バタフライマシンは、大胸筋をピンポイントで鍛える収縮種目において最も効果的です。
大胸筋を鍛えるマシン種目では、チェストプレスがありますが、チェストプレスとは少し異なります。
本記事では、バタフライマシンにおけるやり方やポイントと併せて解説します。
1. バタフライマシンとは
バタフライマシンとは、大胸筋を鍛えるマシンを指します。このマシンでは、腕を閉じる動作によって大胸筋を鍛えます。一般的なタイプはグリップを握るタイプですが、肘をパッドにあてて行うタイプもあります。
バタフライマシンについては下記の通りです。
1-1. バタフライマシンは大胸筋を収縮させるのに効果的
バタフライマシンは大胸筋を収縮させるのに効果的です。POF法に基づいた場合に、バタフライマシンはコントラクト種目(収縮をかけることで鍛える種目)にあたります。
その他の大胸筋のコントラクト種目としては、チェストプレスやケーブルクロスオーバーといった種目があります。
一般的なチェストプレスの場合には、ミッドレンジに含まれますがマシンによってはコントラクト種目にあたります。
1-2. バタフライマシンとチェストプレスの違いはアイソレーション種目である事
バタフライマシンとチェストプレスの違いはアイソレーション種目であることです。チェストプレスの場合には、肩関節の動きだけではなく、肘関節の動きも含まれます。そのため、種目としてはコンパウンド種目にあたり、大胸筋以外の部位も鍛えることが出来ます。
一方でバタフライマシンの場合には、肩関節の動きのみで鍛える単関節運動です。そのため、大胸筋をピンポイントで鍛えることが出来ます。大胸筋をピンポイントで鍛えるその他の種目としては、ケーブルクロスオーバーがあります。
1-3. 大胸筋をピンポイントで鍛えるコントラクト種目はバタフライマシンが最も効果的
大胸筋をピンポイントで鍛えるコントラクト種目では、バタフライマシンが最も効果的です。なぜならば、バーベルベンチプレスの筋活動を100%とした場合に、バタフライマシンは98%の筋活動であったことが調査結果で報告されているためです。
同じ大胸筋を鍛えるケーブルクロスオーバーは93%、チェストプレスは79%であったことが報告されています。
その他に大胸筋をピンポイントで鍛えるアイソレーション種目には、ダンベルフライがありますが、ダンベルフライはストレッチ種目に含まれ、筋肉の収縮様式が異なります。
つまり、大胸筋をピンポイントで鍛えるためのコントラクト種目の中では、バタフライマシンが最も効果的であることが言えます。
2. バタフライマシンの効果的なやり方
バタフライマシンの効果的なやり方は下記の通りです。
2-1. シート位置を調節してグリップを握った時に腕が床と平行になるようにする
シートの位置を調節して、グリップを握った時に腕が床と平行になるようにします。なぜならば、大胸筋は上腕骨上部から胸骨にかけてついている筋肉です。
そのためバタフライマシンでは、床と平行になるようにシート位置を調節してグリップを握る事で最も効果的に収縮させることが出来ます。
さらに細かいポイントとしては小指が乳頭と同じ高さに来るようにすると良いのと腕は軽く曲げましょう。
2-2. アームの角度は可能な限り深くすると可動域が広くなり効果的
アームの角度は可能な限り深くすると可動域が広くなり効果的です。筋トレの基本的なこととして、可動域を広くとる事があります。
可動域を広くとる事によって筋肥大に効果的であるだけではなく、筋繊維も縮みにくくなります。
大胸筋の筋繊維が縮んでしまうと肩が前に出たような姿勢になってしまうため見栄えもあまりよくありません。
また、バタフライマシンの場合にはアームの位置が浅すぎるとすぐにプレートがくっついてしまい可動域を広くとろうとすると負荷が抜けてしまいます。
大胸筋から負荷が抜けないようにするためにも、アームの位置は深く設定しましょう。
2-3. 左右のバーを握って胸を張る
スタートポジションでは、左右のバーを握って胸を張ります。胸を張る事によって肩甲骨が寄り、肩が下がるため効果的に大胸筋を収縮させることが出来ます。
2-4. プレートが少し上がった状態から両手を近づける
スタートポジションが整ったら、プレートが少し上がった状態から両手を近づけて大胸筋を収縮させます。この時にいきなりスタートしてしまうと、肩を痛める原因となってしまいます。
必ずプレートを少し上げてからトレーニングをスタートしましょう。
2-5. プレートがつかない程度にストレッチをかけながら元に戻す
プレートがつかない程度にストレッチをかけながら元に戻しましょう。腕が180度程度に広がると良いです。これらの動作を繰り返し行います。
3. バタフライマシンをさらに効果的に行うためのポイント
バタフライマシンをさらに効果的に行うためのポイントとしては、下記の通りです。
3-1. 背中をシートにしっかりとつける
背中をシートにしっかりとつけましょう。背中がシートから離れてしまっていると、腕の力を使ってアームを動かすことになってしまうため、大胸筋を収縮させにくくなってしまいます。
シートに深く腰かけ、足を60度程度開き背中をシートにしっかりとつけることによって大胸筋をうまく使って動作を行うことが出来るようになります。
3-2. 肩甲骨を寄せて肩を下げる
バタフライマシンを行い際には、肩甲骨を寄せて肩を下げます。なぜならば、これらを行うことによって、肩の位置が固定されて大胸筋に刺激が入りやすくなります。
一方で肩の位置が固定されないと三角筋全部に刺激が入りやすくなってしまいます。
これらのことから、胸を張ってシートに座ると良いでしょう。
3-3. サムレスグリップでグリップを握る
バタフライマシンを使う場合には、サムレスグリップでグリップを握ると良いです。サムレスグリップで握る事によって、前腕筋の活動を抑える事が出来るため、大胸筋への刺激は大きくなります。
グリップを強く握ってしまうと、腕の力でアームを動かすことにつながってしまうため、負荷が逃げてしまいます。
そのため、サムレスグリップでグリップを握る事をおすすめします。
3-4. フィニッシュポジションでさらに力を加える
バタフライマシンにおいては、フィニッシュポジションでさらに力を加える事によって、負荷を最大限高めることが出来ます。
これは、バタフライマシンがコントラクト種目であるため、フィニッシュポジションが最も負荷が高いためです。
フィニッシュポジションにおいて、2秒程度静止するか、より力を入れて大胸筋を収縮させると、バタフライマシンの効果は高くなります。
4.バタフライマシンにおける重量設定
バタフライマシンにおける重量設定の目安は初心者であれば30キロから始めると良いでしょう。
なぜならば、一般学生を対象とした調査によれば、トレーニング開始前の1RMは39.76kgであったことが報告されているためです1)。
少し慣れている人であれば、5キロ増やしてそれでも物足りない場合には10キロといったように自分に合った重量を見つけてください。
大胸筋は平行筋であるため、レップ数としては12RMの重量で行うと最も効率的です。
まとめ
バタフライマシンは、大胸筋を鍛えるコントラクト種目です。その他の大胸筋を鍛えるコントラクト種目よりも筋活動は高く、大胸筋に収縮をかけて行うトレーニングとしては非常に効果的です。
バタフライマシンにはやり方やポイントがあるため、本記事を参考にしてバタフライマシンに取り組んでみてはいかがでしょうか。
1)磨井祥夫・柳川和優(2013)週1回の授業におけるレジスタンストレーニングが 大学生の筋力に及ぼす影響,広島体育学研究,39:1-10.
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