ルーマニアンデッドリフトの基本的な情報からやるべきメリットまで徹底解説!

「頑張ってハムストリングスを鍛えているのになかなか発達しない」こうした悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

そんな方におすすめなのがルーマニアンデッドリフトと呼ばれる種目です。しかしルーマニアンデッドリフトは難易度も高いため、今回はルーマニアンデッドリフトの基礎的情報から正しいフォーム、実施する際のポイントまでを余すことなく解説していきます。

本稿を読んでルーマニアンデッドリフトを正しく理解し、大きく発達したハムストリングスを手に入れましょう!

1. ルーマニアンデッドリフトとは?ルーマニアンデッドリフトの基本情報

疑問

「そもそもルーマニアンデッドリフトってなに?」「聞いたことはあるけれどどんな種目かわからない」という方のために、まずはルーマニアンデッドリフトの基礎的な情報から解説していきます。

1-1. ハムストリングスのストレッチ種目である

ハムストリング

ルーマニアンデッドリフトは、バーベルやダンベルを利用して腿裏の筋肉であるハムストリングにストレッチを与えることができる種目です。

ハムストリングスはなかなか鍛えることが難しいですが、ルーマニアンデッドリフトはピンポイントで刺激することができるため、ぜひ取り入れたい種目の1つです。

1-2. 中級者以上向けの種目である

ルーマニアンデッドリフト

ハムストリングスを鍛えるのにはおすすめなのですが、ルーマニアンデッドリフト自体は中級者以上向けの種目です。その理由としては

①そもそもハムストリングスをピンポイントで鍛える優先度がそこまで高くない
②ルーマニアンデッドリフトのフォームは難しい

といった2つが挙げられます。

もちろん日常的な動作でも使用するハムストリングスを鍛えることは大切なのですが、ボディメイクの観点から考えるとそこまで優先度は高くありません。

まずは胸・肩・背中・前腿などカラダのシルエットに直接影響する部位から鍛えるべきですし、スクワットや通常のデッドリフトでもハムストリングスへある程度の刺激を与えることができます。

さらにルーマニアンデッドリフトはフリーウェイトの種目の中でも難易度が高く、フォームが固まっていない状態で行うと怪我をするリスクが高くなってしまいます。

そのため、ルーマニアンデッドはある程度トレーニング経験を積んでから行いましょう。

2. ルーマニアンデッドリフトの正しいフォーム

ルーマニアンデッドリフト

ルーマニアンデッドリフトの正しいフォームに関しても解説していきます。先ほど説明したように難易度は高いため、まずはフォームを固めてハムストリングスに効かせることを意識しましょう。

①バーベルの前になるべく近づき、肩幅を目安にオーバーハンドグリップで握ります。
※バーベルから離れた状態でラックアップをすると腰を痛める危険があるため、なるべく近づくようにしてください。
②腹圧をかけてバーベルを持ち上げ、ゆっくりと後ろに下がっていきます。
③両足を腰幅にセットして胸を張り、膝を軽く緩めておきます。
※ここがスタートポジションです。
④股関節からお辞儀をするようにして上体を倒していきます。この時、バーベルは身体を添うようにして下ろしていきましょう。
※バーベルが身体から離れてしまうとフォームが崩れやすくなるため、常に身体から近くを通ることをイメージしてください。
⑤バーベルを脛あたりまで下ろしたら1~2秒停止し、ハムストリングスの最大ストレッチを意識します。
※ここがフィニッシュポジションです。
⑥ゆっくりとバーベルをしていき、スタートポジションまできたら再度切り返していきます。

この動作を繰り返していきましょう。

3. ルーマニアンデッドリフトと他のデッドリフトの違い

ルーマニアンデッドリフト

~デッドリフトと名前がつく種目が多くてわかりにくく感じている方も多くいると思いますので、ルーマニアンデッドリフトとそれぞれのデッドリフトとの違いを解説していきます。

3-1. 通常のデッドリフトとの違いは可動域の差

ルーマニアンデッドリフト

通常のデッドリフトとルーマニアンデッドリフトは、可動域が異なります。
通常のデッドリフトは床からバーベルを引き上げていくため

・背中
・お尻
・ハムストリングス

などカラダの裏面を全体的に鍛えられますが、ルーマニアンデッドリフトは直立(軽く膝を曲げた状態)からスタートしてバーベルを下ろしていくため通常のデッドリフトよりも可動域は狭くなり、基本的に背中を鍛えることはできません。(脊柱起立筋には刺激が入ります)

