『筋トレを頑張ってたらある程度成果ができたけど、なんだか全体的に薄っぺらいな…』
こんな悩みを抱えていませんか?
体が薄い原因は、僧帽筋の発達が足りていない可能性があります。そこで、今回は効率よく僧帽筋を鍛えていくための方法を紹介していきます。具体的には
・僧帽筋の付着部位と役割
・僧帽筋を鍛えるのにおすすめな種目
・僧帽筋のトレーニング一例
の順に、重要な点に絞って解説していきます。
僧帽筋のことを正しく理解し、厚みのあるデコボコした背中を手に入れましょう!
1.厚い背中を手にいれるためには僧帽筋の構造を理解しよう
厚みのある背中を手に入れるためには、まずは僧帽筋を正しく理解することが大切です。なぜなら、僧帽筋がどこからどこまで付着しており、どのような働きをするかを把握していないとトレーニング効率が下がってしまうからです。対象部位を使用している意識でトレーニングを行うとより効かせやすくなりますので、まずは僧帽筋の基礎的な情報から見ていきましょう。
1-1.僧帽筋の起始と停止
僧帽筋は体の中でも大きな筋肉のため、上部・中部・下部の3つに分類されています。それぞれがどこからどこまで付着しているか(僧帽筋の起始・停止)を見ていきましょう。
僧帽筋上部の起始・停止
僧帽筋上部は背中の上部表層に広がる大きな筋肉であり、起始は後頭骨上項線(こうとうこつじょうこうせん)・停止は鎖骨の外側1/3です。専門用語すぎてわかりにくいので、首の上から鎖骨まで三角形のような形で付着していることをイメージしてください。
僧帽筋中部の起始・停止
僧帽筋中部は僧帽筋の中でも一番厚く、大きな力を発揮します。起始は第7頚椎~第3胸椎・停止は肩甲骨の肩峰です。僧帽筋中部は首の付け根から胸あたりまでが起始で、そこから左右の肩峰に向かって走行していると考えるとイメージしやすくなります。
僧帽筋下部の起始・停止
僧帽筋下部はその名の通り僧帽筋の中でも下に位置する筋肉で、起始は第4~第12胸椎と幅広く付着し、停止は肩甲棘三角(肩甲骨の一部)です。
1-2..僧帽筋の役割
僧帽筋は上部、中部、下部によってそれぞれ働きが異なります。ただし、基本的には、
上部→肩甲骨の挙上・下制(肩を上げ下げする動作)
中部・下部→肩甲骨の内転(内側に寄せる動作)
と覚えておけば十分です。
そのため、上部を鍛えたいのであればシュラッグ、中部・下部を鍛えたいのであればベントオーバーローイングやシーテッドローイングなどを行えば刺激を与えることができます。
2.肩甲骨の動きを制するものが僧帽筋を制す
僧帽筋の役割で説明した通り、僧帽筋の動きには基本的に肩甲骨が関係しています。そのため、トレーニング中は肩甲骨の動きを意識するべきです。
例えば、ベントオーバーローイングやシーテッドローイングでは同時に広背筋も鍛えられていますよね。もちろん普通に行った場合もある程度は僧帽筋に負荷をかけることができます。しかし、僧帽筋をメインで鍛えたいのであれば動作中に最後まで肩甲骨を内転(寄せる)することを意識すべきです。
このように、同じ種目であっても若干動作が変わってくるのです。僧帽筋を効率よく鍛えるためには「肩甲骨の動き」が大切になるので、覚えておきましょう。
3.効率よく僧帽筋を鍛えるためにはジムに通おう!
