筋トレとストレッチの関係性やストレッチのタイミング、おすすめのストレッチの方法をまとめて紹介!

ストレッチ 全身

筋トレをしている人の中にはストレッチをしている人もいれば、全くストレッチをしていない人もいます。ストレッチは不要だという人もいれば、ストレッチは効果的な筋トレのためには不可欠だという人もいます。

筋トレ初心者の人はストレッチが必要かどうか、またはどんなストレッチをすればいいのかがわからないと思います。

そこで、この記事では筋トレとストレッチの関係性やストレッチのタイミング、おすすめのストレッチの方法を紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。

1. 筋トレとストレッチの関係性

ここでいう「筋トレ」はバーベルやダンベル、マシンを使って筋肉に負荷を与えるトレーニングのことを指し、「ストレッチ」は筋肉のついている場所どうしを遠ざけることで筋肉を伸ばす動作のことを指します。ここでは、最初に筋トレとストレッチの関係性について触れていきます。

1-1. BIG3をフルレンジで行える程度の可動域を確保するために必要

ストレッチ

ストレッチはBIG3をフルレンジで行える程度の可動域を確保するために必要だと私は考えます。なぜなら、BIG3をストレッチをせずに可動域が狭い状態で行うよりストレッチをして可動域が広い状態で行ったほうがより多くの筋肉を使うので、筋肥大を目的とした筋トレに適しているからです。

例えば、ベンチプレスをフルレンジでできない人は胸を鍛えることが難しくなります。なぜならベンチプレスで胸も鍛えたいのであればバーを胸まで下ろす必要があるからです。バーを下ろすことで胸の筋肉がストレッチされて押し返すことで胸の筋肉に刺激が入ります。この可動域が狭いと胸への刺激は半減してしまいます。

このようなことを防ぐためにストレッチを筋トレ前にして可動域を確保するようにしましょう。怪我などで可動域を確保することが難しいはできる範囲で行うようにしましょう。

また、トレーニング前のストレッチは筋力が落ちるからよくないという説もありますが、同じ部位に静的ストレッチを30秒も続けることをしなければ問題はありません。

1-2. 筋肉のバランスを良くするために必要

ストレッチ

ストレッチは筋肉のバランスを良くするためにも必要だと私は考えます。筋トレをした後に筋トレをした部位のストレッチを行うことで、筋トレをしてこわばった筋肉をほぐし筋肉のバランスを整えることができます。筋肉のバランスが整うことで姿勢が悪くなるのを防ぐことができます。

例えば、胸のトレーニングが終わった後は胸の筋肉がこわばっているのでそのまま放置するとこわばった胸の筋肉のせいで肩の位置が前側にズレて姿勢が悪くなってしまいます。肩の位置が前にズレたままトレーニングを続けると肩や腰を痛めてしまう確率が正しい姿勢のときに比べて格段に上がってしまいます。

ストレッチを筋トレ後に行うことで怪我の予防につながったと断言できる論文は今のところ出ていませんが、私の経験上少なくとも腰背部のストレッチを筋トレ後に行うことで腰の疲労を軽くすることができました。腰に疲れが溜まりやすい人はストレッチをしておいて損はないので時間を作ってストレッチをしておきましょう。

1-3. トレーニング前は動的ストレッチ+ターキッシュゲットアップを行う

私はトレーニング前にこの後紹介する動的ストレッチにターキッシュゲットアップをプラスして行なっています。ターキッシュゲットアップを行うことで肩を本来の位置に持っていくだけでなく肩周りの筋肉にも刺激を与えることができるからです。動的ストレッチと同じタイミングでターキッシュゲットアップを1回ずつ行うことでよりよい準備ができます。

ターキッシュゲットアップの詳しい内容についてはゲットアップの記事を参考にしてみてください。

http://demodeki18.xsrv.jp/get-up ‎

2. タイミングごとにストレッチの種類は違う

ストレッチ

ストレッチと一口に言ってもタイミングによってストレッチの種類は変わってきます。ここでは、筋トレ前に行うストレッチと筋トレ後に行うストレッチに分けて解説します。

2-1. 筋トレ前は動的ストレッチを行う

筋トレを行う前のストレッチは動的ストレッチを行うようにしましょう。動的ストレッチとは動きをつけたり少しだけ反動をつけることで筋肉を伸ばすストレッチのことをいいます。

例えば、つま先を持ったまま屈伸を繰り返す動作などが動的ストレッチに当たります。この動的ストレッチはメインにストレッチする部位は太ももの裏のハムストリングスですが、つま先の向きを変えることで内転筋のストレッチを兼ねることもできます。実際の身体の動きに近い状態でストレッチができるのが動的ストレッチの特徴です。

