シュラッグは肩周りの筋肉を鍛えることが出来る!シュラッグの目的ややり方を徹底解説!

背中

僧帽筋を鍛えるトレーニングにはいくつかの方法がありますが、ピンポイントで鍛えるには、シュラッグというトレーニング方法があります。

このシュラッグは、僧帽筋に効かせるためのアイソレーション種目であり、僧帽筋上部と中部を鍛えるのに有効です。

シュラッグを行うことで、隆起した背中を手に入れることが出来ます。

本記事では、このシュラッグについて詳しく解説します。

1.シュラッグとは?

シュラッグは、ダンベルやバーベルを用いて肩をすくめる動作によって、僧帽筋上部や中部を鍛えるトレーニング種目です。

1-1.シュラッグは僧帽筋を鍛えるのには最も効果的なトレーニング

シュラッグは、肩をすくめる動作によって僧帽筋上部と中部を鍛えるアイソレーション種目です。

僧帽筋上部は、肩甲骨の引き上げ動作に関与し、僧帽筋中部は、肩甲骨を引き寄せる動作に関与します。

Lars L Andersen et al. 1)によれば、シュラッグはアップライトローやワンハンドロー、バックプレスといった僧帽筋を鍛えることの出来る種目の中でも最も僧帽筋の活動電位が高いことを報告しています。

つまり、僧帽筋を鍛えるのであれば、シュラッグは最も有効なトレーニングであることが言えます。

1-2.シュラッグで隆起した背中を手に入れろ

シュラッグで僧帽筋を鍛えることのメリットとしては、隆起した背中を手に入れることが出来ることです。

僧帽筋は、背中の筋肉の中でも広背筋の次に大きな筋肉です。特に僧帽筋は、上背部のほとんどを占めていることから大きな背中を手に入れるためには、僧帽筋のトレーニングが欠かせません。

また、姿勢とも関連した筋肉で、猫背の人は僧帽筋を鍛えることで背筋が伸びます。

1-3.シュラッグはダンベルとバーベルで行うことが出来る

シュラッグはダンベルやバーベルでも動作を行うことが出来ます。

トレーニングジムなどに高重量のダンベルがある場合には、ダンベルで行うことをおすすめします。ダンベルで行ったほうが、太ももにバーが当たらないのでスムーズに動作を行うことが出来ます。

ただし、あまり高重量を取り扱わない場合や、ダンベルだとやりにくい場合、初心者の場合にはバーベルシュラッグがおすすめです。

ダンベルは、可動域が広くとれるものの、ダンベルをうまくコントロールしながら行わなければなりません。このことから、あまり筋力が発達していない初心者の場合には、うまく僧帽筋に効かせられないためです。

バーベルで行う場合には、太ももに沿わせて行うことが出来るため僧帽筋に効かせやすいです。

1-4.シュラッグは僧帽筋上部や中部をピンポイントで鍛えることが出来る唯一の種目

シュラッグは、僧帽筋を鍛える上では、最も活動電位が高い効果的なトレーニングです。この種目は、アップライトローやワンハンドローといった種目とは異なり、アイソレーション種目(単関節種目)です。