効率よく僧帽筋を鍛えるには、ジムに通うべきです。なぜなら、僧帽筋は範囲が広くて筋力も強いので、自重トレーニングでは十分な負荷を与えることができないからです。
チンニングや逆立ちプッシュアップなど、自重でも強度の高い種目はあります。しかし、やはりバリエーションが限られてしまうので非効率的です。
シェイイアップや肩こり・姿勢改善が目的であれば自宅でのトレーニングでも大丈夫ですが、男らしい厚い背中を手に入れたいのであればジムに通いましょう。
4.デコボコした厚い背中を得るためにオススメな僧帽筋のトレーニング
それでは、実際に厚い背中を作るためにオススメな僧帽筋のトレーニングを見ていきましょう。。上部・中部・下部それぞれを狙った種目を紹介していきまsyですので、満遍なく取り入るようにしてください。
4-1.シュラッグ
シュラッグとは、重りを持った状態で肩を上下していくトレーニング種目です。僧帽筋のトレーニングと聞いて一番最初に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実際に僧帽筋にピンポイントで効かせられるため、発達させるにはか欠かせない種目です。特に僧帽筋上部へと刺激を与えることができます。
シュラッグの正しいやり方
まずはシュラッグの正しいやり方から見ていきましょう。また、シュラッグはツールによって効かせる場所も変わるのですが、今回はもっとも自由が効くダンベルシュラッグのフォームを説明していきます。
- ダンベルを両手に持ち、体側にセットします。
- 足を肩幅に開いて少し膝を曲げ、しっかりと胸を張ります。
- 首をすくめるようにして肩を上げていき、最大限上げたら一度止めて僧帽筋の収縮を意識します。
- ゆっくりとダンベルを戻していき、僧帽筋がストレッチされるまで下ろします。
- 反動を使わずに、再度持ち上げていきます。
この動作を繰り返していきましょう。
シュラッグの場合はどうしても他のトレーニングより可動域が狭くなってしまいます。そのため、最大限広い範囲で動かし、動作の中で収縮・ストレッチを意識しましょう。また、前傾姿勢を取ると上部だけでなく僧帽筋中部にも効くため、目的に応じて変えてください。詳しくはシュラッグの記事を参考にしましょう。

シュラッグの負荷設定と回数の目安
シュラッグは比較的高重量を扱いやすい種目のため、重量を追うようにしましょう。しかし、あまりに重すぎるとただでさえ狭い可動域がさらに狭くなってしまいます。そのため、最大限可動域を広く出せる範囲で 8~12回×3セットを目安に行いましょう。
4-2.チンニング
チンニングとは、いわゆる懸垂のことです。広背筋を鍛える際の人気種目ですが、僧帽筋にもしっかりと刺激を与えることができます。
チンニングの正しいやり方
まずはチンニングの正しいやり方から解説していきます。
- バーを肩幅より少し広く、オーバーハンドグリップで握る。
- 両手に体を支えるようにして両足を地面から浮かし、足をお尻のしたで組む。
- しっかりと胸を張って肩甲骨を下げ、目線をあげる。
- その状態から、胸がバーに近づくようにして上体を持ち上げていく。
- 肩甲骨をしっかりと寄せて僧帽筋が収縮したら一止め、ゆっくりと上体を下ろしていく。
- 肘が伸びきる直前で切り返し、再度上体を持ち上げていく。
この動きを繰り返していきます。
チンニングのコツとしては肩甲骨をしっかりと下げた状態をキープし、さらにトップポジションで肩甲骨を寄せることです。チンニングも広背筋を効かせる場合と僧帽筋を効かせる場合では若干変わってきますので、肩甲骨の動きを意識しましょう。詳しくはチンニングのページを参考にしてみてください

チンニングの負荷設定と回数の目安
チンニングの教科書的に正しい負荷設定としては、ベンチプレスの重量が目安とされています。例えば70kgの方がベンチプレスで100kgを10回できるとします。この場合は30kgの加重をした上でチンニングを10回行うということです。
ただし、実際はチンニングは自重で10回×3セットできたら上級者ともいわれているため、まずは自重で行える筋力をつけましょう。
また、セット数に関しては基本的に3セットを目安に行います。ただ、3セットでも余裕がある場合は1~2セット増やすか、先ほど説明した加重で負荷を強めましょう。
4-3.ベントオーバーロー
ベントオーバーローとは上半身をを前傾させた状態で、バーベルを前から引くことによって僧帽筋を鍛えていく動作です。いわゆるロウイング種目(前から重りを引っ張る種目)は、背中の厚みを作るのにオススメです。
ベントオーバーローの正しいやり方
まずはベントオーバーロウの正しいフォームから見ていきましょう。
- バーベルを肩幅を目安アンダーハンドグリップで(逆手)で握ります。
- 足を肩幅に開き、膝を軽く曲げます。股関節から後ろに引き、45度を目安に上体を前傾させます。この時にかかと側に重心をかけ、ハムストリングと大臀筋に力を入れて体幹を安定させましょう。※ここがスタートポジションです。
