コンセントレーションカールの基本情報と効果的なトレーニングのための4つのポイント

「コンセントレーションカールってどこを狙うの?」「コンセントレーションカールとプリ―チャーカールとの違いは?」「コンセントレーションカールと他の種目との組み合わせは?」

コンセントレーションカールに関する疑問はさまざまです。

この記事ではコンセントレーションカールの基本情報、理想的な動作、さらに効果的なトレーニングのための4つのポイントを紹介しています。

ぜひ、参考にしてみてください。

1.コンセントレーションカールとは

コンセントレーションカールは、ベンチに腰を掛けた状態で肘を太ももの内側で固定して行うダンベルカールの名称です。

コンセントレーションカールは上腕二頭筋を鍛える種目の中でも、収縮のときに強い刺激が入るコントラクト種目と呼ばれる種目で、上腕二頭筋のトレーニングの最後に行われることが多い種目です。

1ー1.コンセントレーションカールは収縮するときに刺激が入る種目

コンセントレーションカールは、上腕二頭筋のトレーニングの中でも筋肉が収縮するときに刺激が入りやすい種目です。なので、上腕二頭筋を強く収縮させることができないような重量は扱うべきではありません。そういう意味でバーベルカールや通常のダンベルカールとは違います。

また、同じ上腕二頭筋の種目で比較的軽めの重量を扱う種目であるインクラインダンベルカールとは刺激が入るタイミングが違います。

インクラインダンベルカールは筋肉が伸長しているときに強い刺激が入るので、コンセントレーションカールとは正反対の性質を持っています。

1ー2.コンセントレーションカールは上腕二頭筋短頭を集中的に鍛えることができる

コンセントレーションカールは上腕二頭筋の短頭を鍛えることができる貴重な種目です。

コンセントレーションカールでは、まっすぐ持ち上げると上腕二頭筋の長頭に、フィニッシュポジションで小指が上に来るようにして捻りをつけて持ち上げると、上腕二頭筋の短頭に刺激を与えることができる特殊な種目です。

コンセントレーションカールと性質が似ている種目で、プリ―チャーカールというものがあります。プリ―チャーカールはコンセントレーションカールとは上腕二頭筋が収縮しているときに強い刺激が入る点では共通していますが、プリ―チャーカールは動作に捻りを加えることはできません。

なぜなら、プリ―チャーカールは身体とダンベルの間にベンチを挟むので、身体とダンベルの距離が生まれてしまい、捻りを加えることで肩や肘のストレスが必要以上に大きくなってしまうからです。コンセントレーションカールだと身体とダンベルの距離が近いので、捻っても肩や肘のストレスはそれほど大きくありません。

1ー3.コンセントレーションカールは腕にこだわりたい人のための種目

コンセントレーションカールは上腕部に強いこだわりを持っている人のための種目です。特に腕を横から見たときの迫力を出したい人は上腕二頭筋の短頭の筋肉量を増やせばいいので、コンセントレーションカールをやり込むことで横から見た腕の迫力を出すことができます。

ただ、コンセントレーションカールは色々制約が多い種目でもあります。ベンチが必要だったり、片方ずつ行う種目なのである程度の時間の確保が必要だったりします。なので、コンセントレーションカールは上腕部を逞しくすることが最優先な人向けの種目であり、運動選手やトレーニング時間の確保がきびしい人向けの種目ではありません。

2.コンセントレーションカールの理想的な動作

コンセントレーションカールの基本情報を理解したところで、コンセントレーションカールの理想的な動作を解説していきます。

2ー1.コンセントレーションカールのセッティングでの3つのポイント

コンセントレーションカールは名前のとおり集中して行う種目です。セッティングがしっかりしていないと集中することができません。セッティングでのポイントを解説します。

2ー1ー1.ベンチの中央に大きく脚を開いて座る

コンセントレーションカールを行う前に最初にすることは、ベンチの中央に大きく脚を開いて座ることです。
ベンチの中央に座ることで身体を安定させやすくすることができ、大きく脚を開いて座ることでダンベルの軌道をさえぎらないようにすることができます。

