いましょう。

4.ダンベルプレスで鍛えることができる部位

ダンベルプレスで鍛えることができる部位は、胸と肩、腕の筋肉です。それぞれの筋肉について詳しく解説します。

4ー1.大きな胸をつくる大胸筋

ダンベルプレスでメインで鍛えたいのが大胸筋です。大胸筋は鎖骨や胸骨から上腕骨まで付いている筋肉で大きな胸をつくるためには必須の筋肉です。大胸筋は胸を張ったり肘を身体の後ろに引いたりすることで伸びる筋肉なので、ボトムポジションに行くまではこの2つのことを考えながら行うようにしましょう。

4ー2.丸い肩をつくる三角筋

三角筋

ダンベルプレスを行うことで三角筋という筋肉にも刺激が入ります。ダンベルプレスで使うのは三角筋の前部で鎖骨の外側から上腕骨にかけて付いています。ダンベルプレスをやっていて肩の前側に刺激が入り過ぎるようであれば、フォームの見直しが必要です。

4ー3.腕を太くする上腕三頭筋

上腕三頭筋

ダンベルプレスをやり込むことで二の腕の筋肉である上腕三頭筋にも刺激を与えることができます。手のひらを向かい合わせたダンベルプレスを行うと、肘の曲がる角度が大きくなるので上腕三頭筋に効きます。

ダンベルプレスをしていて、腕の裏に負荷が来ているということは脇が締まり過ぎている可能性があるので、胸を鍛えたいのであれば脇を気持ち開くようにしましょう。

5.ダンベルプレスがもたらす効果

ダンベルプレスを継続的に行うことで上半身が逞しくなる以外にも様々な変化が起こります。ダンベルのもたらす効果について解説します。

5ー1.押す力が強くなる

ダンベルプレスを継続的に行うことで押す力が強くなります。ダンベルプレスは、通常のバーベルベンチプレスよりも可動域が大きく、同じ重量でもダンベルプレスのほうがより大きな力が必要になります。継続的にダンベルプレスを行うことで押す力が強くなります

5ー2.左右の筋力のバランスが整う

ダンベルプレスをやり込むことで左右の筋力バランスが整うようになります。

ダンベルプレスは、通常のバーベルベンチプレスとは違って、左右の筋力バランスが釣り合っていないと理想的な動作では行うことはできません。なぜなら、ダンベルプレスは片手に1つずつダンベルを持って行う種目なので片腕でダンベルをコントロールする必要があるからです。

継続的にダンベルプレスを行うことで、弱い側の腕の筋力が強い側の腕の筋力に追いつくようになり、左右の筋力バランスが整うようになります。

6.ダンベルプレスをさらに効果的に行うための4つのポイント

ダンベルプレスをさらに効果的に行うためのポイントを紹介します。

6ー1.太ももの上にダンベルを乗せたときにグリップを握り直す

大胸筋上部

床からダンベルを握り続けることで、少しだけグリップがズレてしまうことがあります。太ももの上にダンベルを置いたときに握り直すことでグリップのズレを修正することができます。また、握り直すことでダンベルを持ち続けることによる前腕の疲労を軽減することができます。

ダンベルプレスの正しい動作のためにできる限り無駄な体力は使わないようにしましょう。

6ー2.背中のところに滑り止めシートを置く

ダンベルプレスを行うとき、背中のところに滑り止めシートを置くことで安定した動作を行うことができます。ダンベルプレスはスタートポジションに入るときに背中が滑ってしまうことがあります。滑り止めシートを使うことで、そういったことを防ぐことができます。

滑り止めシートは100円ショップで売っているマット用のものが使いやすいのでおすすめです。

6ー3.横幅の狭いベンチで行う

ダンベルプレスを横幅の狭いベンチで行うことで大胸筋への刺激を強くすることができます。ベンチの横幅が狭いことで肩がベンチからはみ出す形になり、大胸筋のストレッチが通常よりも強くかかるようになるからです。

ダンベルプレスに慣れてきたら横幅の狭いベンチで行ってみましょう。

6ー4.ボトムポジションを低くする

ダンベルプレスをより効果的に行いたいのであれば、ボトムポジションを低くしてみましょう。ボトムポジションが低い位置にあるほうが大胸筋のストレッチはより大きくなります。大胸筋に負荷を集中させるのであれば上腕を床と平行よりも下ろしたほうが効果的です。

ただし、上でも述べた通り大胸筋を伸ばし切ると肩に大きなストレスがかかります。大胸筋をしっかり伸ばすことができて、肩にストレスがかからない可動域を見つけましょう。

まとめ

ダンベルプレスはダンベルで行う大胸筋を鍛える種目です。

筋肉量の増加が目的であれば、ダンベルプレスの場合ダンベルの重量よりも大胸筋がどう動いているかを考えながら鍛えたほうが効果的なトレーニングができます。

また、オン・ザ・ニーのテクニックは早いうちにマスターしましょう。オン・ザ・ニーをマスターすることでダンベルプレスに取り組みやすくなります。

とにかく、やり込んでみてください。応援しています。

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編集長プロフィール

Bulkup theory編集長

Bulkup theory編集長

私は現在、IT企業で働きながら競技者としても活動していますが、本業が忙しい中で競技者として活動するためには「効果的で効率的な筋トレ」が非常に重要になってきます。このメディアでは現役の選手やパーソナルトレーナーと共に「最小限の努力で最大の成果」をモットーに高い成果を実現するための筋トレ情報を可能な限り科学的根拠を持って発信していきます。