「バルクアップをしたいけれどどんな食事を食べればいいかわからない」「たくさん食べているのにカラダが大きくならない」こうした悩みを抱えていませんか?
一昔前であれば、バルクアップをするためには「胃に無理やり詰め込むようにして食べろ」といわれてきました。
しかし、ただ摂取カロリーを増やせばカラダが大きくなるとは限りません。バルクアップの効果を最大化するには
・栄養素の質
・栄養摂取のタイミング
まで気を配る必要があるからです。
そこで今回は、効率よくバルクアップをしていくために大切なポイントを、具体例を交えながら解説していきます。
本稿を参考に、効率よくバルクアップを成功させましょう!
1. バルクアップをするための食事で絶対に抑えるべき5つのポイント
バルクアップを行う上で最低限欠かせないポイントを5つにまとめたので、まずは1つずつ紹介していきます。
頑張って食べているのになかなか体重が増えない方は、以下の項目ができているかどうかを考えながら読んでみましょう。
1-1. 摂取カロリー〉消費カロリーを維持
まず1つ目が、消費カロリーよりも摂取カロリーが上回っている状態を維持できていることです。これはバルクアップをする上で何よりも欠かせません。
基本的に摂取カロリー〉消費カロリーの状態であれば体重は増えていき、逆に摂取カロリー〈消費カロリーであれば体重が落ちていくからです。
バルクアップを目指しているのであれば食事量は意識できているとは思いますが、中には単純に食事量が足りていないという方もいますので注意しましょう。
具体的にどれだけのカロリーを摂取すればいいのかは、後ほど詳しく解説していきます。
1-2. 体重×2g以上のタンパク質量を摂取
続いて2つ目が、体重×2g以上のタンパク質量を摂取することです。なぜタンパク質が必要かというと、筋肉を作るための材料として欠かせないからです。
人間のカラダの中では常に筋合成(アナボリック)と筋分解(カタボリック)を繰り返しているのですが筋合成〉筋分解の状態になった時がバルクアップが成功しているといえます。
筋肉の材料となるタンパク質量が少なければ、いくら摂取カロリーを増やしたとしてもなかなかバルクアップがうまくいかないので注意しましょう。
また、少し前まではタンパク質の過剰摂取は腎機能に悪影響を与えるのではないかという意見が多数派でした。
実際に「高タンパク質食は腎臓にダメージを与える」という報告もあげられていたのですが、最新の研究ではこの内容は否定されています。1)
もちろん体重×3倍や4倍も摂取しているのであればまた話しは変わってきますが、あくまでも2倍gほどであれば問題ありません。
効率よくバルクアップをするためにタンパク質が必要なのは事実ですので、積極的に摂取していきましょう。
1-3. 3~4時間おきに20gのタンパク質を摂取する
続いて3つ目が捕食を利用して3~4時間おきに20gのタンパク質を摂取することです。バルクアップをしたいのであればタンパク質を体重×2g以上摂取することが大切と説明しましたが、必要量を一気に摂取しても意味がありません。
なぜなら、一度に吸収できるタンパク質摂取量は限度があるからです。つまりたくさん摂取したからといってすべて吸収されるわけではないため、大半が無駄になってしかう可能性があるのです
そこで筋肥大を最大化させるためにも、一回に摂取する量とタイミングを重視しましょう。
具体的には、3~4時間おきに20gのタンパク質を摂取するのが一番効果が高いとされています。
これは実際にAretaら2)によって行われた実験によって証明されています。
同実験では以下のようにタンパク質摂取のタイミングをずらしたグループを3つ用意し、それぞれのグループの筋タンパク質合成率を測定しました。
②トレーニング後に20gのプロテインを摂取し、その後3時間おきに同量のプロテインを摂取したグループ
③トレーニング後に10gのプロテインを摂取し、その後1.5時間おきに同量のプロテインを摂取したグループ
どのグループもプロテインの合計摂取量は同じ80gですが、結果として②番のグループが優位に筋タンパク質の合成率が高かったと報告されています。