2ー1ー2.足の裏を踏ん張りやすいところに置く

効果的なコンセントレーションカールを行うためにベンチに座ってからまずすべきことは、足の裏を踏ん張りやすいところに置くことです。足が踏ん張れない状態で集中させることはできません。安定したフォームで行うためにも、足の裏を踏ん張りやすいところに置くようにしましょう。

2ー1ー3.手を太ももの上に置いてからダンベルを持つ

コンセントレーションカールのセッティングをするときは、手を太ももの上に置いてからダンベルを持つようにしましょう。手を太ももの上に置くことで上体やダンベルの重さを腰だけで受け止めることを防ぐことができます。また、太ももの上に手を置くことで上体の前傾をキープしやすくなり、フォームが安定させやすくなります。

2ー2.コンセントレーションカールのスタートポジションでの3つのポイント

コンセントレーションカールでのスタートポジションを正しく設定することで、関節への不要なストレスを取り除くことができます。

2ー2ー1.腰への負担を減らすために股関節を使って上体を前傾させる

コンセントレーションカールを行うとき、できる限り股関節を使って上体を前傾させて行うようにしましょう。

コンセントレーションカールでよくあるのが、腕よりも腰が先に疲れてしまうことです。これは腰を丸めた状態でコンセントレーションカールをしていることにより起こるものです。

腰の負担を減らすために股関節を使って上体を前傾させて行うようにしましょう。腰骨を太ももに押し付けるように行うとやりやすいのでおすすめです。

2ー2ー2.肘をゆるく曲げた状態で太ももの内側に肘を置く

コンセントレーションカールのスタートポジションを設定するとき、肘をゆるく曲げた状態で太ももの内側に肘を置くようにしましょう。太ももの上に肘を置いてしまうと肘が食い込んだり肘が滑ってしまったりするので、二の腕を太ももの内側につけて行いましょう。股関節と膝の中間地点あたりがおさまりやすいのでおすすめです。

また、肘を伸ばした状態で固定してしまうと、肩や肘のストレスを大きくなり過ぎてしまうので、肘をゆるく曲げた状態からコンセントレーションカールを行うようにしましょう。

2ー2ー3.ダンベルの軌道をさえぎるものがないか確認する

コンセントレーションカールの動作を始める直前に、ダンベルの軌道をさえぎるものがないかを再度確認するようにしましょう。ベンチに座るときに脚を広げるようにはしていますが、動作を行う前に念のためにダンベルの軌道をさえぎるものがないかを確認するようにしましょう。

2ー3.コンセントレーションカールのフィニッシュポジション

コンセントレーションカールのフィニッシュポジションは鍛えたい部位によって変わります。鍛えたい部位ごとのフィニッシュポジションについて解説します。

2ー3ー1.上腕二頭筋長頭メインの場合

コンセントレーションカールで上腕二頭筋の長頭を鍛えるときは、前腕の向きを変えずに行うようにしましょう。イメージとしてはまっすぐ持ち上げるようにすることで、上腕二頭筋の長頭を鍛えることができます。また、コンセントレーションカールはコントラクト種目なので、収縮する感覚を強く持つようにしましょう。

2ー3ー2.上腕二頭筋短頭メインの場合

コンセントレーションカールで上腕二頭筋の短頭を鍛えるときは、小指が一番高くなるようにして前腕を捻って行うようにしましょう。イメージは力こぶを絞り込むようにすることで上腕二頭筋の短頭を鍛えることができます。上腕二頭筋の短頭を鍛えるときは特に収縮する感覚を強く持ちましょう。

