大きく発達した肩を手に入れろ!効率よく肩を鍛えるためにオススメな種目とメニューを徹底解説

男性ならば誰しも憧れる逆三角形の体。このシルエットを強調するには、肩の発達が欠かせません。しかし、一概に肩の筋トレといってもたくさんのトレーニング種目があり、どれを行えばいいかわかりませんよね。

そこで今回は、効率良く肩を鍛えていくためにオススメな種目やセット数など、トレーニングメニューの組み方を解説していきます。三角筋の鍛え方を正しく理解し、大きく発達した肩を手に入れましょう!

1.大きな肩を手に入れるためには肩の筋肉の構造を理解しよう

高重量

『肩を大きくした!』と思いがむしゃらにトレーニングを行うのも大切ですが、より効率良く筋肉を発達させていくためにはその筋肉がどこ付着しており、どんな役割を果たしているかといった特徴を理解する必要があります。しっかりと肩の構造を知ることで、目的に合わせてトレーニングメニューを組むことができ、結果として最短距離で三角筋を発達させることができます。

そのため、まずは肩の筋肉について解説していきます。

1-1.肩は三角筋と呼ばれる筋肉に覆われている

三角筋

肩は三角筋と呼ばれる筋肉によって覆われており、それぞれ三角筋前部・中部・後部の三種類に分類することができます。そして三種類それぞれが異なる性質を持っているため、三種類を分けて説明していきます。

1-2.迫力のある肩周りを演出!三角筋前部

 

まずは三角筋前部に関して説明していきます。三角筋前部は肩の中でも正面に位置しているため、発達することで前から見た際のボリュームを出すことができます。また、大胸筋とのセパレートがはっきりとしていると、それだけでメリハリのある見た目を演出するポイントとなります。

三角筋前部の起始・停止と役割

三角筋前部は上腕骨から鎖骨の外端1/3に付着しており、この両端を近づけると収縮、遠ざけるとストレッチの刺激を与えることができます。

主な役割としては肩関節の屈曲(上腕を前方に持ち上げる動作)と内旋(手首を親指側に捻る動作)があります。このうち特にわかりやすいのが肩関節の屈曲動作ですが、これはフロントレイズの動作そのものです。手に何ももっていない状態でフロントレイズの動作を行ってみても、三角筋前部に力が入るのがわかるはずです。

1-3.肩幅を広くするために欠かせない!三角筋中部

高重量

続いて三角筋中部に関して説明していきます。三角筋中部はその名の通り肩の真横に付着している筋肉です。そのため発達させることにより物理的に肩幅を広くすることができますし、逆三角形の強調されたシルエットを作るためには特に欠かせない部位です。

三角筋中部の起始・停止と役割

三角筋中部は肩峰から上腕骨まで付着しており、この両端を近づけると収縮、遠ざけるとストレッチの刺激を与えることができます。主な役割としては肩関節の外転(体側にセットした上腕を真横に挙げる動作)であり、これはサイドレイズの動作そのものです。

また、三角筋中部の面白い特徴としては、前部と後部が平行筋なのに対し、中部だけが羽状筋で構成されているという点です。羽状筋は、羽のように筋繊維が配置されているため筋肉の収縮スピードが遅い反面、大きなパワーを発揮することができます。そのため三角筋中部を効率良く発達させるためには高重量・低レップで行うのが良いとされています。

しかし、詳しくは後述しますが三角筋中部で高重量を扱える種目というのは多くありません。そこで大きな三角筋中部を作るためには、種目数や頻度を増やしてボリュームを追う必要があります。

1-4.バランスの良い肩周りを手にいれる!三角筋後部

最後に三角筋後部に関して説明していきます。三角筋後部は肩の真後ろに付着しているため自分でもなかなか見ることができません。そのため三角筋前部や中部に比べるとトレーニングの優先順位、発達度が落ちてしまいます。しかし三角筋後部が発達していないと肩周りのバランスが悪くなってしまいますし、後ろから見た際に全体的にメリハリがなくなってしまいます。

バックポーズでかっこいいシルエットを作りたいのであれば、意識してトレーニングを組む必要があります。

三角筋後部の起始・停止と役割

三角筋後部は肩甲棘下縁(肩甲骨の一部)から上腕骨まで付着しており、この両端を近づけると収縮、遠ざけるとストレッチの刺激を与えることができます。

主な役割としては肩関節の外旋(手首を小指側に捻る動作)、伸展(体側にセットした上腕を後方に動かす動作)、水平外転(外転させた状態で後方に動かす動作)が挙げられます。三角筋後部の役割は前部や中部に比べると分かりづらいですが、肩関節の水平外転はリアレイズの動きそのままです。

 

2.肩のトレーニングではとにかくボリュームが大事!