このため、関節への負担は非常に少なく、僧帽筋をピンポイントで刺激することが出来ます。

僧帽筋だけをトレーニングする種目はシュラッグ以外にはありません。

2.バーベルシュラッグの手順

本項ではバーベルシュラッグの手順について説明します。

2-1.ラックの位置は太ももの真ん中より少しあたりにセットする

バーベルシュラッグでは、パワーラックを使ってトレーニングを行うことをお勧めします。

なぜならば、スミスマシンでは、軌道が限定されてしまいますし、床にバーベルを置いた場合には、持ち上げなければなりません。

ラックをセットする位置としては、太ももの真ん中よりも少し上あたりに来るようにすると、トレーニングを終えた後でも戻しやすいです。

2-2.バーベルシュラッグの手幅は肩幅の1.2倍程度

バーベルシュラッグを行う場合の手幅は、肩幅の1.2倍程度にしましょう。

手幅を広げすぎると僧帽筋に効かせにくく、手幅を狭めてしまうとやりにくくなってしまいます。

2-3.バーベルシュラッグの足幅は肩幅程度

バーベルシュラッグを行う場合の足幅は肩幅程度にし、つま先は少し外側に向けましょう。

バーベルシュラッグでは、体幹を固定して行うことが重要であるため、自分が最もバランスがとりやすいポジションで行うのがベストです。

2-4.胸を少し閉じる

バーベルを持ち上げたら、実際のトレーニングを始めますが、この時の姿勢としては、胸を少し閉じるようにして行いましょう。

こうすることによって、僧帽筋上部だけではなく、僧帽筋中部の収縮も効かせることが出来るため、バランスよくトレーニングを行うことが出来ます。

また、動作は太ももに沿わせて擦るようにバーベルを挙げる事で安定した軌道を描くことが出来るため、僧帽筋を効果的に刺激出来ます。

2-5.息を吐きながら肩をすくめる

バーベルシュラッグでは、息を吐きながら肩をすくめましょう。多くのトレーニングでは、力を入れる時に息を吐き、抜くときに息を吸います。

力を入れる時に息を吐くことによって、血圧を急激に上昇させることなく筋肉を収縮させることが出来ます。

血圧が急激に上昇してしまうと、体への負担が非常に大きくなってしまいます。特に血圧が高い人においては、危険な状態に陥る危険性もあります。

こういった状態にならないためにも、バーベルシュラッグでは、息を吐きながら肩をすくめましょう。

2-6.息を吸いながらゆっくりと肩を降ろす

息を吐きながら肩をすくめたら、すくめた状態で少しホールドし、ゆっくりと降ろしましょう。

初心者であれば、肩をすくめた速度と同じ速度で降ろすと、負担は少なくなりますが、ある程度筋肉がついている中級者以上であれば、肩をすくめた速度の倍の速度で降ろすことを意識しましょう。

すくめるのに1秒から2秒程度かかったのであれば、2秒から4秒程度で降ろすことで、僧帽筋を効果的に刺激することが出来ます。

3.バーベルシュラッグのバリエーション

レンジを狭くする

僧帽筋は肩甲骨や肩関節の様々な動作に関わっています。そのため、僧帽筋の動きには上部・中部それぞれ役割が異なり、バーベルシュラッグで僧帽筋上部や中部にピンポイントで効かせるためには、バリエーションをもたせる必要があります。

3-1.直立して行うと僧帽筋にバランスよく効く

バーベルシュラッグで直立して行う場合には、僧帽筋をバランスよく刺激をすることが出来ます

直立して行うバーベルシュラッグでは太ももに沿わせてバーベルを挙げることと、胸を少し閉じて行うことによって、僧帽筋上部と中部に効かせることが出来ます。

直立した姿勢でのバーベルシュラッグでは、胸を張って行うと僧帽筋上部に刺激が入りやすくなります。

3-2.前傾して行うと僧帽筋中部に効く

シュラッグは、少し前傾した姿勢で行うと僧帽筋中部に効く種目になります。

前傾した姿勢になると、肩甲骨の引き上げ動作よりも、引き寄せ動作のほうがメインの動きになることで、僧帽筋中部の働きが活発になります。

前傾の角度としては、45度から60度程度で行うと、肩甲骨の引き寄せ動作は行いやすくなります。

イメージとしてはベントオーバーローのような形です。ただし、この際には肘関節は動かさずに肩をすくめることと肩甲骨を引き寄せることがポイントです。

3-3.リバースシュラッグで僧帽筋上部に効かせる

リバースシュラッグは、僧帽筋上部に強い負荷がかかります。

やり方としては、バーベルを体の後ろ側で持ち、シュラッグを行います。

この際には、バーベルがお尻に当たらないように、腰を前に出し行うことと、肘関節を補助的に用いて動作を行うことがポイントです。

4.ダンベルシュラッグの手順

ダンベルシュラッグは、バーベルシュラッグと基本的な動作は同じですが、ダンベルの位置をコントロールしながら行う必要があります。

4-1.ダンベルシュラッグでは狙いたい部位に合わせてダンベルを持つ

ダンベルシュラッグでは、バーベルと比べて制限が少ないです。そのため、狙いたい部位に合わせてダンベルを持ちます。

例えば、上部と中部に刺激を入れたい場合には、体の横でダンベルを持ちシュラッグを行います。

上部だけに効かせたい場合には、体の後ろ側でダンベルを持ちます。中部をメインで効かせたい場合には、前傾姿勢になり、体の前でダンベルを持ちシュラッグを行うといった使い分けが必要です。

自分が狙いたい部位に合わせてダンベルを持ちましょう。

4-2.ダンベルをコントロールしながら挙げる

ダンベルでシュラッグを行う際にも、息を吐きながらダンベルを挙げましょう。この時に意識するポイントとしては、肩をどの方向にすくめるかという事です。

肩を後ろに引くようにダンベルをコントロールすると、僧帽筋中部に刺激が入りやすい一方で、肩を真上に引くようにダンベルをコントロールすると僧帽筋上部に刺激が入りやすくなります。