また通常のデッドリフトのほうが扱える重量も大きくなります。

3-2. トップサイドデッドリフトとは効かせる部位が異なる

ルーマニアンデッドリフト

トップサイドデッドリフトとルーマニアンデッドリフトは、それぞれ効かせる部位が異なります。
トップサイドデッドリフトは膝上から股関節あたりまでバーベルを引き上げていくため背中の筋肉を重点的に鍛えることができますが、ルーマニアンデッドリフトは足関節(くるぶしあたり)から股関節まで引き上げていくのでハムストリングスに刺激が入ります。

トップサイドデッドリフトとルーマニアンデッドリフトは通常のデッドリフトの可動域を半分ずつわけたものとイメージすればわかりやすくなります。

3-3. スティッフレッグデッドリフトとは稼働関節が違う

通常のデッドリフトやトップサイドデッドリフトに比べると知名度が劣りますが、スティフレッグデッドリフトという種目もあります。

スティフレッグデッドリフトはルーマニアンデッドリフトと動作が似ていてハムストリングスに刺激が入るため同じ種目だと混合している方もいますが、正確には違う種目に分類されます。

両者の何が違うかというと、稼働する関節です。
ルーマニアンデッドリフトの場合は股関節以外にも動作に合わせて膝関節を曲げ伸ばししますが、スティフレッグデッドリフトの場合は基本的に膝関節を伸ばしたまま固定し、股関節のみを動かします。

スティフレッグデッドリフトのスティフ(stiff)とは「硬い、硬直した」という意味ですので、脚を固めた状態で行うデッドリフトを指しています。
また、スティフレッグデッドリフトはハムストリングスにも刺激が入るのですが、メインで鍛えているのは背中を縦に走行する脊柱起立筋です。

ハムストリングスは膝から付着しているため、膝の曲げ伸ばしを動作に加えたルーマニアンデッドリフトを選択したほうが効果的です。
膝の曲げ伸ばしが痛い・違和感を感じるなどの場合でなければ、ルーマニアンデッドリフトを取り入れましょう。

スティフレッグデッドリフトに関してもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

スティッフレッグドデッドリフトの基本情報とさらに効果的なトレーニングのための4つのポイント
ハムストリングスの種目をこなしているつもりでも発達しない人はスティッフレッグドデッドリフトが有効です。この記事ではスティッフレッグドデッドリフトの基本情報、バリエーション、理想的な動作、鍛えることができる部位を紹介しています。

3. ルーマニアンデッドリフトを取り入れるべき3つのメリット

恩恵

ある程度トレーニング経験を積んでおり、ハムストリングスの発達に悩んでいるのであれば個人的にルーマニアンデッドリフトは一押しの種目です。

なぜルーマニアンデッドリフトがおすすめなのか、ルーマニアンデッドリフトを取り入れるべき理由を3つ紹介していきます。

3-1. ハムストリングスにピンポイントで刺激を与えることができる

ハムストリング

まず1つ目の理由はハムストリングスにピンポイントで刺激を与えられることができる点です。ハムストリングスを鍛える種目はそもそもあまり多くはなく、ピンポイントで刺激を与えられる種目となるとさらに限られてきます。

実際レッグカールやルーマニアンデッドリフト(スティフレッグデッドリフト)くらいしかありません。
さらにPOF法の観点から考えるとレッグカールは収縮種目、ルーマニアンデッドリフトはストレッチ種目で目的が異なるため、必然的に取り入れたほうが良い種目となります。