三角筋前部・中部・後部それぞれの付着部位や起始・停止を理解できたところで、それぞれを実際に鍛えていく際に意識すべきことを説明していきます。

実際に肩のトレーニングメニューを組む際に大事なのは“ボリューム”を意識することです。

なぜなら三角筋の総体積自体は大きい筋肉に分類されますが、実際は前部、中部、後部と3つに分けていくため回復が早いからです。そのため高頻度、高ボリュームでメニューを組むことで短期間で効率よく発達させることができます。

また、基本的にはPOF法(最大負荷がかかるポイントによりミッドレンジ、収縮、ストレッチに分類したトレーニング方法)を利用して構成していますが部位によってはミッドレンジ種目がない、もしくはストレッチがかけづらい、といったこともありえます。

そのような欠点をカバーするためにも、ボリュームを重視していきましょう。

『ボリュームが大事なのはわかったけど具体的にはどんなメニューを行っているの?』

という方のために、実際に私が行っているメニューの一例を紹介していきます。肩の日を設ける、もしくは他の部位と一緒に行うなど状況によって異なりますが、今回は肩の日に行うと仮定します。

《三角筋前部のトレーニング》

・ショルダープレス(バーベル、ダンベル orスミスマシ) 8~12レップ×3セット ※高重量を意識
・Ezバーフロントレイズ 8~12レップ×3セット
・ダンベルフロントレイズ 15~20レップ×3セット
・インクラインフロントレイズ 8~12×3セット

《三角筋中部のトレーニング》

・アーノルドプレス 8~12レップ×3セット※高重量を意識
・サイドレイズ 8~12レップ×3→重量下げて 15~20レップ×2~3セット
・ケーブルサイドレイズ 8~12レップ×3セット
・ライイングサイドレイズ 8~12レップ×3セット

《三角筋後部のトレーニング》

・リアレイズ 8~12レップ×3セット
・インクラインリアレイズ 8~12レップ×3セット
・ケーブルリアレイズ 8~12レップ×3セット重量下げて 15~20レップ×2~3セット
・フェイスプル 8~12レップ×3セット重量下げて 15~20レップ×2~3セット

※インターバル50~60秒程度、所要時間1時間〜1時間半

それぞれの種目の特徴ややり方に関してはこの後紹介していきますが、以上のように種目数またはセット数を増やしてとにかくボリュームを重視しています。

また肩の日を設ける場合は一気に上記の種目を行いますが、胸の日や背中の日にに組み込む場合は『前部と中部』、『後部のみ』といった感じで組み分けています。

3.三角筋前部を鍛える際にオススメのトレーニング種目

実際に三角筋それぞれを鍛える際にオススメの種目を紹介していきます。

まずは三角筋前部のトレーニング種目から見ていきましょう。三角筋前部は肩の種目の中でももっともレパートリーが多い部位です。また、ベンチプレスなどのプレス系の種目でも使用されているため、意識しなくとも自然と発達しているケースもあります。

しかし、やはり本気で三角筋前部を発達させたいのであれば、以下に紹介する種目のようにピンポイントで刺激を与えていきましょう。

3-1.ショルダープレス

バーベルショルダープレスは安定して高重量を扱える

ショルダープレスとは、ダンベルやバーベルなどの重りを頭上に持ち上げることで肩を鍛えていく種目です。

ダンベル、バーベルによってそれぞれメリット・デメリットはあるのですが、ここでは安定して行えるバーベルを利用したショルダープレスを紹介していきます。(ダンベルショルダープレスのリンク挿入)