筋トレ後にプロテインを摂取することを重視している方は多いですが、トレーニング後24時間は筋合成率が高まるとされているため、定期的なタンパク質摂取を心がけましょう。
同実験では3~4時間おきにプロテインを摂取していますが、実際は固形物の摂取が入ってくるため、あくまで足りない分をプロテインで補うようにしてください。
体重70kgの方は以下のようなイメージです。(1日における必要タンパク質量140g)
・12:00 肉200g(タンパク質40g)
・15:00 プロテイン1杯(タンパク質20g)
・19:00 肉150g(タンパク質30g)
・22:00 プロテイン1杯(タンパク質20g)
1-4. 総摂取カロリーの50%を目安に糖質を摂取
続いて4つ目が、総摂取カロリーの50%を目安に糖質を摂取することです。バルクアップにはタンパク質だけでなく、糖質の摂取も欠かせません。
なぜなら、体内に糖質が不足している状態でトレーニングを行なってしまうと筋肉の分解が促進されるからです。
さらに糖質はトレーニング時に使用するエネルギー源であるグリコーゲンの材料となるため、糖質をしっかり摂取することで質の高いトレーニングを行うことができます。
具体的な糖質摂取量の目安は後ほど詳しく説明しますが、総摂取カロリーの50%以上は摂取するように心がけてください。
1-5. 水分を3リットル以上飲む
最後5つ目が、毎日3リットル以上の水分を摂取することです。あまり重要視をされていませんが、水はカラダにとってもっとも大切な栄養素といっても過言ではありません。
なぜなら体内で行われる化学反応にはすべて水が関係しているからです。これには筋合成や脂肪分解などボディメイクに欠かせないものも含まれているため、水が不足しているということはバルクアップの効率を下げることを意味しています。
汗や尿などを含めると1日に2リットル近くの水分が体内から排出されているため、最低でも同量は摂取するようにしてください。
日頃からトレーニングをしている方の場合は、さらに水分が必要なため理想は3リットル以上摂取できるのが好ましいです。
私自身は最低でも毎日4リットル以上の水分を補給しているため、意識して水を飲む習慣を身につけましょう。
また、水も一気に飲むのではなく20分おきなどこまめに摂取するようにしてください。
私自身はトレーニング中に2リットル、残り2リットルを一日かけてこまめに摂取しています。
2. 摂取タイミングを逃した場合はどこかで帳尻を合わせよう
1章で3~4時間おきにタンパク質を20gずつ摂取するべきと説明しましたが、中には仕事が忙しくてタンパク質をこまめに摂取できないという方もいるかと思います。
その場合は、次のタイミングで一気に摂るなど1日における総摂取量に帳尻を合わせるようにしましょう。
もちろん一度に吸収できるタンパク質量は決まっているためたくさん摂取したからといって効果があるわけではありません。
しかし、十分なタンパク質量が摂れていないとバルクアップはできないため足りないよりは総量で合わせたほうがいいと考えています。
この考えに関しては、次章で紹介する総摂取カロリーに関しても同じです。
タンパク質量もカロリーも、一番問題なのは規定量を下回ることだと覚えておきましょう。
3. 効率よくバルクアップを行うための摂取カロリーとは
続いて、効率よくバルクアップを行うためにはどれくらいのカロリーが必要かを説明していきます。体重や活動量によって必要な摂取カロリーが異なりますので、まずはこれから紹介する方法で自分がどれだけ食べればいいかを把握しておきましょう。
3-1. リーンバルクを行おう
具体的な摂取カロリーを説明していく前に、まずはどのバルクアップ方法がおすすめかを説明していきます。
実はバルクアップには
②クリーンバルク(タンパク質摂取量を守り、なおかつなるべく良質な食材からオーバーカロリーにする)
③リーンバルク(タンパク質摂取量だけでなく必要カロリーから糖質・脂質の摂取量も細かく設定し、なおかつ良質な食材から栄養素を摂取する)
の3種類があるのですが、効率よく筋肉をつけたいのであれば③のリーンバルクを行うべきです。