重要なポイントは、ダンベルの軌道が左右バラバラにならないようにコントロールすることです。

4-3.ダンベルをコントロールしながら降ろす

ダンベルシュラッグにおいては、降ろす動作も重要です。

バーベルのように太ももに沿わせて行うわけではないため、軌道によっては僧帽筋に効きにくくなるためです。

ダンベルを降ろす際もダンベルをコントロールし、僧帽筋上部または僧帽筋中部にストレッチを効かせるようにすると効果的です。

5.シュラッグのポイント

シュラッグには下記のようなポイントがあります。

5-1.腕を使わず肘を伸ばした状態で行う

シュラッグでの1つ目のポイントとしては、腕を使わずに肘を伸ばした状態で行うことです。

腕の力を使ってしまうと僧帽筋への刺激は小さくなってしまい、上腕二頭筋や三頭筋にも刺激が分散してしまいます。

必ず肘を伸ばした状態で行うようにしましょう。

ただしリバースシュラッグや後方位置でのダンベルシュラッグは、肘を補助的に用います。

5-2.初心者は同じ速さで動作を行う

リバースシュラッグは、伸張性の収縮と短縮性の収縮のどちらも意識することが重要です。

このことから動作の速度は重要であるため、初心者であれば3秒かけて挙げて3秒かけて降ろすといった同じ速度での動作をおすすめします。

同じ速度での動作は、怪我のリスクを減らすことにつながるため、筋肉があまり発達していない初心者には重要なポイントです。

5-3.中級者以上は素早く引き上げてゆっくり降ろす

筋トレ中級者以上であれば、素早く引き上げてゆっくりと降ろすことで伸張性収縮と短縮性収縮をどちらも行えるため、効果的なシュラッグを行うことが出来ます。

2秒程度で引き上げて4秒程度で降ろすといったように引き上げる速度の倍の時間で降ろすことを意識することでトレーニング負荷は大きくなります。

5-4.高重量を取り扱う場合にはストラップを必ず使いましょう

シュラッグは、かなりの高重量を取り扱うことが出来ます。特にバーベルで高重量を取り扱う際には、必ずストラップを使うようにしましょう。

ストラップを使うことで、補助的に使う筋肉の活動を妨げることが出来るため、僧帽筋に強く刺激を与えることが出来ます。

5-5.股間にバーベルが当たる場合には少し腰を引きましょう

バーベルシュラッグでは、男性の場合股間にバーベルがこすれる時があります。そういった場合には、腰を少し引きながら行うことによって改善します。

ただし取り扱う重量としては少し下がるため、シュラッグで持ち上がる重量よりは軽く設定しましょう。

6.まとめ

シュラッグは、ダンベルやバーベルを用いて肩をすくめる動作で僧帽筋を鍛える事が出来る種目です。

シュラッグは、僧帽筋上部・中部にピンポイントで効かせられる種目で、僧帽筋を鍛える種目の中では最も筋肉の活動電位が大きいため効果的です。

高重量のダンベルがあれば、ダンベルシュラッグを行うことをおすすめしますが、高重量のダンベルが無い場合や初心者にはバーベルシュラッグをおすすめします。

バーベルシュラッグもダンベルシュラッグも手順としてはシンプルであるものの、効果的に行うためにはいくつかのポイントがあります。

また、シュラッグは僧帽筋上部に多くの刺激を入れたい場合や中部に入れたい場合などバリエーションの幅もある種目です。

これらを覚えて、隆起した背中を手に入れるシュラッグに取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

引用参考文献

1)Lars L Amdersen, Michael Kjær, Christoffer H Andersen, Peter B Hansen, Mette K Zebis, Klaus Hansen, Gisela Sjøgaard(2008).Muscle Activation During Selected Strength Exercises in Women With Chronic Neck Muscle Pain, Physical Therapy 88(6):03-711.

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編集長プロフィール

Bulkup theory編集長

Bulkup theory編集長

私は現在、IT企業で働きながら競技者としても活動していますが、本業が忙しい中で競技者として活動するためには「効果的で効率的な筋トレ」が非常に重要になってきます。このメディアでは現役の選手やパーソナルトレーナーと共に「最小限の努力で最大の成果」をモットーに高い成果を実現するための筋トレ情報を可能な限り科学的根拠を持って発信していきます。