バーベルショルダープレスの正しいやりかた

  1. ベンチに深く腰掛けてしっかりと胸を張り、バーベルを肩幅で握る。
  2. バーベルを真上に持ち上げるようにしてラックアップする。
  3. 顔のすぐ前を通るようにしてバーベルを顎まで下ろす。
  4. 三角筋のストレッチを感じたら切り返し、また頭上まで押し上げる。
  5. 肘が伸びきる直前でまた下ろしていく。

この動作を繰り返していきます。バーベルショルダープレスのポイントとしては肘を伸ばしきらなきこと、反動を利用しないことが挙げられます。常に三角筋前部に負荷が乗っていることを意識しましょう。

詳しくはバーベルショルダープレスの記事を参考にして見てください

バーベルショルダープレスをマスターして逆三角形を手に入れよう!
逆三角形が強調されたカラダを作るには、肩の筋肉が欠かせません。しかし、肩の筋肉は胸や背中に比べなかなか発達せず悩んでいる方も多いのではないしょうか。そこで今回は肩のトレーニングの代表種目であるバーベルショルダープレスを解説していきます。

バーベルショルダープレスの負荷設定

バーベルショルダープレスの最大のメリットとしては、コンパウンド(多関節)種目かつミッドレンジ種目のため、高重量を扱いやすいという点です。そのため負荷設定の目安としては、自分でギリギリ8〜12回×3セットできる重さを目安にして組みましょう。数ある肩の種目の中でも高重量を扱えるため、ショルダープレスを行う際は重量を意識することが大切です。

3-2.フロントレイズ

続いて、三角筋前部の人気種目であるフロントレイズを紹介していきます。フロントレイズは肩関節の屈曲をそのまま行った単純な動作であり、アイソレーション(単関節)種目のため三角筋前部にピンポイントで効かせることができます。また、フロントレイズはPOF法の中ではコントラクト(収縮)種目に該当します。そのためバーベルショルダープレスとは違った刺激を入れることができます。

フロントレイズの正しいやりかた

  1. 足を肩幅、膝を軽く曲げ、しっかりと胸を張った状態で直立する
  2. その状態で、ダンベルを両手に持って体側にセット※ここがスタートポジション
  3. 両手に持ったダンベルを、地面と平行になるまで上げる※ここがフィニッシュポジション
  4. ダンベルをゆっくりと戻していき、負荷が抜けきる直前で切り返す

この動作を繰り返していきます。

フロントレイズを行う際は、反動を利用しないようにしてください。また、より効果を高めるために、挙上時に肩と顎を近づけることを意識しましょう。この動作を行うと三角筋中部の起始と停止が自然と近づき、より強い収縮感を得ることができます。

また、ダンベル以外にもバーベルやケーブルでも行うことができ流ので、目的に応じてツールを変更して行いましょう。詳しい内容はフロントレイズの記事を参考にしてみてください。

三角筋前部の発達に欠かせない!フロントレイズを徹底解説
誰もが理想とする逆三角形のカラダを作るには、肩の筋肉の発達が欠かせません。今回は肩のトレーニングの代表種目であるフロントレイズに関して解説していきます。また、基本的な情報から正しいフォームや効かせ方のポイントまで徹底的に解説していきます

フロントレイズの負荷設定

フロントレイズも基本的には8~12回を行える重さで最低3セット以上がセオリーです。私が実際に行っている肩のトレーニングの一例でも触れたとおり、フロントレイズはEZバーとダンベルで分けています。これはEZバーでは高重量を扱い、ダンベルでは低重量高レップでパンプ感を狙っています。各2~3セット、計5セットを目安に行い、ここでもやはりボリュームを重視しています。

ただし、無理して高重量を扱ってしまうと反動を使いやすくなってしまうのに加え、肩関節への負担も強まります。高重量を扱うとしても、フォームが崩れない程度の重量設定にしましょう。

3-3.インクラインフロントレイズ

インクラインフロントレイズとは、インクラインベンチを利用して行ううフロントレイズです。通常のフロントレイズは三角筋前部に効いている感じを掴みやすいというメリットがある反面、初動にほとんど負荷がかかっておらずストレッチをかけれないというデメリットがあります。

その課題を解決するためにオススメなのが、インクラインフロントレイズです。角度が付いているベンチに仰向けになってフロントレイズを行うため、スタートポジションからしっかりとストレッチをかけることができます。