- バーベルをおへそに近づけるようにして肘を引いていき、肩甲骨を最大限寄せて一度止めます。
- ゆっくりと同じ軌道でバーベルを戻していき、負荷が抜けきる直前で再度切り返していきます。
この動作を繰り返していきましょう。
ベントオーバーロウも、肩甲骨を寄せることをもっとも意識しましょう。また、今回はアンダーハンドグリップでのフォームのため、僧帽筋中部~下部にかけて効かせることができます。これをオーバーハンドグリップ(順手)にすると中部~上部に刺激が入りやすくなるので、覚えておきましょう。
そしてバーベルを引く位置がおへそに寄ると僧帽筋、股関節に寄ると広背筋へと負荷が入りやすくなる(肩甲骨の内転、肩関節の伸展の関係)ため、併せて意識しましょう。
より詳しく知りたい方は、ベントオーバーローの記事を参考にしてください。

ベントオーバーローの負荷設定と回数の目安
ベントオーバーロウの重量設定も、基本的には他の種目と同じで、8~12回できる回数で最低3セット、余裕があるなら5セットを目安に行うようにしましょう。また使用重量の目安としては、もちろん体重にもよりますがトレーニング初心者の方であれば30~40kg、中級者であれば60~70kg,上級者であれば80kg以上を目安に重量設定を行いましょう。
収縮を意識するのであればフリーウェイトではなくスミスマシンを利用してのベントオーバーロウもオススメです。軌道が決まっているため僧帽筋にピンポイントで刺激を与えれるので、ぜひ試してみましょう。
4-4.シーテッドローイング
シーテッドローイングとは、座った状態で前から重りを引いていくトレーニングです。マシンを利用したものとケーブルを利用したものがありますが、ここではケーブルを利用したシーテッドローイングを紹介していきます。
シーテッドローイングの正しいやり方
まずはシーテッッドローイングの正しいやり方から解説していきます。
- フットプレートに足をかけ、グリップを握ります。なるべくお尻を後ろにし、骨盤が後傾した状態を維持します。
- 両足で踏ん張りながらグリップを体に引き寄せていきます。
- 上体を地面に対して垂直よりも少し倒し、しっかりと胸を張ります。
- 肩甲骨を寄せるようにしてグリップをおへそめがけて引き寄せ、僧帽筋を収縮させます。
- ゆっくりと戻していき、肘が伸びきる直前で再度切り返す。
この動きを繰り返していきます。
シーテッドローイングを行う場合も、脇を閉じて肩甲骨を寄せる意識で行うと僧帽筋へと効かせやすくなります。また、通常はおへそをめがけて引いていきますが、これは僧帽筋の中部・下部にメインで刺激が入ります。上部に効かせたい場合はあえてみぞおち辺りを目安に引いてみましょう。より詳しい内容は、シーテッドローイングの記事を参考にしてみてください。

シーテッドローイングの重量設定と回数の目安
僧帽筋を狙ってシーテッドローイングを行う場合は、通常よりも重量を下げることをオススメします。なぜなら、あまり重いと最後まで肩甲骨を内転させるのが難しいからです。回数的には8~12回×3セットで同じなのですが、毎回肩甲骨を寄せきることができる重量設定を意識してください。
5.僧帽筋トレーニングの一例を紹介!僧帽筋は「背中の日」に一緒に鍛えよう!
今まで僧帽筋を鍛える際にオススメな種目をいくつか紹介してきましたが、参考として実際に私が行っている僧帽筋のトレーニングを紹介していきます。また、僧帽筋は基本的に背中の日に取り入れており厚みを重視したロウイング系で広背筋と一緒に鍛えています。そのため、僧帽筋にピンポイントで刺激を与えるのはシュラッグのみです。
それでは、実際に紹介していきます。
- チンニング 加重チンニン8回×3セット+自重チンニング10回×2セット(インターバル:50~60秒)※広背筋と僧帽筋両方に刺激を与え、ウォームアップのイメージ
- ダンベルシュラッグ(バーベルシュラッグ) 8~12回×3セット(インターバル:50~60秒)※僧帽筋上部狙い
- ベントオーバーローイング 8~12回×3セット(インターバル:50~60秒)※僧帽筋中部・下部狙い
- シーテッドローイング 8~12回×3セット(インターバル:50~60秒)※僧帽筋中部・下部狙い
プラスでラットプルダウンやスタンディングケーブルプルオーバーを入れ、計90分前後です。
まとめ
今回は僧帽筋を鍛える際の重要なポイントとオススメな種目、そして実際のトレーニングの組み方まで紹介してきました。僧帽筋中部・下部は、背中のロウイング種目を行っていけば自然と発達します。しかし、上部はなかなか発達しないのでシュラッグで刺激を与えたほうがいいでしょう。
今回紹介したポイントを意識し、効率よく厚い背中を手に入れましょう!
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