3-2. ハムストリングスの種目でもっとも高負荷を扱える

ルーマニアンルーマニアンデッドリフト

続いて2つ目のメリットは、ルーマニアンルーマニアンデッドリフトはもっとも高重量の刺激をハムストリングスへと与えることができる点です。

ルーマニアンデッドリフトは股関節と肘関節を使用するコンパウンド種目のため、80kg前後などある程度高重量を扱うことができます。

レッグカールでそこまでの高重量を扱うことは難しいため、ハムストリングスで高重量を扱うとなるとルーマニアンデッドリフトしかありません。

3-3. スクワット・デッドリフトが苦手な方でもハムストリングスを鍛えることができる

スクワット・デッドリフト

最後3つ目のメリットは、スクワットやデッドリフトが苦手な方でもハムストリングスを鍛えることができる点です。ボディメイクではBIG3(スクワット・デッドリフト・ベンチプレス)を中心にやりこむことが大切とされています。

そしてBIG3の中でもスクワットやデッドリフトは特に意識せずともハムストリングスにも刺激が入るため、種目をやり込んでいればある程度は勝手に発達していきます。

しかし腰を痛めていたり違和感を感じていたりする場合はなかなか高重量でのBIG3ができず、それに伴いハムうストリングスの発達も弱くなってしまいます。

その点ルーマニアンデッドリフトであれば比較的腰に負担をかけずにハムストリングスの発達ができるため、腰が怖い方にもおすすめです。

4. ルーマンアンデッドリフトのバリエーション

ルーマンアンデッドリフト

ルーマニアンデッドリフトは2つのバリエーションがあり、特徴が異なるためそれぞれ紹介しておきます。

4-1. バーベルルーマニアンデッドリフト

まず1つ目が、バーベルを利用したバーベルルーマニアンデッドリフトです。バーベルを利用して行うためフォームが安定しやすく、ハムストリグに効かせやすくなります。

さらに高重量を扱えることができるため、ルーマニアンデッドリフトをトレーニングルーティンに取り入れるのであれば基本的にはバーベルを利用したルーマニアンデッドリフトをおすすめしています。

4-2. ダンベルルーマニアンデッドリフト

続いて2つ目が、ダンベルを利用したダンベルルーマニアンデッドリフトです。ダンベルを両手に持って行うルーマニアンデッドリフトなのですが、バーベルよりは可動域が広くなるためストレッチ範囲を広げることができ、片手のみでのルーマニアンデッドリフトも可能になります。

通常のバーベルルーマニアンデッドリフトにマンネリ化したタイミングや、パワーラックが空いていない時に行うのがおすすめです。

5. ルーマニアンデッドリフトの使用重量と回数の目安

ルーマンアンデッドリフト

ルーマニアンデッドリフトを行う場合の回数として

①ストレッチ種目として中重量で15回前後
②コンパウンド種目として高重量で8回前後

の2パターンが考えられます。
個人的にはまずは①ストレッチ種目として中重量で15回前後を行ってとにかくストレッチで効かせることを重視しています。

②コンパウンド種目として高重量で8回前後に関しては重量をこなすことにフォーカスしすぎてハムストリングスへの意識が弱まりますので、マンネリ化してきたタイミングで入れましょう。

トレーニング歴や筋力・筋量にもよりますが、40~60kg前後の重量でも十分効かせることができます。

6. ルーマニアンデッドリフトでハムストリングスに効かせるための3つのポイント

ルーマンアンデッドリフト

ルーマニアンデッドリフトの正しいフォームを理解できたところで、より効率よくハムストリングスに効かせるためのコツを3つ紹介していきます。

6-1. 足幅を狭く設定する

まず1つ目が、足幅を狭く設定することです。足幅を狭くすることでスタートポジションからハムストリングスが軽く張るため、よりストレッチがかかりやすくなります。

具体的な足幅としては腰幅を目安に設定しましょう。通常のデッドリフトやスクワットでは肩幅に設定することが多いですが、それよりも狭くします。

6-2. 骨盤の前傾を意識する

続いて2つ目が、骨盤の前傾を意識することです。

骨盤の前傾(背中をまっすぐに保った状態)はルーマニアンデッドリフトを行う上で一番大切な動作なのですが、慣れるまではうまく身体がうまく動かせず骨盤が後傾(背中が丸まってしまう状態)しやすくなります。

実際骨盤の前傾が出来ておらずに腰を痛めてしまう方も多くいます。

ルーマニアンデッドリフトを行う際には骨盤を前傾させたまま股関節をヒップヒンジ(お尻を後ろに突き出していく)ことがポイントとなりますので、まずは自重で練習してからバーベルを使用するようにしましょう。