インクラインフロントレイズの正しいやりかた

  1. インクラインベンチを60~70度にセットする
  2. 両手にダンベルを持ち、インクラインベンチに仰向けになる※ここがスタートポジション
  3. 三角筋前部へとしっかりとストレッチを感じながら、ゆっくりとダンベルを持ち上げていく
  4. ダンベルが地面と平行より少しに来たら、またゆっくりと下ろしていく

この動作を繰り返していきます。

インクラインフロントレイズのポイントとしては、いかに三角筋前部へとストレッチをかけるかです。初動をなるべくゆっくりと行い、切り返す際は三角筋前部が引っ張られているのを意識しましょう。三角筋前部の種目ではストレッチをかけられる唯一の種目であるため、必ず取り入れたい種目です。私自身も三角筋前部を鍛える際は毎回取り入れています。

インクラインフロントレイズの負荷設定

インクラインフロントレイズは、通常のフロントレイズよりも軽い重量で行いましょう。高重量で行ってしまうと肩のオーバーストレッチにつながり、肩を痛める危険性があります。目安としてはまずは4~6kgで行い、最大でも10kgを限度に行っていきましょう。回数は通常のフロントレイズ同様に8~12回×3セットを目安に行いましょう。

4.三角筋中部を鍛える際にオススメのトレーニング種目

軽く触れたように、三角筋中部は羽状筋のため高重量×低レップで行うことが筋肥大に効果的とされています。しかし、三角筋中部で高重量を扱う種目というのは多くありません。人気な種目としてはアップライトロウがありますが、実はアップライトロウは動作自体が肩関節へ大きな負荷を与えてしまうためあまりオススメできません。

肩は一度怪我をしてしまうと他の種目にも影響を及ぼすため、慎重にトレーニング種目を組む必要があります。そこで怪我のリスクを抑えて三角筋中部を発達させるのにオススメなのが、種目数やセット数を多くして全体のボリュームを増やすという方法です。まずは三角筋中部を鍛える際にオススメな種目を紹介していきます。

4-1.アーノルドプレス

アーノルドプレスとは、アーノルド・シュワルツェネガー氏が考案した肩のトレーニング種目です。三角筋中部だけではなく前部にも刺激が入ってしまうのですが、コンパウンド×ミッドレンジ種目のため、三角筋中部では比較的高重量を扱うことができる種目です。

アーノルドプレスの正しいやりかた

  1. ベンチを70〜80度でセットします。
  2. 両手にダンベルを持ち、べンチに腰掛けます。
  3. ベンチにしっかりと腰掛け、胸を張る。
  4. ダンベルを膝の上に立て、蹴り上げる(オンザニーテクニック)
  5. 手の甲を正面に向け、ダンベルを胸の前で構える。※ここがスタートポジション
  6. 手首を外側に回旋しながら、ダンベルを真上にあげていく。
  7. 手のひらが正面にくるようにしてダンベルを挙上する。※ここがフィニッシュポジション
  8. 手首を内側に回旋しながらスタートポジションまで下ろしていく。

アーノルドプレスのポイントは反動を使わないこと、スタート・フィニッシュポジションで最大収縮とストレッチを意識することです。回旋動作が加わるため筋肉に負荷が乗っている時間が長くなり、しっかりと効かせることができます。三角筋中部に刺激を入れるには、肩関節の外転動作を意識してみましょう。詳しく知りたい場合は、

アーノルドプレスの記事を参考にしてみてください。

大きく丸い肩を作るのに欠かせない!?アーノルドプレスを行うメリットから正しいフォームや効かせ方、ダンベルショルダープレスとの違いまで徹底解説!
『名前は聞いたことがあるけれど実際に試したことがない』もしくは『試してみたけど効いているかイマイチわからない』という方のために、肩のトレーニング種目・アーノルドプレスを行うメリットと正しいフォームやコツまで徹底的に解説していきます。