3.コンセントレーションカールで鍛えることができる部位

コンセントレーションカールで鍛えることができる部位はおもに上腕部です。上腕部の筋肉について解説します。

3ー1.力こぶの横の広がりをつくる上腕二頭筋短頭

捻りを加えたコンセントレーションカールでは上腕二頭筋の短頭をメインを鍛えることができます。上腕二頭筋の短頭は力こぶの横の広がりをつくるのに必要な筋肉です。上腕二頭筋の短頭を鍛えることで横から見た腕の印象を大きく変えることができます。

3ー2.力こぶのトップをつくる上腕二頭筋長頭

まっすぐ持ち上げて行うコンセントレーションカールでは上腕二頭筋の長頭をメインに鍛えることができます。上腕二頭筋の長頭は力こぶのトップをつくるのに必要な筋肉です。上腕二頭筋の長頭を鍛えることで立体的な腕をつくることができます。

3ー3.上腕部を芯から太くする上腕筋

肘を曲げる動作を行うことで上腕筋も鍛えることができます。特にコンセントレーションカールは上腕部を固定して行う種目なので、上腕筋への負荷が他の種目よりも来やすいという特徴があります。上腕筋は上腕二頭筋よりも深いところにある筋肉なので、発達することで力こぶを強調することができます。

4.コンセントレーションカールをさらに効果的に行うための4つのポイント

コンセントレーションカールをさらに効果的に行うためのポイントについて解説します。

4ー1.ダンベルの真ん中を持つ

コンセントレーションカールを行うときはダンベルの真ん中を持つようにしましょう。手首の真ん中とダンベルの真ん中が合うようにグリップを握るようにしましょう。ダンベルの真ん中を持つことで不必要な前腕の疲れを取り除くことができるようになります。

4ー2.小指からダンベルを握り手の甲から前腕が一直線になるようにする

コンセントレーションカールを行うときは、小指からグリップを握り手の甲から前腕までを一直線になるようにしましょう。コンセントレーションカールで起こりやすいミスのひとつに手首をこねてしまって手首が疲れてしまうことが挙げられます。手首を決まった角度に固定することで手首のストレスを軽減することができます。

4ー3.もう片方の手でアシストする

コンセントレーションカールの強みのひとつに、もう片方の手でアシストをすることができることが挙げられます。セットの最後のほうに筋肉が強く収縮ができなくなったところで、ダンベルを持っているほうの手の甲を軽く押してアシストすることで筋肉を強く収縮させることができます。

当然、太ももの上に置いている手を外すことになるので腰の負担は増えます。腰に不安がある人に関しては覚悟して行う必要があるでしょう。

4ー4.事前にインクラインダンベルカールをしておく

コンセントレーションカールを行う前にインクラインダンベルカールを行うことで、コンセントレーションカールの効果を高めることができます。インクラインダンベルカールでは上腕二頭筋が伸びた状態で刺激が入っており、コンセントレーションカールを行う前の状態としては理想的な状態です。

インクラインダンベルカールからコンセントレーションカールというような流れで行うと上腕部の筋肉をより効果的に鍛えることができます。

5.まとめ

コンセントレーションカールを効果的に行うためには、とにかく収縮する感覚を大事にすることが大事です。

収縮する感覚を妨げるようなものを排除することで、コンセントレーションカールはうまくいくようになります。高重量のダンベルを振り回すなんてのはもってのほかです。

コンセントレーションカールに関しては、収縮するというよりも「絞り切る」という表現のほうが適当かと思います。それでは、上腕二頭筋を絞り切ってより逞しい腕を身につけてください。応援しています。

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編集長プロフィール

Bulkup theory編集長

Bulkup theory編集長

私は現在、IT企業で働きながら競技者としても活動していますが、本業が忙しい中で競技者として活動するためには「効果的で効率的な筋トレ」が非常に重要になってきます。このメディアでは現役の選手やパーソナルトレーナーと共に「最小限の努力で最大の成果」をモットーに高い成果を実現するための筋トレ情報を可能な限り科学的根拠を持って発信していきます。