リーンバルク以外のバルクアップ方法は摂取カロリーの上限を設定しないため、カロリーを摂りすぎてしまう可能性があります。
いくらバルクアップ中だからといっても、必要以上にカロリーを摂取すると脂肪が蓄えられてしまい筋肥大の効率が下がるため、しっかりと計算をするべきです。
これからあなたがどの栄養素をどれだけ摂取すれば効率よくバルクアップをできるのかを解説していきますので、この機会に一度計算をしてみましょう。
3-2. バルクアップ時に必要なカロリーは消費カロリー×1.2
1日にどれだけカロリーを摂取すればなるべく脂肪をつけずに筋肉をつけられるかというと、1日の消費カロリー×1.2kcalです。
つまり、必要な摂取カロリーを求めるためにも1日にどれだけカロリーを消費しているかを把握する必要があります。
簡単にまとめると、バルクアップに必要な摂取カロリーの求め方は以下のようになります。
②基礎代謝に活動量を加味して消費カロリーを算出
③消費カロリー×1.2で1日の摂取カロリーを設定
④求めた摂取カロリーを栄養素毎に振り分け
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-3. 基礎代謝を算出
自分が1日にどれだけカロリーを消費しているかを知るためにも、まずは基礎代謝を知る必要があります。
基礎代謝とは、1日中何もしなくと勝手に消費されていくカロリーのことです。たとえ寝ていたとしても、脳や臓器、筋肉の活動によってエネルギーが消費されていきます。
基礎代謝の求め方はいくつかあるのですが、一番簡単なのが自動に計算してくれる下のようなサイトを利用することです。年齢・身長・体重を入力するだけで基礎代謝を算出してくれますので、ぜひ試してください。
一応計算式も解説しておきます。
男性: 66.4730+13.7516×体重(kg) +5.0033×身長(cm)-6.7550×年齢(歳)
女性: 655.0955+9.5634×体重(kg)+1.8496×身長(cm)-4.6756×年齢(歳)
上記の数値に自分の年齢を入れ込んで計算をすれば基礎代謝を算出することができるます。
たとえば
名前:Rさん
性別:男性
年齢:25歳
身長:170cm
体重:60kg
の方の場合
66.4730+13.7516×60(kg) +5.0033×170(cm)-6.7550×25(歳)=1,573(kcal)となります。
つまり、Rさんの場合は何もしなくとも毎日1,573kcalは勝手に消費されていくというわけです。
3-4. 活動量を加味して1日の消費カロリーを算出
しかし、実際に毎日寝ているだけという人はいません。仕事や家事など、何かしら活動をしているはずです。
そこで、先ほどの基礎代謝に活動量を加味することで、1日における消費カロリーを算出することができます。
とはいえ活動量は仕事内容や習慣的な運動の有無によって異なるため、大まかに3つのレベルにわけて考えることができます。
自分が以下のどのレベルに当てはまるかを考えてみましょう。
・活動レベル1=1週間に1~3時間運動をしている人の活動代謝: 基礎代謝×1.2
・活動レベル2=1週間に4~6時間運動をしている人の活動代謝: 基礎代謝×1.35
・活動レベル3=1週間に6時間よりも多くの時間運動している人の活動代謝:基礎代謝×1.5
たとえば先ほどのRさんは週に3日ジムに通ってハードなウェイトトレーニングを行なっていたとします。
活動レベルが3に該当するため、先ほど出した基礎代謝(1,573kcal)に1.5をかけることで消費カロリーを算出できます。
つまりRさんの1日における消費カロリーは
1,573×1.5=2359.5(kcal)
となります。
Rさんは毎日2,359.5kcalを摂取していれば痩せることも太ることもなく現状を維持することができるというわけです。
バルクアップをするためには消費カロリー×1.2をすればいいわけですので、
2359.5×1.2=2,831.4(kcal)
毎日約2,831lcalを摂取すればなるべく脂肪をつけずに筋肉量を増やしていくことができます。