アーノルドプレスの負荷設定

アーノルドプレスのメリットは、三角筋中部の中でも高重量を扱いやすい種目という点です。三角筋中部では高重量を扱える種目が少ないため、重宝したいトレーニングです。

※アップライトロウでも高重量を扱えますが、怪我のリスクが高いため個人的にはオススメしません。

そのためできるだけ重量を意識し、8~12回×3セットを目安に行いましょう。ただし、通常のダンベルショルダープレスに比べると必要な動作も多いため重量は下がってしまいます。目安としては、普段ダンベルショルダープレスを行っている重量の8割でアーノルドプレスを行うようにしましょう。

(例:ダンベルショルダープレス20kg=アーノルドショルダープレス16kg)

4-2.サイドレイズ

サイドレイズは、三角筋中部の中でもっとも人気な種目と言っても過言ではありません。肩関節を外転させるだけのためわかりやすく、かつ三角筋中部にピンポイントで効かせることができるというメリットがあります。

サイドレイズの正しいやりかた

  1. 足は肩幅に開き、膝を軽く曲げて胸を張る。
  2. 上体を前傾させ、体側にダンベルをセットする。※三角筋中部は斜めに筋肉が付着しているため、前傾姿勢をとることで筋肉と重力の向きが一致します。
  3. この状態から半円を描くようにダンベルを真横に持ち上げていく。
  4. 前腕が地面と平行にる手前で切り返し、ゆっくりと下げていく。
  5. ダンベルが体から少し離れた所(脇の角が約30度)で切り返し、再度持ち上げていきく。

 

サイドレイズを行う際のポイントは、ダンベルを真横にあげること、そして反動を使わないということです。また、ダンベルを肩と平行になるまで持ち上げてしまうと、肩がすくんで僧帽筋への関与が高まってしまいます。そのため地面と平行になる少し手前で切り返していきましょう。サイドレイズに関してより詳しく知りたい場合は、こちらの記事を参考にしてみてください

大きな肩に!サイドレイズの正しいフォームと効かせるポイント
筋トレ初心者から上級者まで大人気のサイドレイズですが、意外にも正しいフォームを理解している人は多くありません。そこで今回はサイドレイズの正しいフォームや利かせ方のポイント、バリエーションを解説していきます。正しいフォームを理解して、効率よく大きな肩を手に入れましょう!

サイドレイズの負荷設定

サイドレイズも、基本的には8〜12回×3セットを目安にセットを組んでいくのがセオリーです。しかし、あまり高重量を扱ってしまうと肩がすくんでしまい、僧帽筋への関与が高まってしまいます。そのため、フォームを重視して軽重量×高レップで行うのもオススメです。

私自身は8~12回ほどできる中重量で3セット、その後に重量を下げて高レップで3セットという感じでセットを組んでいます。もしくは、9キロ×10レップ→7キロ→10レップ→5キロ×10レップで1セットとカウント、これを×3セットのようにドロップセットなどを利用してボリュームを増やしています。

サイドレイズのドロップセット法は、大きな肩で有名な人気フィジーカーのエドワード・加藤選手も実際に取り入れているため、強い刺激を与えることができます。

4-3.ライイングサイドレイズ

ライイングサイドレイズとは、インクラインベンチに横向きに寝た状態で行うサイドレイズです。通常のサイドレイズではスタートポジションでストレッチがかかりません。さらに人体の構造上、トップポジションまで上げると僧帽筋に負荷が逃げるという欠点もあります。こうした課題を解決するためにオススメなのが、ライイングサイドレイズです。

ライイングサイドレイズの正しいやりかた

  1. ベンチを30度〜40度にセットして横向きに寝る。
  2. 下にある手で体幹を安定させ上の手でダンベルを持ち、身体の前方にダンベルセットする。この時に三角筋中部にストレッチがかかっていることを意識する。
  3. ダンベルが身体の側部を通るように外転動作(手を真横に挙げる)を行っていく。
  4. 三角筋中部が収縮したら切り返し、再度ゆっくりと下ろしていく。

この動きを繰り返していきます。

ライイングサイドレイズのポイントとしては、やはり通常のサイドレイズの欠点であるストレッチと収縮感を意識することです。そのため初動はなるべくゆっくりと行い、収縮時には三角筋中部がギューっと収縮することを意識しましょう。