6-3. お尻を斜め上にあげる意識で動作を行う

最後3つ目が、お尻を斜め上にあげる意識で動作を行うことです。上体を倒すと同時にお尻をあげていくことでハムストリングスのストレッチが促進され、より効かせやすくなります。

お尻が斜め後ろに引っ張られている意識を持つとよりハムストリングスが伸びるため、試して見ましょう。

7. ルーマニアンデッドリフト注意すべき3つのポイント

ポイント

続いて、ルーマニアンデッドリフトを行う際に注意すべきポイントを3つ紹介していきます。

7-1. フォームを固めずに行わない

まず1つ目が、フォームが固まっていない状態で動作を行なってしまうことです。ルーマニアンデッドリフトで効かせるポイントでも説明しましたが、骨盤の前傾とヒップヒンジを同時に行わなければならないため複雑な動作です。

自重で行なっても上手にできない場合は、ストレッチポールを利用して練習しましょう。ストレッチポールをカラダの前に立てて両手で支え、前方に倒していくと同時に骨盤の前傾とヒップヒンジを行います。

ストレッチポールでカラダを支えることができるため、ハムストリングスのストレッチに意識が周りやすくなります。

7-2. いきなり高重量で行わない

続いて2つ目の注意点が、いきなり高重量で行わないことです。なぜなら、ハムストリングスを痛める危険性があるからです。

ハムストリングスは歩行時やダッシュなどで日常的に使用する筋肉ではありますが、高負荷のトレーニングには慣れていません。さらに普段ケアをしていないと柔軟性も落ちているため、いきなり高重量を扱うと怪我のリスクが高まります。

まずは柔軟も兼ねて軽い重量から行い、徐々に様子を見ながら高重量を取り入れていきましょう。

7-3. バーベルをカラダから離さない

最後3つ目が、動作時にバーベルをカラダから話さないようにすることです。バーベルがカラダから離れれば離れるほど負荷がハムストリングスから腰にうつってしまいます。また、バーベルが遠くに行ってしまうとバランスも崩れるため、動作中は常にカラダのすぐ前を添うようにしてバーベルを上下させましょう。

8. ルーマニアンデッドリフトで使用したい2つのギア

ルーマンアンデッドリフト

最後に、ルーマニアンスクワットを行う際にあったら便利なトレーニングアイテムを2つ紹介しておきます。

8-1. トレーニングベルト

まず1つ目が、トレーニングベルトです。トレーニングベルトを使用することで自然と腹圧が高まり怪我のリスク軽減やフォームの安定に繋がります。

特にフリーウェイト種目は腹圧をかけることが重要になってくるため、怪我防止の観点から考えるとなるべく揃えておきたいアイテムです。

8-2. パワーグリップ(ストラップ)

続いて2つ目がパワーグリップもしくはパワーストラップです。パワーグリップはバーベルを握る際に使用するアイテムで、握力補助や滑り止めの役割をしてくれます。

ルーマニアンデッドリフトは素手でも行うことはできますが、特に高重量になってくるとハムストリングスよりも握力が疲れてしまう可能性もあるので用意しておくと便利です。

私個人的にはパワーグリップよりもストラップのほうが安価で耐久性も優れているのでおすすめです。

まとめ

今回はルーマニアンデッドリフトに関して解説してきました。本文中で説明したように、ルーマニアンデッドリフトは中級者向け以上の種目です。難易度は高いですが一度フォームを覚えてしまえばかなり効かせやすいですし、ハムストリングスを発達させるには欠かせない種目です。

トレーニングに組み込む場合は今回紹介したコツや注意点を意識し、まずはフォームを固めてから重量をあげるようにしてください。本稿を参考にし、大きく発達したハムストリングスを手に入れましょう!

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編集長プロフィール

Bulkup theory編集長

Bulkup theory編集長

私は現在、IT企業で働きながら競技者としても活動していますが、本業が忙しい中で競技者として活動するためには「効果的で効率的な筋トレ」が非常に重要になってきます。このメディアでは現役の選手やパーソナルトレーナーと共に「最小限の努力で最大の成果」をモットーに高い成果を実現するための筋トレ情報を可能な限り科学的根拠を持って発信していきます。