3-5. PFCバランスは
1日の摂取カロリーがわかったら、あとはどの栄養素を何g摂取するかを振り分けていきます。リーンバルクに最適なPFCバランス(タンパク質・脂質・糖質)は4:4:2とされています。
ちなみにそれぞれの役割としては
・P(タンパク質)=筋肉の材料となる 1gあたり4kcal
・F(脂質)=ホルモン分泌や脂肪燃焼に必須 1gあたり9kcal
・C(炭水化物)=身体を動かすエネルギー源となる 1gあたり4kcal
があるため、バランスよく摂取することが大切です。
リーンバルク時におけるPFCバランスは以下の3ステップで求めましょう。
②F(脂質)は総摂取カロリーの20~25%
③C(炭水化物)は総摂取カロリーから①と②を引いた数値
これを先ほどのRさん(摂取カロリー:2,831kcal)の例で考えると
②F(脂質)は総摂取カロリーの20~25%=80g
③C(炭水化物)は総摂取カロリーから①と②を引いた数値=407g
4. バルクアップ中の食事具体例
バルクアップをするためにどの栄養素をどれだけ摂取すればいいかを理解できても、実際に何を食べればいいか迷っている方は多いと思います。
そこで、実際に私がバルクアップ 期間に実践している食事の内容を先ほどのRさんのPFCバランスを考慮しながら紹介していきます。
1日の総摂取カロリー 2,831lcal
PFCバランス
・P 120g
・F 80g
・C 407g
よりクリーンにバルクアップをしたいのであれば、基本的には自炊をおすすめします。コンビニや外食では正確にPFCが測りにくく、添加物なども含まれているからです。
基本的には私も自炊ですので、実際に食べているものや時間帯を紹介していきます。
②12:00 牛モモ肉200g 白米200g サラダ
③15:00 鯖缶
④17:00 プロテイン 大福1個
⑤18:00 トレーニング マルトデキストリン
⑥20:00 鶏胸肉100g 白米200g サラダ
⑦23:00 プロテイン
5. バルクアップ中の食事は進捗によって調整しよう
今まで紹介してきた摂取カロリーの計算方法や具体的な食事例は、あくまで数式で出した数値ですので実際には異なる可能性もあります。
そこで、バルクアップを行うときは体重を測定しながらその都度食事を調整してください。
例えば計算した一日の消費カロリーよりも明らかに多く食べているのに体重が増えない場合は、実際の消費カロリーと誤差が生じている可能性があります。
食べる量を増やして対応しましょう。具体的な目安としては、1ヶ月で体重の5%を目安に増えていればバルクアップが順調だと認識して構いません。
例えば体重が60kgの場合、
1月に増える目安は3kg
1週間に増える目安は750gとなります。
1週間単位で上記の数値をクリアしていない場合は、PFCバランスを意識しながら摂取カロリーを増やすようにしましょう。
まとめ
今回はバルクアップを効率よく成功させるために欠かせない食事の摂取方法に関して解説してきました。
今までとにかくカロリーを摂取することだけを意識していた方は、改めて自分に適切な摂取カロリーとPFCバランスを計算してみてください。
また、バルクアップには食事だけでなくトレーニングと休養も欠かせない要素ですので併せて意識しましょう。
参考文献
1)https://brighterworld.mcmaster.ca/articles/myth-busted-researchers-show-that-a-high-protein-diet-does-not-affect-kidney-function/
2)Areta JL(2013) et al. Timing and distribution of protein ingestion during prolonged recovery from resistance exercise alters myofibrillar protein synthesis. J Physiol.
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