ライイングサイドレイズの負荷設定

ライイングサイドレイズは通常のサイドレイズよりも体幹が固定されているため、扱える重量は下がってしまいます。3kgでもしっかりと効かせることができるため、ゆっくりと丁寧に、ネチネチと効かせていきましょう。回数やセット数に関しては他の三角筋中部の種目同様、ボリュームを意識して行いましょう。

5.三角筋後部を鍛える際にオススメのトレーニング種目

三角筋前部と中部に比べ、三角筋後部はもっとも鍛えるのが難しい部位です。しかし、後部も鍛えることで三角筋全体が発達し、丸みのあるいわゆるメロン肩を手に入れることができます。また、三角筋後部では基本的に高重量を扱えるような種目もないため、軽い重量でネチネチと攻めていきましょう。

5-1.リアレイズ

リアレイズとは前傾姿勢を保ってダンベルを両手に持ち、肩で後ろに引いていくことで三角筋後部に刺激を与えていくトレーニング種目です。三角筋後部の中ではもっともオーソドックスな種目ですが、ピンポイントで上手に効かせるためにはコツが必要です。まずは正しいフォームから見ていきましょう。

リアレイズの正しいやりかた

  1. 両手にダンベルを握り、ベンチに軽く腰掛ける。この時ダンベルはサムレスグリップ(親指は巻かない)にし強く握り込まないようにする。
  2. 上体が地面と平行になるくらいまで前かがみになる。目線はあげずに下を向いた状態をキープ。
  3. 肘を軽く曲げ(120度〜130度)、手の甲を上にした状態で肘を後方に引いていく。
  4. 上腕が地面と垂直になるまで上げ、三角筋後部の収縮を感じたらゆっくりと戻していく。ダンベルの軌道は弧を描くように持ち上げる。
  5. 負荷が抜けきらないところでダンベルを切り返す。

リアレイズのポイントとしては、肩を使って後ろに引いていく点です。腕で引いてしまったり、もしくは僧帽筋へ関与がしやすい種目のため、まずは軽い重量で丁寧に行い、慣れてきてから徐々に重量を上げましょう。

リアレイズの負荷設定

リアレイズはあまり高重量を扱うと、三角筋後部ではなくて僧帽筋を使ってしまいます。そのため6〜8kgのダンベルを使用して動作を行いましょう。

5-2.フェイスプル

フェイスプルとは、ケーブルマシンロープアタットメントを利用して三角筋後部を収縮させる種目です。通常のリアレイズでは三角筋後部に対して収縮感が弱くなってしまいますがリアレイズではケーブルを利用しているため常に三角筋後部へと負荷を乗せ続けることができ、なおかつ収縮感も高めることができます。

フェイスプルの正しいやりかた

  1. ケーブルの位置を自分の肩と同じ場所でセットし、ロープアタッチメントを装着する。
  2. 足を肩幅に開いて直立し、ロープのコブに小指側をつけて手のひらで軽く握りこむ。
  3. 手の甲を上にし、プレートが少し浮いた状態になるまで後ろに下がる。※ここがスタートポジション
  4. 左右のロープを開く意識で肘を外側に開き、顔の近くまで引き寄せていく。
  5. 両手が耳の横に来るまでロープを引ききり、三角筋後部を最大収縮させる。
  6. 三角筋後部に常に負荷を感じながらゆっくりと同じ軌道で戻していき、肘が伸びきる直前で再度切り返す。

フェイスプルのポイントとしては、フィニッシュポジションで三角筋後部がギューっと収縮されている状態で少しキープすることです。また、しっかりと胸を張って肩甲骨を外転(外側に張る)させて固定することも意識してください。注意点としては、動作中に肩甲骨が寄ってしまうことです。肩甲骨が寄ってしまうと三角筋後部ではなく僧帽筋へと負荷が逃げてしまう他ため、肩甲骨は動かなさい意識で行ってください。

より詳しく知りたい場合は、フェイスプルの記事を参考にしてみてください。

フェイスプルの正しいフォームと効果的に三角筋後部に効かせるポイント
逆三角形の体を作るには、肩の筋肉が欠かせません。そこで三角筋のトレーニングを取り入れてみたものの、三角筋後部がなかなか発達せず悩んでいる人は多いのではないでしょうか。今回は三角筋後部を効率よく発達させる種目・フェイスプルを紹介していきます。