動的ストレッチだと実際の身体の動きに近い状態でストレッチできるので、筋力を落とすことなく筋トレができます。筋トレ前は動的ストレッチを行うようにしましょう。

2-2. 筋トレ後は静的ストレッチを行う

筋トレ後のストレッチは筋肉のバランスを整えることが目的なので静的ストレッチを行うようにしましょう。静的ストレッチは反動をつけずにゆっくり筋肉を伸ばしていく安全性の高いストレッチ方法です。

例えば、長座の姿勢で行う前屈などが静的ストレッチに当たります。長座の状態から身体を前に倒すことで太ももの裏のハムストリングスを集中的にストレッチさせることができます。動作が少ない動作で狙った筋肉に集中してストレッチを行うことができるのが静的ストレッチの特徴です。

静的ストレッチで筋肉に集中してストレッチができることにより筋肉のバランスに気を配りやすくなります。

また、静的ストレッチで丁寧に筋肉を伸ばすことで副交感神経というリラックスする神経がはたらき、身体をクールダウンさせることができるのでその点でも筋トレ後のストレッチは静的ストレッチがおすすめです。

3. 筋トレ前におすすめのストレッチ4選

筋トレ前におすすめのストレッチを4つ紹介します。この4つのストレッチを行うことでより効果的な筋トレをすることができるようになります。これらのストレッチはいずれも1セットで十分です。なので全てのストレッチをしても5分程度で終わります。5分ならなんとかできると思うのでぜひやってみましょう。

3-1. ロッキングクアッド

ロッキングクアッド

ロッキングクアッドは股関節まわりの筋肉をストレッチすることができる種目です。特に太ももの前側の筋肉と臀部の筋肉を伸ばすことができます。ロッキングクアッドを行うことで股関節や膝関節の動きを良くすることができます。

通常のスクワットではお尻がかかとに着くまでしゃがめない人でも、ロッキングクアッドならお尻がかかとまでつけることができます。ロッキングクアッドで股関節と膝関節の可動域を確保してからスクワットなどを行うことでより広い可動域で行うことができるようになります。ロッキングクアッドの方法は以下の通りです。

①四つん這いの状態になる
②手は肩幅の、膝は腰幅の広さにする
③頭からお尻までを一直線に保ち、お尻をかかとに近づける
④腰が丸まる直前で動作を切り返す
⑤②の状態に戻る

この動作を10回繰り返しましょう。お尻をかかとに近づけるときに息を吸うとお尻の筋肉をより伸ばすことができるのでおすすめです。

3-2. ヒップクロスオーバー

ヒップクロスオーバー

ヒップクロスオーバー

ヒップクロスオーバーは胸や脇腹の筋肉をストレッチすることができる種目です。ヒップクロスオーバーを行うことで背骨の上側(胸椎)を回しやすくし、上半身の筋肉のバランスを整えることができ、ベンチプレスがしやすくなります。ヒップクロスオーバーの方法は以下の通りです。

①仰向けに寝て股関節と膝を90度にして足を浮かす
②手を床に置いてバランスを取りやすくする
③視線とみぞおちは天井に向けたまま両膝を右に倒していく
④みぞおちが横に向きそうになったら動作を切り返す
⑤反対側も同様に行う

この動作を左右10回ずつ行うようにしましょう。ヒップクロスオーバーは特に秒数の指定はありませんが胸椎と腰の骨(腰椎)の動きを分離させて行うことができるスピードで行うようにしましょう。また、お腹がつらいと感じたらかかとを床に付けて膝を左右に振るようにしましょう。

3-3. アームスイープ

F 90-90 with Arm Sweep

アームスイープは肩まわりの筋肉をストレッチすることができる種目です。アームスイープを行うことで懸垂やベンチプレスといった上半身の種目が行いやすくなります。

アームスイープの動作がうまくできない人は肩関節がズレてしまっている可能性があります。そのまま放置してプレス系の種目を行うと怪我につながるのでアームスイープやターキッシュゲットアップを行うなどして肩関節を本来の位置に戻すことから始めましょう。アームスイープの方法は以下の通りです。

①横向きに寝て、股関節と膝関節を90度にする
②横向きに前にならえをして両手を重ねる
③上側の手で床に円を画くように腕を回す
④反対回しも行う
⑤反対側の腕も同様に行う

この動作を各5周ずつ行いましょう。右側計10周、左側計10周行うことで腕の上げやすさが格段に変わります。ぜひ試してみてください。

3-4. スモウスクワットストレッチ

Sumo squat with hamstring stretch

スモウスクワットストレッチは太ももの裏を強烈にストレッチすることができる種目です。スモウスクワットストレッチを行うことで太ももの裏が伸びやすくなり骨盤を前傾させやすくなります。骨盤が前傾しやすくなることで股関節まわりの筋肉を使ったトレーニングが行いやすくなります。