フェイスプルの負荷設定

フェイスプルを行う際は、なるべく低重量×高レップで行うことをオススメします。もちろん中重量×8~12レップで行うことも大切ですが、フェイスプルでは重量を上げてしまうと体幹部が支えられず、三角筋後部以外が関与する可能性が高まります。

個人的には、軽い重量(5〜8kg前後)で20~30回ネチネチと行った結果、三角筋後部の発達が感じられるようになりました。

6.肩のトレーニングは最低でも週一、他の部位と組み合わせるのも効果的

今まで肩の部位ごとにオススメなトレーニング種目を紹介してきましたが、大事なのは肩トレの頻度です。どのくらいの頻度で行えばいいかを解説していきます。

肩の筋トレのオススメな取り組み方に関しては2つあるため、それぞれ解説していきます。

まず一つ目が『胸の日』や『背中の日』のように肩の筋トレだけに絞った『肩の日』を作り、なおかつ最低でも週一回は肩の日を設けることです。

今までは他のトレーニングと一緒に行っていた方が多いかもしれませんが、先ほどオススメな種目を紹介してきたように、それぞれの部位ごとにやるべきメニューはたくさんあります。仮に三角筋前・中・後部それぞれに対して3種目を行うと全部で9種目必要であり、1時間以上を要してしまいます。

そのため肩を本気で発達させたいのであれば、集中して肩を鍛える日を設ける必要があります。

フィジークなどのコンテストでは特に肩の発達が重視されるため、週二回以上肩のトレーニングを取り入れている選手も多くいます。まずは週一回以上の頻度で集中手に鍛えましょう。

そして二つ目が、他のトレーニングと一緒に組み合わせる方法です。実際ベンチプレスなどのプレス系では三角筋前部が関与し、ラットプルダウンなどの引く系の種目では三角筋後部に関与しています。

これに合わせて『胸の日』に三角筋前部・中部の種目を取り入れ、『背中の日』に三角筋後部の種目を入れていきます。そうすることでわざわざ肩の日を作る必要がなく、効率的に鍛えていくことができます。また、『肩の日』を作る必要がないということはトレーニングに割ける日が1日増えたということであり、各部位を高頻度で回転させることができます。ただし、先ほど説明したようにある程度の時間はかかってしまいますので、注意しましょう。

個人的な見解としては、短期間で肩を発達させたいのであれば前者のように『肩の日』を作ることがオススメです。集中してトレーニングをすることで、スピーディに肩の変化を実感することができます。そしてある程度肩が発達してきた場合は後者のように振り分け、高頻度で回していきましょう。

 

7.肩のトレーニングでは怪我に注意!!

本文では、肩のトレーニングは高頻度・高ボリュームで行うことが大事だと何度も述べてきました。確かに効率よく成果を出したいのであれば、これは間違いなく重要な要素です。しかし、怪我にだけは気をつけましょう。

三角筋は、肩のトレーニング以外にも使用されており、気づかぬうちに疲労を溜め込んでいます。そのため数ある関節の中でも怪我をしやすく、そして治りづらいという特徴があります。

私自身も右肩を損傷してから半年ほど満足にとレーニンが行えず、ストレスが溜まった経験があります。トレーニング前後のケアを入念にし、少しでも違和感を感じたら決して無理をせず様子を見るようにしてください。

まとめ

今回は肩の筋トレを効率よく成功させるために、三角筋の特徴から前部・中部・後部に合わせてオススメなトレーニング種目と重量設定などを解説してきました。今回紹介してきたように、肩を効率よく発達させたいのであればそれぞれの部位に対してたくさんの種目を取り入れる必要があります。

まずは『肩の日』を作って集中的に鍛え、大きく発達した丸い肩を手に入れましょう!

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編集長プロフィール

Bulkup theory編集長

Bulkup theory編集長

私は現在、IT企業で働きながら競技者としても活動していますが、本業が忙しい中で競技者として活動するためには「効果的で効率的な筋トレ」が非常に重要になってきます。このメディアでは現役の選手やパーソナルトレーナーと共に「最小限の努力で最大の成果」をモットーに高い成果を実現するための筋トレ情報を可能な限り科学的根拠を持って発信していきます。