スモウスクワットストレッチの方法は以下の通りです。

①足を腰幅程度に広げてつま先を外側に広げる
②しゃがんでから膝の内側に腕を通してつま先を手で掴む
③つま先を掴んだままお尻を上に上げるイメージで脚を伸ばしきる
④息を吸いながら膝を割ってしゃがむ

この動作を10回行いましょう。もし、脚を伸ばしきるのが難しければ足首を掴んで同様のことを行ってみてください。徐々に膝が伸ばしやすくなるのがわかると思います。脚を伸ばしきることができればスクワットもフルでしゃがめるようになっていることでしょう。

4. 筋トレ後におすすめのストレッチ4選

筋トレ後におすすめのストレッチを4つ紹介します。筋トレ後に静的ストレッチを行うことで筋肉のバランスを整えることができます。これらのストレッチも1セットずつで十分です。

4-1. 腰背部のストレッチ

ストレッチ

腰背部の静的ストレッチを行うことで腰の筋肉のバランスを整えることができます。腰背部は筋トレでよく使うので疲労が溜まりやすく怪我も起こりやすい部位です。腰背部のストレッチを行い、腰の怪我の予防をするようにしましょう。方法は以下の通りです。

①仰向けに寝て両膝を曲げる
②両手で両膝を抱える
③膝と胸をできる限り近づける

腰背部のストレッチを行うときは足首を90度にして行うとストレッチ感が強くなるのでおすすめです。10〜15秒かけてゆっくり伸ばしましょう。

4-2. 臀部のストレッチ

ストレッチ

筋トレ後に臀部の静的ストレッチを行うことで疲労姿勢になるのを防ぐことができます。疲労姿勢とは骨盤が後傾して腰が丸まった姿勢のことで膝や腰を痛めやすい姿勢のことです。疲労姿勢は臀部のこわばりから起こるので臀部のストレッチを行うことで疲労姿勢になるのを予防することができます。方法は以下の通りです。

①体育座りをして手を臀部よりも後ろに置く
②右膝の上に左足首を置く
③へそと左太ももを近づける
④反対側も同様に行う

臀部のストレッチは片方につき10〜15秒かけてゆっくり伸ばしましょう。

4-3. ハムストリングスのストレッチ

ハムストリング

ハムストリングスのストレッチを行うことで脚の筋肉の前後バランスが整います。太ももの裏の筋肉であるハムストリングスをストレッチすることで、普段優先的に使われがちな太ももの前側の筋肉とのバランスが取れるようになります。ハムストリングスのストレッチは以下の通りです。

①膝立ちの状態になる
②右脚を前に出し足首を90度にする
③上体を前に倒す
④反対側も同様に行う

ハムストリングスのストレッチは片脚につき10〜15秒を目安に伸ばしてみましょう。膝立ちのときに膝が食い込んで痛いときはタオルなどを膝の下に引いて行うようにしましょう。

4-4. 胸のストレッチ

胸

筋トレ後に胸のストレッチを行うことで肩の位置が前に来ることを防ぐことができます。肩が前に来てしまうと腕を上に挙げることが困難になったり、肩を痛めたりします。また、肩が前に来てしまうと背中の筋トレもうまくいかなくなるので、胸のストレッチをして肩が前に来るのを防ぐようにしましょう。方法は以下の通りです。

①腕を横に伸ばし、うつ伏せになって寝る
②右手を胸の隣に置き、みぞおちを右に向ける
③反対側も同様に行う

胸のストレッチは片方10〜15秒を目安に行うようにしましょう。

まとめ

筋トレ前は動きをつけて行う動的ストレッチを行い、筋トレ後に静的ストレッチを行うことで可動域を確保した状態で筋トレができ、筋肉のバランスを保つことができます。

筋トレを始めたての頃はストレッチの必要性を感じることなく使用重量や筋肉量を増やすことができると思いますが、途中で頭打ちになってしまいます。ストレッチを怠ると筋肉のバランスが崩れていずれ怪我をしてしまいます。転ばぬ先の杖としてストレッチを行うようにしましょう。

効果的な筋トレを行うためにもストレッチもするようにしましょう。頑張ってください。応援しています。

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編集長プロフィール

Bulkup theory編集長

Bulkup theory編集長

私は現在、IT企業で働きながら競技者としても活動していますが、本業が忙しい中で競技者として活動するためには「効果的で効率的な筋トレ」が非常に重要になってきます。このメディアでは現役の選手やパーソナルトレーナーと共に「最小限の努力で最大の成果」をモットーに高い成果を実現するための筋トレ情報を可能な限り科学的根拠を持って発信していきます。